1955年、マーク・ロブスン監督作品。実はイギリス映画。
字幕なしの録画ですが、大昔にTV放映(当然吹替版)見て筋は知ってるし!と、割と強気で見てみました。
今回盛大にネタバレです。
舞台は、敗戦の傷跡がまだ随所に残るベルリン。米駐屯軍の軍曹ジョー(リチャード・ウィドマーク)は、戦災孤児の少年にジープを盗まれそうになったのがキッカケで、孤児院の女教師マリア(マイ・ゼッタリング)と知り合い恋に落ちる。彼女の夢は、子供たちごとブラジルへと移住することだったが、スポンサーは彼女をめぐってジョーと大喧嘩したため手を引いてしまった。沈む彼女を見て、ジョーは何とか大金を手に入れられないかと思いつめる。
おりしも、川底に沈んでいたナチスドイツの隠し金塊が偶然発見され、数回にわけてロンドンに空輸されつつあるところだった。添乗を命じられたのはジョーと、旧知の英軍軍曹ロジャー(ジョージ・コール)。「英国で、金を売りさばける闇ルートを知ってるんだが…」ロジャーの提案にジョーは飛びつく。護衛の自分たち二人が組めば、誰も傷つけず、金塊を素早く強奪して逃げられるはず。
闇商人アルフィー(ドナルド・ウォルフィット)、彼の紹介のパイロット・ブライアン(ナイジェル・パトリック)、ロジャーの叔父、計五人による、金塊強奪計画がスタートする…。
ラブコメのごとく明るく始まるが(仕事にかこつけてマリアを連れ出すジョーの悪戯っぽい表情!)、中盤からは緊迫のサスペンス・アクション。だが、ハードボイルドに決めてみせても、これはアマチュアの計画である。唯一のプロ・ブライアンの無造作かつ非情な振舞から、何人もの命が失われるのを見てジョーは金塊を返すことに決めるが、ブライアンが承知する筈もない。死闘の末に、ようやく無事(?)自首を果たしたジョーは、軍法会議の場へと向かう空港で、旅装のマリアと孤児たちに出会う。「自分が全ての罪をかぶるからその代わりに」とジョーがアルフィーに出させた金で、彼女らのブラジル行きが叶ったのだ。
上司の温情でしばしの間、別れの抱擁をかわす二人。何も知らず「貴方も後から来てね」と旅立つマリアを、ちょっと淋しげな笑顔で見送るジョーなのであった。…ジ・エンド。
…うーん…
中盤以降は一応サスペンスフルで、キビキビと軍服アクションしている大好きなウィドマーク様、Foxとの七年契約から解放されたばかりなせいか、楽しそうに演ってる感じなんですけどねぇ、シナリオがちょこちょこ引っかかる所があるのが残念(^^;)
惚れた女の夢のために犯罪に手を染める、というのは、犯罪の動機としては比較的良い方だろうとは思いますが、しかし何故ブラジル?ネオナチでもあるまいに?それともこの頃ドイツではブラジルブームが来てたとか?ブラジルでなくてもなぜ国を出ないといけないの?誰か教えて…
そして、死人が出たしやめる、というのは正しいようでいて何か微妙。死人が出なきゃそんなにいいのかしら。軍を裏切って脱走するのは同じだと思うが…。ナイジェル・パトリックが妙にマイペースでノンシャランな悪党をイイ感じで演ってるので「アマチュアの試みに引っ張り込まれたプロって気の毒」と思えてくるのは、私間違っているのかしら。計画が狂ってきたのは、プロの非情(笑)だけでなくアマ側のツメの甘さにも一因がある。
自首したとはいえ、ジョーだけチャッカリ目的は果たしちゃってるし…(^^;)
ということで、見どころは常に一定のレベル(カッコよさ)は保つウィドマーク様と、ナイジェル・パトリックと、この時期カラーでのベルリン・ロケだけであった(ヒロインはあまり私の好みではなくて…シナリオのせいもあるが)。
それでもとりあえず懐かしかったしで☆三つ(甘いな…)。
自分的にはウィドマーク様が出てるだけで一応見た甲斐はある!
字幕なしの録画ですが、大昔にTV放映(当然吹替版)見て筋は知ってるし!と、割と強気で見てみました。
今回盛大にネタバレです。
舞台は、敗戦の傷跡がまだ随所に残るベルリン。米駐屯軍の軍曹ジョー(リチャード・ウィドマーク)は、戦災孤児の少年にジープを盗まれそうになったのがキッカケで、孤児院の女教師マリア(マイ・ゼッタリング)と知り合い恋に落ちる。彼女の夢は、子供たちごとブラジルへと移住することだったが、スポンサーは彼女をめぐってジョーと大喧嘩したため手を引いてしまった。沈む彼女を見て、ジョーは何とか大金を手に入れられないかと思いつめる。
おりしも、川底に沈んでいたナチスドイツの隠し金塊が偶然発見され、数回にわけてロンドンに空輸されつつあるところだった。添乗を命じられたのはジョーと、旧知の英軍軍曹ロジャー(ジョージ・コール)。「英国で、金を売りさばける闇ルートを知ってるんだが…」ロジャーの提案にジョーは飛びつく。護衛の自分たち二人が組めば、誰も傷つけず、金塊を素早く強奪して逃げられるはず。
闇商人アルフィー(ドナルド・ウォルフィット)、彼の紹介のパイロット・ブライアン(ナイジェル・パトリック)、ロジャーの叔父、計五人による、金塊強奪計画がスタートする…。
ラブコメのごとく明るく始まるが(仕事にかこつけてマリアを連れ出すジョーの悪戯っぽい表情!)、中盤からは緊迫のサスペンス・アクション。だが、ハードボイルドに決めてみせても、これはアマチュアの計画である。唯一のプロ・ブライアンの無造作かつ非情な振舞から、何人もの命が失われるのを見てジョーは金塊を返すことに決めるが、ブライアンが承知する筈もない。死闘の末に、ようやく無事(?)自首を果たしたジョーは、軍法会議の場へと向かう空港で、旅装のマリアと孤児たちに出会う。「自分が全ての罪をかぶるからその代わりに」とジョーがアルフィーに出させた金で、彼女らのブラジル行きが叶ったのだ。
上司の温情でしばしの間、別れの抱擁をかわす二人。何も知らず「貴方も後から来てね」と旅立つマリアを、ちょっと淋しげな笑顔で見送るジョーなのであった。…ジ・エンド。
…うーん…
中盤以降は一応サスペンスフルで、キビキビと軍服アクションしている大好きなウィドマーク様、Foxとの七年契約から解放されたばかりなせいか、楽しそうに演ってる感じなんですけどねぇ、シナリオがちょこちょこ引っかかる所があるのが残念(^^;)
惚れた女の夢のために犯罪に手を染める、というのは、犯罪の動機としては比較的良い方だろうとは思いますが、しかし何故ブラジル?ネオナチでもあるまいに?それともこの頃ドイツではブラジルブームが来てたとか?ブラジルでなくてもなぜ国を出ないといけないの?誰か教えて…
そして、死人が出たしやめる、というのは正しいようでいて何か微妙。死人が出なきゃそんなにいいのかしら。軍を裏切って脱走するのは同じだと思うが…。ナイジェル・パトリックが妙にマイペースでノンシャランな悪党をイイ感じで演ってるので「アマチュアの試みに引っ張り込まれたプロって気の毒」と思えてくるのは、私間違っているのかしら。計画が狂ってきたのは、プロの非情(笑)だけでなくアマ側のツメの甘さにも一因がある。
自首したとはいえ、ジョーだけチャッカリ目的は果たしちゃってるし…(^^;)
ということで、見どころは常に一定のレベル(カッコよさ)は保つウィドマーク様と、ナイジェル・パトリックと、この時期カラーでのベルリン・ロケだけであった(ヒロインはあまり私の好みではなくて…シナリオのせいもあるが)。
それでもとりあえず懐かしかったしで☆三つ(甘いな…)。
自分的にはウィドマーク様が出てるだけで一応見た甲斐はある!
何日も研修があって職場を離れてる(あとがコワイ)。
ヨソの図書館へ通っているのだが、毎日昼休みに書庫カウンターへ行って大昔の洋雑誌を出してもらっては、掘り出し物な記事がないか探している私はアホです。
最初に探していた記事はなかったが(“International edition”とか“Asia edition”って、やっぱり違うんだろうなあ本国オリジナルと)、それでも、根性で一枚だけ「やや掘り出し物」なウィドマーク様入り記事ハケーン。
…こんなんでもなきゃ、やってられませんて。ふー。
ヨソの図書館へ通っているのだが、毎日昼休みに書庫カウンターへ行って大昔の洋雑誌を出してもらっては、掘り出し物な記事がないか探している私はアホです。
最初に探していた記事はなかったが(“International edition”とか“Asia edition”って、やっぱり違うんだろうなあ本国オリジナルと)、それでも、根性で一枚だけ「やや掘り出し物」なウィドマーク様入り記事ハケーン。
…こんなんでもなきゃ、やってられませんて。ふー。
犬飼六岐著。
慶安の変(由比正雪の乱)を新解釈を混ぜつつ取り上げた長編。
尾羽打ち枯らした気弱な浪人熊谷三郎兵衛は、どうしたはずみか、浪人救済の世直しを求めて運動する張孔堂の面々に仲間に誘われ、断り切れずにずるずると仲間に引き入れられるが…
なんでか、きっと面白い、と読む前から確信していた。
これまで「筋違い半介」とか「吉岡清三郎腕貸し帳」など、むしろ反骨の男、つむじまがりで個性爆裂な男を描くのが得意だった著者が、腕にも頭脳にも覚えがなく(得手は提灯や傘張りの内職テクと、ちょっと足が速いことのみ)、小心翼々、ひたすらうつむいて生きているような小男を主人公としたのにはちょっと驚いたが、そんな彼が、流されるままなようでいて、いつしか小さな声でも「自分の意見」を持てるようになってゆくさまがじんわりと胸を打つ。時勢はあまりにも厳しいのだが。
豪快な変人のおかしさでなく、小人の、でも実に愛すべきおかしみと悲哀、そして人の心の奥深さ。
犬飼六岐、一皮むけたんじゃないですかホントに(先にあげた二冊も面白かったが)。
慶安の変(由比正雪の乱)を新解釈を混ぜつつ取り上げた長編。
尾羽打ち枯らした気弱な浪人熊谷三郎兵衛は、どうしたはずみか、浪人救済の世直しを求めて運動する張孔堂の面々に仲間に誘われ、断り切れずにずるずると仲間に引き入れられるが…
なんでか、きっと面白い、と読む前から確信していた。
これまで「筋違い半介」とか「吉岡清三郎腕貸し帳」など、むしろ反骨の男、つむじまがりで個性爆裂な男を描くのが得意だった著者が、腕にも頭脳にも覚えがなく(得手は提灯や傘張りの内職テクと、ちょっと足が速いことのみ)、小心翼々、ひたすらうつむいて生きているような小男を主人公としたのにはちょっと驚いたが、そんな彼が、流されるままなようでいて、いつしか小さな声でも「自分の意見」を持てるようになってゆくさまがじんわりと胸を打つ。時勢はあまりにも厳しいのだが。
豪快な変人のおかしさでなく、小人の、でも実に愛すべきおかしみと悲哀、そして人の心の奥深さ。
犬飼六岐、一皮むけたんじゃないですかホントに(先にあげた二冊も面白かったが)。
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星間商事株式会社社史編纂室
2009年9月4日 読書
三浦しをん著。
社史編纂室でたらたら働くヒロインは腐女子。こっそり社の機械で原稿のコピーを取ってたら上司にバレてしまった。ところが上司はウチの部署でも同人誌を作ろう!と盛り上がってしまうもんだからもうびっくり。おりしも社史のための取材をしているとなぜか「かぎまわるな」と脅迫状が。
このカイシャ、いったいどんな過去が?
展開は違うけれど同著者の「ロマンス小説の七日間」を思い出した。こっちのヒロインも、「星間」と同じく、趣味に生き旅に出まくる、風のように頼りない間柄の恋人を持ち、ちょっぴり不安に揺れている。
そーゆー男にこだわりがあるのでしょうか三浦さん。
ヒロインのオタク力を中核として、社史編纂室の日蔭者社員たちが意地を見せる!
意地の中身はよーわからないヒネリが入っていますが、「書く」ことにこだわる人の心の不思議さはよく伝わってきました。コメディだけど別にお気楽なわけでもなんでもない、等身大の腐女子の生活と心境が描かれています。感動とまではいいませんが、後味はいい。小味だが楽しく読めました。
腐女子にアレルギーある人にはすすめないけど(笑)
それにしても、某所や某所でみかける50歳超受待望論(ゼロじゃなく少ないってだけなのかもしれないが)、三浦さんもシンパだとは知らんかったなあ。ヒロインがそーゆーリーマン小説を書いている(コピー機ネタには笑った)。いや、三浦さんファンなら誰でも知ってることなのかもしれないけど。
ま、BL読みじゃないけど私も、50過ぎても男の旬は過ぎてるとは限らない、むしろ若造無用!と思ってるクチなので年齢については異論はない。ずっと洋画しかも古めの見てきたせいですな。
社史編纂室でたらたら働くヒロインは腐女子。こっそり社の機械で原稿のコピーを取ってたら上司にバレてしまった。ところが上司はウチの部署でも同人誌を作ろう!と盛り上がってしまうもんだからもうびっくり。おりしも社史のための取材をしているとなぜか「かぎまわるな」と脅迫状が。
このカイシャ、いったいどんな過去が?
展開は違うけれど同著者の「ロマンス小説の七日間」を思い出した。こっちのヒロインも、「星間」と同じく、趣味に生き旅に出まくる、風のように頼りない間柄の恋人を持ち、ちょっぴり不安に揺れている。
そーゆー男にこだわりがあるのでしょうか三浦さん。
ヒロインのオタク力を中核として、社史編纂室の日蔭者社員たちが意地を見せる!
意地の中身はよーわからないヒネリが入っていますが、「書く」ことにこだわる人の心の不思議さはよく伝わってきました。コメディだけど別にお気楽なわけでもなんでもない、等身大の腐女子の生活と心境が描かれています。感動とまではいいませんが、後味はいい。小味だが楽しく読めました。
腐女子にアレルギーある人にはすすめないけど(笑)
それにしても、某所や某所でみかける50歳超受待望論(ゼロじゃなく少ないってだけなのかもしれないが)、三浦さんもシンパだとは知らんかったなあ。ヒロインがそーゆーリーマン小説を書いている(コピー機ネタには笑った)。いや、三浦さんファンなら誰でも知ってることなのかもしれないけど。
ま、BL読みじゃないけど私も、50過ぎても男の旬は過ぎてるとは限らない、むしろ若造無用!と思ってるクチなので年齢については異論はない。ずっと洋画しかも古めの見てきたせいですな。
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え、ええええ?
ワタクシ、おとといこの店でお昼食べちゃったよ。出張先の近所にあったから。
でもモヤシが嫌いだから、「角切りステーキ」は食べなかったの。
よかったよかった。
…まあ、発病した気の毒なみなさんは八月中のことだったみたいだけども。油断できませんねえ。びっくり。
ワタクシ、おとといこの店でお昼食べちゃったよ。出張先の近所にあったから。
でもモヤシが嫌いだから、「角切りステーキ」は食べなかったの。
よかったよかった。
…まあ、発病した気の毒なみなさんは八月中のことだったみたいだけども。油断できませんねえ。びっくり。
1933年、ロバート・Z.レナード監督作品。モノクロ。
フレッド・アステアのデビュー作としても(してこそ?)知られているミュージカル。ショー場面だけ「本人」としての客演なので、厳密には、準主役をつとめる「空中レビュー時代」こそが第一作と言ってよいのだが、公開はわずかにこちらが早かったらしい。
キャスティング的には、別にそれだけな作品ではないのだが。主演がジョーン・クロフォード、実は初見なクラシック映画の大女優。目が大きく面長でたくましさすら感じさせる、迫力ある美女。相手役はハリウッドの“キング”クラーク・ゲイブル、でもまだちょっと若くて“皇太子”程度な軽さ。ヒロインを追いかける金持ちのボンボンにフランチョット・トーン、「戦艦バウンティ号の叛乱」でも二人揃って出てましたね。が、あくまで主演はクロフォード、ダンサーとして世に出たい!というヒロインのバックステージ根性モノ。男性陣、負けてる…(アステアはともかく)。
バーレスクのストリップまがいの踊りで糊口をしのぐジェニー(クロフォード)は、彼女を気に入った富豪(トーン)に励まされ、売れっ子演出家パッチ(ゲーブル)の元に行き「私を使って」と直訴をかける。演出家は辟易するが、富豪からの紹介状も届いたのでオーディションだけはすることに。ここで才能を見出された彼女はやがて主役に抜擢されるが、舞台は突然スポンサー降板で中止になる。実は彼女を早く口説き落としたい富豪が、密かに手を回したのだった(そして彼女を船旅に連れ出す)。
二人が旅に出たところで、ようやく気を取り直したパッチは自分の金をつぎ込んでも上演すると決めるが、ジェニー抜きでの仕上がりに自信が持てず初日前夜だというのに泥酔するていたらく。そこへ予定を繰り上げて帰国してきたジェニーは、全ての経緯を知り「振付は覚えてる、やってみせる!」と舞台に上がる。舞台は大成功、彼女とパッチは結ばれる。
悪気はないらしいが困ったちゃんな富豪より、何故だかケンカになりがちだがガミガミ屋の演出家に最初から親しみを見せるヒロイン。ただ、演出家のほうもトーヘンボクな上いざとなるとヘタレだしで、イマイチなロマンス展開であった。
クロフォード、ダンス頑張ってるとは思うがあまり踊りには色気を感じない。体操みたいだ。彼女のパートナーとしてアステアはまずタキシード、続けてバヴァリア風半ズボンで優雅かつ軽快に踊ってくれるが、アステアがロジャースを得てこそ人気が爆発したのも無理はないかもしれない。
最後のナンバー(アステアは出ない)は、「リズムにのろう!時代においつこう!」と、18世紀風の衣装のダンサーたちがありえない手早さで現代の衣装に早代わり。「絶対下からじゃ見えないよな」な空中レビューでも思ったが、なんかこの頃のミュージカルって「舞台でやってるんですよ」感を中途半端に強く残したまま、本当の舞台では不可能なシネ・ミュージカル的な振付をしてるなと思う。まぁ、ブームになったバスビー・バークレーの真上から見た時専用幾何学模様型振付がそもそもそうなんだけど。これが40~50年代だともう少しこなれて、「舞台らしい」ナンバーと映画ならではな振付や演出が融合してゆくのだが。
とりあえず、アステア様のダンスをチェックできただけが収穫だったかな。
フレッド・アステアのデビュー作としても(してこそ?)知られているミュージカル。ショー場面だけ「本人」としての客演なので、厳密には、準主役をつとめる「空中レビュー時代」こそが第一作と言ってよいのだが、公開はわずかにこちらが早かったらしい。
キャスティング的には、別にそれだけな作品ではないのだが。主演がジョーン・クロフォード、実は初見なクラシック映画の大女優。目が大きく面長でたくましさすら感じさせる、迫力ある美女。相手役はハリウッドの“キング”クラーク・ゲイブル、でもまだちょっと若くて“皇太子”程度な軽さ。ヒロインを追いかける金持ちのボンボンにフランチョット・トーン、「戦艦バウンティ号の叛乱」でも二人揃って出てましたね。が、あくまで主演はクロフォード、ダンサーとして世に出たい!というヒロインのバックステージ根性モノ。男性陣、負けてる…(アステアはともかく)。
バーレスクのストリップまがいの踊りで糊口をしのぐジェニー(クロフォード)は、彼女を気に入った富豪(トーン)に励まされ、売れっ子演出家パッチ(ゲーブル)の元に行き「私を使って」と直訴をかける。演出家は辟易するが、富豪からの紹介状も届いたのでオーディションだけはすることに。ここで才能を見出された彼女はやがて主役に抜擢されるが、舞台は突然スポンサー降板で中止になる。実は彼女を早く口説き落としたい富豪が、密かに手を回したのだった(そして彼女を船旅に連れ出す)。
二人が旅に出たところで、ようやく気を取り直したパッチは自分の金をつぎ込んでも上演すると決めるが、ジェニー抜きでの仕上がりに自信が持てず初日前夜だというのに泥酔するていたらく。そこへ予定を繰り上げて帰国してきたジェニーは、全ての経緯を知り「振付は覚えてる、やってみせる!」と舞台に上がる。舞台は大成功、彼女とパッチは結ばれる。
悪気はないらしいが困ったちゃんな富豪より、何故だかケンカになりがちだがガミガミ屋の演出家に最初から親しみを見せるヒロイン。ただ、演出家のほうもトーヘンボクな上いざとなるとヘタレだしで、イマイチなロマンス展開であった。
クロフォード、ダンス頑張ってるとは思うがあまり踊りには色気を感じない。体操みたいだ。彼女のパートナーとしてアステアはまずタキシード、続けてバヴァリア風半ズボンで優雅かつ軽快に踊ってくれるが、アステアがロジャースを得てこそ人気が爆発したのも無理はないかもしれない。
最後のナンバー(アステアは出ない)は、「リズムにのろう!時代においつこう!」と、18世紀風の衣装のダンサーたちがありえない手早さで現代の衣装に早代わり。「絶対下からじゃ見えないよな」な空中レビューでも思ったが、なんかこの頃のミュージカルって「舞台でやってるんですよ」感を中途半端に強く残したまま、本当の舞台では不可能なシネ・ミュージカル的な振付をしてるなと思う。まぁ、ブームになったバスビー・バークレーの真上から見た時専用幾何学模様型振付がそもそもそうなんだけど。これが40~50年代だともう少しこなれて、「舞台らしい」ナンバーと映画ならではな振付や演出が融合してゆくのだが。
とりあえず、アステア様のダンスをチェックできただけが収穫だったかな。
BS~ッ! (聖女ジャンヌ・ダーク)
2009年9月7日 映画 コメント (19)朝から昔のVHSビデオ(TV録画)のDVDダビングをやっていた。懸案の「誇り高き戦場」のダビングをすませて、ネットサーフしてると、え、コレって春先にBSでもやってたの?
…うーん…やっぱ早くBS入ったほうがいいかな…再放送するかも。
(デッキ買い替えがてら、またはネットを光に変えがてら入りたいなと思ったりはしてた)
とか考えつつ、BSオンラインの予定表を見てみて…び、BS~!!!
http://www.nhk.or.jp/bs/genre/movie_7later.html#200910131300
「聖女ジャンヌ・ダーク」やるんですか!?
い、イカン!
10月までに手を打たねば!
実家はBS映る筈だがVHSデッキしかない上に壊れている。買い替えさせるのが早いか!
あるいは、BSを録画できる友人を近場(リアル)で早急に作らねば(爆)
期待(カッコよさの)はできないのだが、超珍品である…ウィドマーク様の作品の中でも。
こわいけど見たいよ~こわいけど(だってこの映画だと、ヘンなおかっぱ髪型なんですもの)。
…うーん…やっぱ早くBS入ったほうがいいかな…再放送するかも。
(デッキ買い替えがてら、またはネットを光に変えがてら入りたいなと思ったりはしてた)
とか考えつつ、BSオンラインの予定表を見てみて…び、BS~!!!
http://www.nhk.or.jp/bs/genre/movie_7later.html#200910131300
「聖女ジャンヌ・ダーク」やるんですか!?
い、イカン!
10月までに手を打たねば!
実家はBS映る筈だがVHSデッキしかない上に壊れている。買い替えさせるのが早いか!
あるいは、BSを録画できる友人を近場(リアル)で早急に作らねば(爆)
期待(カッコよさの)はできないのだが、超珍品である…ウィドマーク様の作品の中でも。
こわいけど見たいよ~こわいけど(だってこの映画だと、ヘンなおかっぱ髪型なんですもの)。
1967年、ラルフ・ネルソン監督作品。ちょっと変わった音楽戦争映画。
昔、TV放映をVHS録画してたものをDVD-Rに焼き直しつつ再見。
1944年12月ベルギー。米軍慰問に来ていたオーケストラと世界的に有名な指揮者エヴァンズ(チャールトン・ヘストン)の乗ったバスは、反攻してきた独軍に捕獲される。ドイツ軍上層部からは、機密作戦上捕虜は全て射殺するようにとの指令が出ていたが、師団の指揮官シラー将軍(マクシミリアン・シェル)は芸術に造詣が深く、まず彼らに独軍のため演奏をさせようとする。
だがエヴァンズは、敵のためになど、と拒絶する。演奏がすんだら逆に用済みだろうとの考えもあり、怯える楽団員たちをなだめすかして引き伸ばし作戦に出る…。
また、慰問団のバスには、どさくさにまぎれて米軍兵士二人もまぎれこんでいた。バレると楽団員にも危険、この二人は早く脱出させて救援を呼ばせたい、と彼らの存在をごまかしつつ二人の脱走計画を練るエヴァンズたちだが、ドイツ軍の監視にもそうそう抜かりはない。
将軍にも悩みは尽きない。階級こそ下だが、本部付き将校アーント大佐(アントン・ディファリング、みるからに親衛隊上がり)が、常に彼の足を掬おうと目を光らせている。捕虜をさっさと銃殺にしないのは命令違反だと詰め寄るアーント大佐に、「演奏がすめば銃殺、補給待ちの燃料が届き師団の移動命令が出てもまだ演奏を承諾していなければやはり銃殺」と、将軍はついに言質を取られる。誇りある軍人、教養あるインテリとしての彼には不本意なことなのだが。
指揮者と将軍の意地の張り合いと駆け引き(また両者の仲間うちでも水面下で暗闘)、米軍兵士の脱走計画、地元パルチザンの動き、そして独軍の移動命令が下るのはいつ?
…と、それなりにスリリングに物語は進んでゆく。各所に演奏がはさまるのも新鮮でよい。
欠陥は確かにある。オケのスタッフ一人もいないし、とか、天才的指揮者がこんなにリーダーシップ取るか普通芸術バカだろとか、捕虜の人数や内容くらいキチンと確認しないのかとか、終盤ご都合主義多くないか?とか。
それにコンマスの細君と指揮者が昔は恋人だったとかでウダウダするのは鬱陶しい。
そして何といってもヘストンが、偉そうなばかりでちーとも芸術家っぽくない!
芸術家の傲慢、というよりただのタカ派に見えがちなのは困ったものだ。
だが、この物語の設定には、奇妙な魅力がある。
孤高の芸術家のプライドと、芸術愛好家軍人のプライドの激突!
相手を従わせたい、という男の意地の張り合いの裏には、ただの力比べではなく、相手の生み出す「芸術」への愛もまた潜むわけである。
芸術家もまた、作品(演奏)を人に見せてナンボだろう?求められてどこかで嬉しくないわけがないのでは?
また、芸術をとるか軍人としての責務をとるか。スカした笑顔の下で将軍は結構いろいろ考えているに違いないのだ。
…と、対立する登場人物たちの立ち位置にはなかなか複雑微妙なものがあり、自分だったらこういう要素をもっとクローズアップ、とか、こういうふうに結末ひねるけどなあ、とか、妙にこちらの妄想力をソソルところがある。しかも独軍の駐屯所は雪に閉ざされた古城。
実はこのビデオ録画を、何度も見ている私であった…
ちなみに、これも結構昔のことだが、少女漫画家の坂田靖子さんが同人誌に「誇り高き戦場」を連載しだしたと聞いた時はほんとにビックリした。インスパイア、というか、もうほとんど別キャラだしオリジナル設定もちょこちょこ入ってるが、このタイトルでほぼ同じ状況下、キザで刺激的な会話をかわす軍人と指揮者。なんと、坂田さんも私と同じく、なんらかの電波を受信しちゃったのねこの映画から…。そして、映画にはない後日談を付け足す坂田さんのキモチ、よーーーーっくよくわかる私なのでした(笑)
(このマンガはその後普通に朝日ソノラマや講談社からも出ています。絶版だけど中古屋やヤフオクで結構手に入る筈)
そして、ヘストンがスカなぶん、キザな将軍がカッコよすぎるくらいカッコよく見える。シェルはピアノもプロ級とかでハマり役。(序盤のチェンバロ合戦を見よ!ヘストンの手元は映らないがシェルの手元はバッチリ見せてくれる)。
口元がクドいのが惜しいが、凄い知的っぽい目ヂカラがある所は私の好み。単細胞そうな指揮者より、ついついシェル将軍に肩入れしてしまうのよね…
坂田さんも将軍に対応するキャラの方に力入ってたね絶対…(笑)
できたら気楽に見て、「快」電波を受信してくれたらいいなーと思える作品。
そうそう、序盤部分の将軍vs指揮者初対決シーンがYouTubeに上がってました。
興味がある人は是非!
http://www.youtube.com/watch?v=vbI1synAi28
昔、TV放映をVHS録画してたものをDVD-Rに焼き直しつつ再見。
1944年12月ベルギー。米軍慰問に来ていたオーケストラと世界的に有名な指揮者エヴァンズ(チャールトン・ヘストン)の乗ったバスは、反攻してきた独軍に捕獲される。ドイツ軍上層部からは、機密作戦上捕虜は全て射殺するようにとの指令が出ていたが、師団の指揮官シラー将軍(マクシミリアン・シェル)は芸術に造詣が深く、まず彼らに独軍のため演奏をさせようとする。
だがエヴァンズは、敵のためになど、と拒絶する。演奏がすんだら逆に用済みだろうとの考えもあり、怯える楽団員たちをなだめすかして引き伸ばし作戦に出る…。
また、慰問団のバスには、どさくさにまぎれて米軍兵士二人もまぎれこんでいた。バレると楽団員にも危険、この二人は早く脱出させて救援を呼ばせたい、と彼らの存在をごまかしつつ二人の脱走計画を練るエヴァンズたちだが、ドイツ軍の監視にもそうそう抜かりはない。
将軍にも悩みは尽きない。階級こそ下だが、本部付き将校アーント大佐(アントン・ディファリング、みるからに親衛隊上がり)が、常に彼の足を掬おうと目を光らせている。捕虜をさっさと銃殺にしないのは命令違反だと詰め寄るアーント大佐に、「演奏がすめば銃殺、補給待ちの燃料が届き師団の移動命令が出てもまだ演奏を承諾していなければやはり銃殺」と、将軍はついに言質を取られる。誇りある軍人、教養あるインテリとしての彼には不本意なことなのだが。
指揮者と将軍の意地の張り合いと駆け引き(また両者の仲間うちでも水面下で暗闘)、米軍兵士の脱走計画、地元パルチザンの動き、そして独軍の移動命令が下るのはいつ?
…と、それなりにスリリングに物語は進んでゆく。各所に演奏がはさまるのも新鮮でよい。
欠陥は確かにある。オケのスタッフ一人もいないし、とか、天才的指揮者がこんなにリーダーシップ取るか普通芸術バカだろとか、捕虜の人数や内容くらいキチンと確認しないのかとか、終盤ご都合主義多くないか?とか。
それにコンマスの細君と指揮者が昔は恋人だったとかでウダウダするのは鬱陶しい。
そして何といってもヘストンが、偉そうなばかりでちーとも芸術家っぽくない!
芸術家の傲慢、というよりただのタカ派に見えがちなのは困ったものだ。
だが、この物語の設定には、奇妙な魅力がある。
孤高の芸術家のプライドと、芸術愛好家軍人のプライドの激突!
相手を従わせたい、という男の意地の張り合いの裏には、ただの力比べではなく、相手の生み出す「芸術」への愛もまた潜むわけである。
芸術家もまた、作品(演奏)を人に見せてナンボだろう?求められてどこかで嬉しくないわけがないのでは?
また、芸術をとるか軍人としての責務をとるか。スカした笑顔の下で将軍は結構いろいろ考えているに違いないのだ。
…と、対立する登場人物たちの立ち位置にはなかなか複雑微妙なものがあり、自分だったらこういう要素をもっとクローズアップ、とか、こういうふうに結末ひねるけどなあ、とか、妙にこちらの妄想力をソソルところがある。しかも独軍の駐屯所は雪に閉ざされた古城。
実はこのビデオ録画を、何度も見ている私であった…
ちなみに、これも結構昔のことだが、少女漫画家の坂田靖子さんが同人誌に「誇り高き戦場」を連載しだしたと聞いた時はほんとにビックリした。インスパイア、というか、もうほとんど別キャラだしオリジナル設定もちょこちょこ入ってるが、このタイトルでほぼ同じ状況下、キザで刺激的な会話をかわす軍人と指揮者。なんと、坂田さんも私と同じく、なんらかの電波を受信しちゃったのねこの映画から…。そして、映画にはない後日談を付け足す坂田さんのキモチ、よーーーーっくよくわかる私なのでした(笑)
(このマンガはその後普通に朝日ソノラマや講談社からも出ています。絶版だけど中古屋やヤフオクで結構手に入る筈)
そして、ヘストンがスカなぶん、キザな将軍がカッコよすぎるくらいカッコよく見える。シェルはピアノもプロ級とかでハマり役。(序盤のチェンバロ合戦を見よ!ヘストンの手元は映らないがシェルの手元はバッチリ見せてくれる)。
口元がクドいのが惜しいが、凄い知的っぽい目ヂカラがある所は私の好み。単細胞そうな指揮者より、ついついシェル将軍に肩入れしてしまうのよね…
坂田さんも将軍に対応するキャラの方に力入ってたね絶対…(笑)
できたら気楽に見て、「快」電波を受信してくれたらいいなーと思える作品。
そうそう、序盤部分の将軍vs指揮者初対決シーンがYouTubeに上がってました。
興味がある人は是非!
http://www.youtube.com/watch?v=vbI1synAi28
フリーター、家を買う。
2009年9月8日 読書
有川浩著。
フリーターになっちゃった主人公が、母親が鬱で心を病んだのをキッカケに改心?してがんばる話。
元気すぎてしんどくなりはじめた気もする著者だが(特に普通に現代ものな場合)、それでも読まされる。文章にイキオイがあるし笑いもあるし。しかし、こんなに立派な連中ばかりだと中に入れてもらえなくてさびしいような気も(私はヘタレちゃん)。
捨て猫のエピソードはやりすぎな気がする…二十代半ばの男女(恋人同士ではない)が小学生みたいにおろおろって(仕事は結構できるくせに)、なんだかなあ。
フリーターになっちゃった主人公が、母親が鬱で心を病んだのをキッカケに改心?してがんばる話。
元気すぎてしんどくなりはじめた気もする著者だが(特に普通に現代ものな場合)、それでも読まされる。文章にイキオイがあるし笑いもあるし。しかし、こんなに立派な連中ばかりだと中に入れてもらえなくてさびしいような気も(私はヘタレちゃん)。
捨て猫のエピソードはやりすぎな気がする…二十代半ばの男女(恋人同士ではない)が小学生みたいにおろおろって(仕事は結構できるくせに)、なんだかなあ。
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彷徨(さまよ)える艦隊〈2〉特務戦隊フュリアス (ハヤカワ文庫SF)
2009年9月9日 読書 コメント (5)
ジャック・キャンベル著。
二巻目である。
逃げながら、ある程度は戦ってみせないと味方が納得しないので大変なのである。相変わらず敵も味方もバカが多いが、面白い。テンポがいいのかね。
何考えているかわからないリモーネ副大統領(女性)の存在も、緊張感を切らさないのにはよいのかも。ツンデレか、と一時は疑ったが、そういうのとも違うのだろうか…
とにかくわからん…
主人公も苦労するなぁ(笑)
さて自分もそこそこには苦労してると思う、ここんとこ。今日も、なんとか人前で45分話をする試練をのりきったが、「あ、アレを強調しておくのを忘れた…全く言わなかったわけではないかもしれんがまずかったか…」と反省ばかり。でも反省なんかしてちゃダメだ。そんなヒマないんだ。お次はレポート締切が一週間後に迫っている。いろんな事の締切がダース単位で時間差攻撃をかけてくる。
こう落ち着かないと、艦隊だけでなく私の意識もどっかに彷徨っていってしまいそうである。来年の状況を考えたりなんかすると気が遠くなるから、考えないッ(笑)
二巻目である。
逃げながら、ある程度は戦ってみせないと味方が納得しないので大変なのである。相変わらず敵も味方もバカが多いが、面白い。テンポがいいのかね。
何考えているかわからないリモーネ副大統領(女性)の存在も、緊張感を切らさないのにはよいのかも。ツンデレか、と一時は疑ったが、そういうのとも違うのだろうか…
とにかくわからん…
主人公も苦労するなぁ(笑)
さて自分もそこそこには苦労してると思う、ここんとこ。今日も、なんとか人前で45分話をする試練をのりきったが、「あ、アレを強調しておくのを忘れた…全く言わなかったわけではないかもしれんがまずかったか…」と反省ばかり。でも反省なんかしてちゃダメだ。そんなヒマないんだ。お次はレポート締切が一週間後に迫っている。いろんな事の締切がダース単位で時間差攻撃をかけてくる。
こう落ち着かないと、艦隊だけでなく私の意識もどっかに彷徨っていってしまいそうである。来年の状況を考えたりなんかすると気が遠くなるから、考えないッ(笑)
1964年、ジュールス・ダッシン監督作品。
なんだか監督の妻子に加え本人も出てるらしい家族映画。いや、泥棒映画。図書館のVHS借りて視聴。
濃いです濃いですというのは聞いていました(笑)。
アヴァンタイトルで女盗賊エリザベス(メリナ・メルクーリ、ご存じダッシン夫人)が、トプカピ宮殿美術館に眠る宝剣への思いを熱く語る場面は色と光の乱舞で、いやーこりゃ濃いなたしかに、とちょっと焦りました。
でもまあ、タイトル&クレジットが終わり、「いい考えを思いついたワ!」と彼女が元恋人・ウォルター(マクシミリアン・シェル)を口説きに行く場面の次くらいからは、耐えられるペースに戻ってひと安心。イスタンブール市内入りするところの映像もカット割がめまぐるしく眩暈を誘うテンポですがそれはちょっと先だし。考えてみたらサイケ時代も目の前。
グラス片手にタキシードで連れと肩組んでパリの歩道をほろ酔いそぞろ歩き、と見せかけておいて、警官に挨拶しつつ向きを変えたら実は連れの背中に銃を突き付けつつ歩いてた(と観客に分かる)というウォルター。彼女以上に腕利き泥棒の彼に宝剣奪取計画を考案させる、というのが彼女の『いい考え』だったようで。
実際リーダーの筈の彼女が何やってるかというと、もっぱら色仕掛パートと、仲間みんなに優しく色っぽく接してムードメーカー、という…。
「面倒みられ型リーダー」ってヤツですか(笑)
当局に記録のないアマチュアをという考えから、ウォルターが集めた仲間は機械に強く警備システム破り担当セドリック(ロバート・モーレイ)、軽業師ジュリオ(ギルス・セガール)、剛力のハンス(ジェス・ハーン)、現地の見世物屋ジョゼフ(ジョゼフ・ダッシン)。
銃などヤバイ物を隠した車をギリシアからトルコ側へ国境越えさせるのに雇った運転手シンプソン(ピーター・ユスティノフ)は、無事越せればよし、捕まれば放置(雇い主の自分たちの情報は教えてない)、という計画だったが、ここで計算違いの展開が発生。
国境で車から銃を見つけた警官たちは、銃をテロリストのものと考え、ここは見逃し逆にシンプソンにスパイを強要して首謀者を捕えようと考える。警察側の小細工で、ウォルターらの運転手を続けることになった彼は、ビクビクしながら尾行の警察に情報を流す。だが、ハンスが怪我をしたことから、泥棒一味はそこそこ大男なシンプソンをピンチヒッターにたてようと仲間に誘い…
さてここから先は伏せておきます。
パレードとイベントで盛り上がるイスタンブールを舞台に、官憲の目も光ってるのにどう盗む?
計画をどう変えれば可能か、ウォルターの頭脳の見せ所です。エリザベスいわく彼は「窮地に立つほど冴えるの」。
まだまだ何でもアナログな時代、監視カメラも光学センサーもない時代のクラシックな泥棒テクが魅せます。いわば空中からお宝を狙う彼らには、身体能力も切り札。ロープで宙づりになりつつ侵入する場面は息を飲む迫力(そして祭りの賑わいとの対比がまた…)。そして、屋根の上を走る彼らのバックには明るいトルコの海。
うーんいいねえ。
そして、ラストシーン。
「次はね、クレムリンよ」と囁くエリザベスに「ノォォォォォォー!」と叫ぶ男ども。
でもね、やっぱり…(笑)
お約束だなあ、と思いつつ、キュートなエンディングにニッコリでした。
ユルいようで心地よいチームワークができちゃってるんですね。エリザベスの人徳?かね。
メルクーリ、かなりなトシだと思うんですけど(笑)シェルより10くらい上じゃないの?
でもまあ人徳は人徳(笑)
これでオスカー助演男優賞のユスティノフは、ポワロ役とかの貫禄タップリになってからの印象が強いからか、そこまでか?という気もするけどヘタレなおじさんの頑張りが受けたか。
ふとっちょギョロ目のモーレイはいつも通りそこにいるだけで微笑ましい。思いがけないほど可愛かったのはギルス・セガール。口のきけない若い軽業師なんですが、「カラダでしゃべる」さまが実に表情豊か。
気になってたシェルは、心配してた程悪くなかったですね。
立ち位置としては普通なら「二枚目役」になりそうなところが、地味に頭脳労働に徹して、スマートかというと「ややスマート」止まりで(笑)、でも恋愛沙汰より自分の「頭脳全開」に酔うようなキャラクターって嫌いじゃない。「飛べ!フェニックス」のハーディ・クリューガーなんかもそう。ドイツ人(厳密にはシェルはオーストリアだけと)は似合うなソッチ系。
映画自体も、軽妙、スマートというには濃いノリだしねえ(キャスティングのせいかも)。でも、おおらかなユーモアと犯行描写の迫力は立派で十二分に楽しめたと思う。
舞台がトルコのイスタンブール、一部ギリシャというわけで、それだけでもコッテリですもんね。
そして、なんだかとても「エロイカより愛をこめて」を思い出しました。スリリングだけど微妙にのんびり♪なところが。トルコ方面行ってた話もあるしねえ。
伯爵って、エリザベスの色気とウォルターの頭脳を合わせたような泥棒?
最近伯爵の女装がやけに多いのでそう思うのかもしれない(笑)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00005IVYK?ie=UTF8&tag=boatswascot-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=B00005IVYK
なんだか監督の妻子に加え本人も出てるらしい家族映画。いや、泥棒映画。図書館のVHS借りて視聴。
濃いです濃いですというのは聞いていました(笑)。
アヴァンタイトルで女盗賊エリザベス(メリナ・メルクーリ、ご存じダッシン夫人)が、トプカピ宮殿美術館に眠る宝剣への思いを熱く語る場面は色と光の乱舞で、いやーこりゃ濃いなたしかに、とちょっと焦りました。
でもまあ、タイトル&クレジットが終わり、「いい考えを思いついたワ!」と彼女が元恋人・ウォルター(マクシミリアン・シェル)を口説きに行く場面の次くらいからは、耐えられるペースに戻ってひと安心。イスタンブール市内入りするところの映像もカット割がめまぐるしく眩暈を誘うテンポですがそれはちょっと先だし。考えてみたらサイケ時代も目の前。
グラス片手にタキシードで連れと肩組んでパリの歩道をほろ酔いそぞろ歩き、と見せかけておいて、警官に挨拶しつつ向きを変えたら実は連れの背中に銃を突き付けつつ歩いてた(と観客に分かる)というウォルター。彼女以上に腕利き泥棒の彼に宝剣奪取計画を考案させる、というのが彼女の『いい考え』だったようで。
実際リーダーの筈の彼女が何やってるかというと、もっぱら色仕掛パートと、仲間みんなに優しく色っぽく接してムードメーカー、という…。
「面倒みられ型リーダー」ってヤツですか(笑)
当局に記録のないアマチュアをという考えから、ウォルターが集めた仲間は機械に強く警備システム破り担当セドリック(ロバート・モーレイ)、軽業師ジュリオ(ギルス・セガール)、剛力のハンス(ジェス・ハーン)、現地の見世物屋ジョゼフ(ジョゼフ・ダッシン)。
銃などヤバイ物を隠した車をギリシアからトルコ側へ国境越えさせるのに雇った運転手シンプソン(ピーター・ユスティノフ)は、無事越せればよし、捕まれば放置(雇い主の自分たちの情報は教えてない)、という計画だったが、ここで計算違いの展開が発生。
国境で車から銃を見つけた警官たちは、銃をテロリストのものと考え、ここは見逃し逆にシンプソンにスパイを強要して首謀者を捕えようと考える。警察側の小細工で、ウォルターらの運転手を続けることになった彼は、ビクビクしながら尾行の警察に情報を流す。だが、ハンスが怪我をしたことから、泥棒一味はそこそこ大男なシンプソンをピンチヒッターにたてようと仲間に誘い…
さてここから先は伏せておきます。
パレードとイベントで盛り上がるイスタンブールを舞台に、官憲の目も光ってるのにどう盗む?
計画をどう変えれば可能か、ウォルターの頭脳の見せ所です。エリザベスいわく彼は「窮地に立つほど冴えるの」。
まだまだ何でもアナログな時代、監視カメラも光学センサーもない時代のクラシックな泥棒テクが魅せます。いわば空中からお宝を狙う彼らには、身体能力も切り札。ロープで宙づりになりつつ侵入する場面は息を飲む迫力(そして祭りの賑わいとの対比がまた…)。そして、屋根の上を走る彼らのバックには明るいトルコの海。
うーんいいねえ。
そして、ラストシーン。
「次はね、クレムリンよ」と囁くエリザベスに「ノォォォォォォー!」と叫ぶ男ども。
でもね、やっぱり…(笑)
お約束だなあ、と思いつつ、キュートなエンディングにニッコリでした。
ユルいようで心地よいチームワークができちゃってるんですね。エリザベスの人徳?かね。
メルクーリ、かなりなトシだと思うんですけど(笑)シェルより10くらい上じゃないの?
でもまあ人徳は人徳(笑)
これでオスカー助演男優賞のユスティノフは、ポワロ役とかの貫禄タップリになってからの印象が強いからか、そこまでか?という気もするけどヘタレなおじさんの頑張りが受けたか。
ふとっちょギョロ目のモーレイはいつも通りそこにいるだけで微笑ましい。思いがけないほど可愛かったのはギルス・セガール。口のきけない若い軽業師なんですが、「カラダでしゃべる」さまが実に表情豊か。
気になってたシェルは、心配してた程悪くなかったですね。
立ち位置としては普通なら「二枚目役」になりそうなところが、地味に頭脳労働に徹して、スマートかというと「ややスマート」止まりで(笑)、でも恋愛沙汰より自分の「頭脳全開」に酔うようなキャラクターって嫌いじゃない。「飛べ!フェニックス」のハーディ・クリューガーなんかもそう。ドイツ人(厳密にはシェルはオーストリアだけと)は似合うなソッチ系。
映画自体も、軽妙、スマートというには濃いノリだしねえ(キャスティングのせいかも)。でも、おおらかなユーモアと犯行描写の迫力は立派で十二分に楽しめたと思う。
舞台がトルコのイスタンブール、一部ギリシャというわけで、それだけでもコッテリですもんね。
そして、なんだかとても「エロイカより愛をこめて」を思い出しました。スリリングだけど微妙にのんびり♪なところが。トルコ方面行ってた話もあるしねえ。
伯爵って、エリザベスの色気とウォルターの頭脳を合わせたような泥棒?
最近伯爵の女装がやけに多いのでそう思うのかもしれない(笑)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00005IVYK?ie=UTF8&tag=boatswascot-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=B00005IVYK
うーーーーん。
研修の宿題のレポート、進まない。疲れがたまっていて昼寝しすぎた。
まあ必要なんだけどね、昼寝も。
夏休みの感想文を、小6の次男は一晩で書き上げたがよく聞くと、一時間ちょっとしかかけていないらしい。それでもお山の伝統文化だの厳しい自然だの世界遺産だの環境問題だのマナー低下の叫ばれる現代社会だの地域の活性化だのと美辞麗句が並んだ実に見事なやっつけ仕事だ(白神山地のマタギの話で書いてた)。
が、「あとちょっと書き足してくれたら上へ出すから」と先生に言われたらしく、「もう一度推敲しないといけないとは」とクサっている。
うーーーーん。
…かくありたい…。(推敲し直しはヤだが)
研修の宿題のレポート、進まない。疲れがたまっていて昼寝しすぎた。
まあ必要なんだけどね、昼寝も。
夏休みの感想文を、小6の次男は一晩で書き上げたがよく聞くと、一時間ちょっとしかかけていないらしい。それでもお山の伝統文化だの厳しい自然だの世界遺産だの環境問題だのマナー低下の叫ばれる現代社会だの地域の活性化だのと美辞麗句が並んだ実に見事なやっつけ仕事だ(白神山地のマタギの話で書いてた)。
が、「あとちょっと書き足してくれたら上へ出すから」と先生に言われたらしく、「もう一度推敲しないといけないとは」とクサっている。
うーーーーん。
…かくありたい…。(推敲し直しはヤだが)
レポートが。
まああと数日あるから想定内だが…今日終わればベストだったんだけどね。
夕方までに終わってdvdの一枚も見れたら最高だと思ってたけどそれはなさすぎ。
朝起きて家族送り出して、ひとわたりネットサーフして、まず、昼寝をした。先週疲れたし。
うっかりすると昼まで遊んで、昼食後に昼寝ってやってしまいがちだから。
それでなくても、私は追いつめられないと動かない困った性癖の持ち主だし。
1時半頃起きて、パンを食べて、少しまたネットサーフしてから、日が傾き出した頃執筆開始。
…そりゃ終わんないわな。
でも三分の二くらいは書けたと思うよ。あとは惰性でいけるはず。たぶん…(爆)
まああと数日あるから想定内だが…今日終わればベストだったんだけどね。
夕方までに終わってdvdの一枚も見れたら最高だと思ってたけどそれはなさすぎ。
朝起きて家族送り出して、ひとわたりネットサーフして、まず、昼寝をした。先週疲れたし。
うっかりすると昼まで遊んで、昼食後に昼寝ってやってしまいがちだから。
それでなくても、私は追いつめられないと動かない困った性癖の持ち主だし。
1時半頃起きて、パンを食べて、少しまたネットサーフしてから、日が傾き出した頃執筆開始。
…そりゃ終わんないわな。
でも三分の二くらいは書けたと思うよ。あとは惰性でいけるはず。たぶん…(爆)
量産型はダテじゃない!5 (富士見ファンタジア文庫)
2009年9月17日 読書
完結編。
自分のコアには秘密があった。しかも、いつものように気合と根性を出すと記憶(メモリ)が損傷してゆくとわかってナンブは…
最後まで、笑って読めるけど細部に突っ込んじゃ危険!というアマさだったなあ。
それより自分のメモリが損傷してきたんじゃないかと思うほど、最近度忘れや言葉が出なくてが多いな。疲れてるのだろう。
でもま、今日無事レポートは送ったし!中身はともかく!
次に待ち受けるアレコレはたくさんあるけど、これでまた「次の週末はどのDVD見よう?」という楽しいお悩みができる。久々に、開放感…♪
自分のコアには秘密があった。しかも、いつものように気合と根性を出すと記憶(メモリ)が損傷してゆくとわかってナンブは…
最後まで、笑って読めるけど細部に突っ込んじゃ危険!というアマさだったなあ。
それより自分のメモリが損傷してきたんじゃないかと思うほど、最近度忘れや言葉が出なくてが多いな。疲れてるのだろう。
でもま、今日無事レポートは送ったし!中身はともかく!
次に待ち受けるアレコレはたくさんあるけど、これでまた「次の週末はどのDVD見よう?」という楽しいお悩みができる。久々に、開放感…♪
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1985年、ウディ・アレン監督作品。
ウディ・アレン作品、特に大物扱いされだしてからはあまり性に合わず見ていないのだが(そもそも80年代後半から新作映画はろくに見なくなった)、「カイロ…」は大好きな「ラムの大通り」に一脈通じるファンタジー・コメディと聞いたのでトライ。つまり、映画ファンの心と映画の力、というテーマね。
大不況まっただ中の30年代、ニュージャージーの小さな町。失業中の夫(博打、浮気、DVと三拍子揃ってる)にかわって働くセシリア(ミア・ファロー)は大の映画ファン。銀幕に見入る間は全ての憂さから解放されるが、ある日映画館で「カイロの紫のバラ」なるロマンス映画を見ていると、とんでもない出来事が。
登場人物の一人である二枚目探検家トム(ジェフ・ダニエルズ)が『キミ、五回も見に来てくれたんだね!嬉しいよ!』とスクリーンから現実世界に飛び出してきてしまったのだ。トムはセシリアを映画館から連れ出すと熱く求愛する。当然残りの登場人物たちも、どう話を進めていいか困って右往左往、観客は文句を言うし、進行しない映画に映画館主もプロデューサーも頭を抱える。トムを演じた俳優ギル(これもジェフ・ダニエルズ)も、イメージダウンになっては大変と飛んでくるが、セシリアの純情さにやはり心を打たれて奇妙な三角関係が発生する。夫(ダニー・アイエロ)を入れれば四角関係か。
気弱な人妻セシリアは困惑しつつもウットリな嵐の数日間を送ることに。とはいえ、トムは夢のようにロマンチックで誠実で魅力的だが、「リアル」ではないトムの財布から出るお金はすべて作り物、現実世界の常識も知らない。
そして、ギルもまたセシリアにとって「リアル」なのかというと…
オープニングのクレジット・タイトル(黒字に小さな白抜き文字のみ、アレンらしいシンプルさ)は、フレッド・アステアの歌う「チーク・トゥ・チーク」にのせてのスタート。おぅ、いきなりこう来ますか。アステアファンの私はこれだけでもニヤリ。映画の持つ「夢の力」の代表格として選ぶには、やはり、深さはなくとも抗いがたいダンス・マジックに溢れるアステア=ロジャース映画は正解でしょう。
そして全編バックに流れる軽やかなピアノ。時代はもちろんトーキーなのだがサイレント映画を思わせるイメージで、物語の作りものっぽさをいい意味で支えていると思う。
ミア・ファローは元々冴えない女性を演じるのはお手の物だが、見事な映画ファンっぷりもよろしい。スクリーンに見入る表情、そしてお仕事中にも映画の話をしだすと関連情報が次々と口からダダ漏れ、相手がもはや聞いていなくても…(笑)
非常に納得の描写である。
あと、映画中映画「カイロ…」の冒頭に“主役の友達”役で登場するジョン・ウッド(多分)、エドワード・エヴェレット・ホートンに激似でたまげました。これは凄い!ホートンはルビッチ映画やアステア=ロジャース映画の脇役常連だったオジサンです。
RKOのラジオ塔マーク直後にこの面構えを見ると、30年代ぽさ全開です。わはは。
ほろ苦く、けれども夢の力にあふれたエンディングは予定調和の世界。
けっこういい感じでした。細部が丁寧。
…でも、「ラムの大通り」の方が更に上をいくと思うな(★は3.5だがアステアでおまけ)。
「カイロ…」が気に入る人は、是非とも機会があれば「ラム…」を見てほしいですね☆
(過去日記参照http://13374.diarynote.jp/200804281734160000/)
アレは予定調和を更に超えた何かを感じます。非現実的な出来事は盛り込んでいないのに。
そして音楽がまた素晴らしいし…♪
ウディ・アレン作品、特に大物扱いされだしてからはあまり性に合わず見ていないのだが(そもそも80年代後半から新作映画はろくに見なくなった)、「カイロ…」は大好きな「ラムの大通り」に一脈通じるファンタジー・コメディと聞いたのでトライ。つまり、映画ファンの心と映画の力、というテーマね。
大不況まっただ中の30年代、ニュージャージーの小さな町。失業中の夫(博打、浮気、DVと三拍子揃ってる)にかわって働くセシリア(ミア・ファロー)は大の映画ファン。銀幕に見入る間は全ての憂さから解放されるが、ある日映画館で「カイロの紫のバラ」なるロマンス映画を見ていると、とんでもない出来事が。
登場人物の一人である二枚目探検家トム(ジェフ・ダニエルズ)が『キミ、五回も見に来てくれたんだね!嬉しいよ!』とスクリーンから現実世界に飛び出してきてしまったのだ。トムはセシリアを映画館から連れ出すと熱く求愛する。当然残りの登場人物たちも、どう話を進めていいか困って右往左往、観客は文句を言うし、進行しない映画に映画館主もプロデューサーも頭を抱える。トムを演じた俳優ギル(これもジェフ・ダニエルズ)も、イメージダウンになっては大変と飛んでくるが、セシリアの純情さにやはり心を打たれて奇妙な三角関係が発生する。夫(ダニー・アイエロ)を入れれば四角関係か。
気弱な人妻セシリアは困惑しつつもウットリな嵐の数日間を送ることに。とはいえ、トムは夢のようにロマンチックで誠実で魅力的だが、「リアル」ではないトムの財布から出るお金はすべて作り物、現実世界の常識も知らない。
そして、ギルもまたセシリアにとって「リアル」なのかというと…
オープニングのクレジット・タイトル(黒字に小さな白抜き文字のみ、アレンらしいシンプルさ)は、フレッド・アステアの歌う「チーク・トゥ・チーク」にのせてのスタート。おぅ、いきなりこう来ますか。アステアファンの私はこれだけでもニヤリ。映画の持つ「夢の力」の代表格として選ぶには、やはり、深さはなくとも抗いがたいダンス・マジックに溢れるアステア=ロジャース映画は正解でしょう。
そして全編バックに流れる軽やかなピアノ。時代はもちろんトーキーなのだがサイレント映画を思わせるイメージで、物語の作りものっぽさをいい意味で支えていると思う。
ミア・ファローは元々冴えない女性を演じるのはお手の物だが、見事な映画ファンっぷりもよろしい。スクリーンに見入る表情、そしてお仕事中にも映画の話をしだすと関連情報が次々と口からダダ漏れ、相手がもはや聞いていなくても…(笑)
非常に納得の描写である。
あと、映画中映画「カイロ…」の冒頭に“主役の友達”役で登場するジョン・ウッド(多分)、エドワード・エヴェレット・ホートンに激似でたまげました。これは凄い!ホートンはルビッチ映画やアステア=ロジャース映画の脇役常連だったオジサンです。
RKOのラジオ塔マーク直後にこの面構えを見ると、30年代ぽさ全開です。わはは。
ほろ苦く、けれども夢の力にあふれたエンディングは予定調和の世界。
けっこういい感じでした。細部が丁寧。
…でも、「ラムの大通り」の方が更に上をいくと思うな(★は3.5だがアステアでおまけ)。
「カイロ…」が気に入る人は、是非とも機会があれば「ラム…」を見てほしいですね☆
(過去日記参照http://13374.diarynote.jp/200804281734160000/)
アレは予定調和を更に超えた何かを感じます。非現実的な出来事は盛り込んでいないのに。
そして音楽がまた素晴らしいし…♪
1938年、マーク・サンドリッチ監督作品。白黒。
出勤日。過去に大ポカをやってたと判明(しくしく)。
さっさと帰ってアステア=ロジャースに癒してもらうことに。コレは未見のまま長いこと寝かしていた分。
連絡つかなかった相手には明日謝罪、あまり荒れたら明日は更にランクアップで「トップ・ハット」か「踊らん哉」あたりで…?
コンビも8作目となると、いろいろ悩むのも当然。新工夫を盛り込もうとしてるのはわかる。ダンサーじゃなくて精神科医のアステア!そして、通常アステアがロジャースを追っかけるのだが、今回は珍しくもロジャースが鈍感アステアを…という流れ。しかしまあ、なんというか、笑えなくはないが救いようがないシナリオであった…スクリューボールコメディ調にしようとして失敗したみたいな感じ(爆)
精神分析医トニー(アステア)の元へ、親友スティーヴン(ラルフ・ベラミー)が泥酔してやってくる。婚約者アマンダ(ロジャース)に三度目の婚約解消を言い渡された、何故だろう、と落ち込む彼は、彼女を精神分析で診てほしいとトニーに頼むのだった(この時点でかなりヘンです)。トニーとも親しくなったアマンダは、夢の中で超ロマンチックなダンスを一緒に踊った彼にポウッとなり、目が覚めてからもトニーへの恋心が消えず(???)、麻酔などの影響もあって様々な無茶をやらかす。が、スティーヴンを裏切るにしのびないトニーは、アマンダに催眠術で「スティーヴンを愛している、トニーは嫌い」と吹き込むが(…ソレほとんど犯罪では…)、その後になって自分の気持ちに気付くのだった。
精神分析医役は、水兵役(「艦隊を追って」)よりは余程似あってると思う。だだっ広いオデコは知的だ。ただ、そのぶん最初のナンバー登場のタイミングが遅くなるのは残念(笑)。
最初のナンバーはゴルフ場、ひとしきりハーモニカを吹いた後ゴルフボールをかっとばしつつ踊るアステア様。いや、多芸ですねー。アマンダの夢の中ではスローモーションを使った“I used to be color-blind”、セットはちゃちいけどアステア様って映画史上最もスローモーションの似合う男性ダンサーでは、と言いたくなるスーパーロマンチック。この曲が一番心に残りますね。夢の中で素敵に踊ったから惚れる、というのは普通ならあまりにありえないけれど…。あとアマンダが強引にトニーを誘って踊るナンバー、催眠術でぼうっとした彼女を操るような手つきでトニーが踊るナンバー、ちょっといつもより少ないかなって気はするけれど(精神科医にしたせいか…)、まあとりあえずは、癒されました(笑)
いつもよりアステアが真面目なぶん、ロジャースがハジケてる。彼女、いつもより可愛いくらい。ラルフ・ベラミーはただただ“つまらない男”役…この人は映画で何作もエラリー・クイーンを演じていた筈なので、も少しなんとかならんか、とか思ってしまいます(^^;)←クイーン・ファン。
出勤日。過去に大ポカをやってたと判明(しくしく)。
さっさと帰ってアステア=ロジャースに癒してもらうことに。コレは未見のまま長いこと寝かしていた分。
連絡つかなかった相手には明日謝罪、あまり荒れたら明日は更にランクアップで「トップ・ハット」か「踊らん哉」あたりで…?
コンビも8作目となると、いろいろ悩むのも当然。新工夫を盛り込もうとしてるのはわかる。ダンサーじゃなくて精神科医のアステア!そして、通常アステアがロジャースを追っかけるのだが、今回は珍しくもロジャースが鈍感アステアを…という流れ。しかしまあ、なんというか、笑えなくはないが救いようがないシナリオであった…スクリューボールコメディ調にしようとして失敗したみたいな感じ(爆)
精神分析医トニー(アステア)の元へ、親友スティーヴン(ラルフ・ベラミー)が泥酔してやってくる。婚約者アマンダ(ロジャース)に三度目の婚約解消を言い渡された、何故だろう、と落ち込む彼は、彼女を精神分析で診てほしいとトニーに頼むのだった(この時点でかなりヘンです)。トニーとも親しくなったアマンダは、夢の中で超ロマンチックなダンスを一緒に踊った彼にポウッとなり、目が覚めてからもトニーへの恋心が消えず(???)、麻酔などの影響もあって様々な無茶をやらかす。が、スティーヴンを裏切るにしのびないトニーは、アマンダに催眠術で「スティーヴンを愛している、トニーは嫌い」と吹き込むが(…ソレほとんど犯罪では…)、その後になって自分の気持ちに気付くのだった。
精神分析医役は、水兵役(「艦隊を追って」)よりは余程似あってると思う。だだっ広いオデコは知的だ。ただ、そのぶん最初のナンバー登場のタイミングが遅くなるのは残念(笑)。
最初のナンバーはゴルフ場、ひとしきりハーモニカを吹いた後ゴルフボールをかっとばしつつ踊るアステア様。いや、多芸ですねー。アマンダの夢の中ではスローモーションを使った“I used to be color-blind”、セットはちゃちいけどアステア様って映画史上最もスローモーションの似合う男性ダンサーでは、と言いたくなるスーパーロマンチック。この曲が一番心に残りますね。夢の中で素敵に踊ったから惚れる、というのは普通ならあまりにありえないけれど…。あとアマンダが強引にトニーを誘って踊るナンバー、催眠術でぼうっとした彼女を操るような手つきでトニーが踊るナンバー、ちょっといつもより少ないかなって気はするけれど(精神科医にしたせいか…)、まあとりあえずは、癒されました(笑)
いつもよりアステアが真面目なぶん、ロジャースがハジケてる。彼女、いつもより可愛いくらい。ラルフ・ベラミーはただただ“つまらない男”役…この人は映画で何作もエラリー・クイーンを演じていた筈なので、も少しなんとかならんか、とか思ってしまいます(^^;)←クイーン・ファン。
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謎の聖都―グイン・サーガ〈128〉 (ハヤカワ文庫JA)
2009年9月21日 読書Yahoo!はやっぱりアホだと思う。
2009年9月22日 コンピュータ コメント (5)やーっと…明日はお休み。仕事の帰りに家族で食事にいって、レモンバターとりんごバターのおいしい店なのでパンもたらふくたべてご機嫌で帰ったら…
私は海外のYahoo!groupsに入っている。そのためyahoo.comのアカウント&アドレスも取得しているが、昨日突然「セキュリティのためパス忘れた時用の新しい質問を設定しろ」と言われて、でも何度やっても、
Oops! Looks like our servers are taking a break. Please try again later.
サーバから拒否されてしまう。一夜あけてもダメ。
なんか素敵なファイルが新しくアップされてるぽいのに!!!
結局ネット検索でこの語句引いて、連絡用のアドレス(yahoo.comアドレス以外で)入れる欄もあるのですが、「ここのアドレスを日本Yahoo!のにしたらやっと通った」という記述を見つけてようやく解決。滅多に使わないけど一応yahoo.jpのアドレスを指定したら確かにイケました。
そういや初期値では私のメインアドレスでなくやはりあまり使わないgmailアドレスが(どこから察知したのか)入っていたけど、もしかしたらアレでも通ったのかも…
わかりませんって普通。
だいたいOops! って何なのよもう。アホとしか思えん。関西の「アホ」には普通かわいげがあるが、ここには、ない!
他にも泣く人がいるかもなので日記に書いとこう。
私は海外のYahoo!groupsに入っている。そのためyahoo.comのアカウント&アドレスも取得しているが、昨日突然「セキュリティのためパス忘れた時用の新しい質問を設定しろ」と言われて、でも何度やっても、
Oops! Looks like our servers are taking a break. Please try again later.
サーバから拒否されてしまう。一夜あけてもダメ。
なんか素敵なファイルが新しくアップされてるぽいのに!!!
結局ネット検索でこの語句引いて、連絡用のアドレス(yahoo.comアドレス以外で)入れる欄もあるのですが、「ここのアドレスを日本Yahoo!のにしたらやっと通った」という記述を見つけてようやく解決。滅多に使わないけど一応yahoo.jpのアドレスを指定したら確かにイケました。
そういや初期値では私のメインアドレスでなくやはりあまり使わないgmailアドレスが(どこから察知したのか)入っていたけど、もしかしたらアレでも通ったのかも…
わかりませんって普通。
だいたいOops! って何なのよもう。アホとしか思えん。関西の「アホ」には普通かわいげがあるが、ここには、ない!
他にも泣く人がいるかもなので日記に書いとこう。
戦う司書と絶望の魔王 (集英社スーパーダッシュ文庫)
2009年9月24日 読書
山形 石雄著。
次で最終巻、と、ついに明示されたけど、ほんと毎回毎回新鮮に面白いシリーズ。魔王の過去が語られるだけに、多少ありがちな展開ではあるのだが、そのかわりにまだまだ秘められていた設定がいくつもおひろめされる。
やっぱり先が読めないまま、最終巻につづく。
今日もいろいろ不幸な一日だったが、とにかくひととき忘れさせてくれた。めでたい。
次で最終巻、と、ついに明示されたけど、ほんと毎回毎回新鮮に面白いシリーズ。魔王の過去が語られるだけに、多少ありがちな展開ではあるのだが、そのかわりにまだまだ秘められていた設定がいくつもおひろめされる。
やっぱり先が読めないまま、最終巻につづく。
今日もいろいろ不幸な一日だったが、とにかくひととき忘れさせてくれた。めでたい。
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ヴィンランド・サガ 8 (アフタヌーンKC)
2009年9月25日 読書
非常に珍しいことに、出てすぐシリーズ最新刊のご注進メールがAmazonから来ました。やればできるじゃん。なぜ滅多にやれないのか?
さて、幸村誠、8巻目。
オビ見ないで読んだのは正解であるが(皆さん気をつけましょうネ)、
あ…あああ…ああああああああ…
ア…アアア…アアアアアアアア…(涙)
はたして私、9巻に手を出す日は来るのだろうか。わーん。
さて、幸村誠、8巻目。
オビ見ないで読んだのは正解であるが(皆さん気をつけましょうネ)、
あ…あああ…ああああああああ…
ア…アアア…アアアアアアアア…(涙)
はたして私、9巻に手を出す日は来るのだろうか。わーん。
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