将軍 (1970年) (ハヤカワ・ノヴェルズ)
2009年10月1日 読書
アラン・シリトー著。
画像はないけどアマゾンから古書は探せそうです。
アメリカ映画「誇り高き戦場」、坂田靖子さんの「誇り高き戦場」の原作として一部に有名な「将軍」。
とうに絶版だけどよく探すとヨソの図書館にあったので借りてみた。
ううーむ。
映画と、またマンガと、全然違うぢゃないか。
マンガの原作は映画だな、あくまでも。
将軍がハゲの小男でも、見かけだけの問題なら別にいいのだが…キャラが違う。
戦場で、慰問にきた交響楽団と指揮者が敵軍の捕虜になるのは、もちろん同じ。
だが、架空の国の軍隊である(共産圏ぽい)。
指揮者は世界的に有名だなんてことは書いてないし、将軍は特に貴族的・芸術愛好家的だったりはしない。ただ、捕まえてみたら、なんだか「交響楽団員を殺すのはイマイチ」な気がしてきて、「シンフォニーを聞いてみたい」気がしてきただけである。ただ、この気持ちは次第にエスカレートして指揮者と楽団員をぜひ逃がしたい!という思いにまで発展するのだが。
指揮者だって、演奏して、と言われたら別にさからわない。そもそも戦争というものに懐疑的で敵軍をも自軍をも信じていない。銃なんか間違っても手にしない…
乞われたら自然に歌い出す、小鳥のように力弱い存在でもある。
だがそのか弱さゆえに、将軍を破滅させることにもなるわけだが…
最初のうちこそディレッタントな口調で互いを探りあい皮肉をぶつけたりしているが、個人としてのふたりは、映画と違ってびっくりするほど簡単に近づく。
うーーーーーーむ。
「誇り高き戦場」のシナリオ(とヘストンの好戦的なキャラ作り)を私は酷評したが(http://13374.diarynote.jp/200909080047383316/)、小説から映画への脚色自体は、実はかなりお見事なのではないか。
私や坂田センセの萌え心?をそそった要素は、アレもコレも映画オリジナルだったのね…
ファッショナブルなナチスドイツの軍服。独軍内のナチスと国防軍の対立、意地をはる「世界的」指揮者、お貴族的芸術的な将軍!
えー加減な脱走計画も、悪くはない。
あとあんなにヘストンが嬉々として銃を取ることさえ止めてくれたらかなりなモノだ♪
やっぱり何でも、実際に確かめてみないと、わからないものである…
とそれしか読後の感想がないというのもどうだかとは思うが(笑)
なんか地味な小説だったんだよね。
画像はないけどアマゾンから古書は探せそうです。
アメリカ映画「誇り高き戦場」、坂田靖子さんの「誇り高き戦場」の原作として一部に有名な「将軍」。
とうに絶版だけどよく探すとヨソの図書館にあったので借りてみた。
ううーむ。
映画と、またマンガと、全然違うぢゃないか。
マンガの原作は映画だな、あくまでも。
将軍がハゲの小男でも、見かけだけの問題なら別にいいのだが…キャラが違う。
戦場で、慰問にきた交響楽団と指揮者が敵軍の捕虜になるのは、もちろん同じ。
だが、架空の国の軍隊である(共産圏ぽい)。
指揮者は世界的に有名だなんてことは書いてないし、将軍は特に貴族的・芸術愛好家的だったりはしない。ただ、捕まえてみたら、なんだか「交響楽団員を殺すのはイマイチ」な気がしてきて、「シンフォニーを聞いてみたい」気がしてきただけである。ただ、この気持ちは次第にエスカレートして指揮者と楽団員をぜひ逃がしたい!という思いにまで発展するのだが。
指揮者だって、演奏して、と言われたら別にさからわない。そもそも戦争というものに懐疑的で敵軍をも自軍をも信じていない。銃なんか間違っても手にしない…
乞われたら自然に歌い出す、小鳥のように力弱い存在でもある。
だがそのか弱さゆえに、将軍を破滅させることにもなるわけだが…
最初のうちこそディレッタントな口調で互いを探りあい皮肉をぶつけたりしているが、個人としてのふたりは、映画と違ってびっくりするほど簡単に近づく。
うーーーーーーむ。
「誇り高き戦場」のシナリオ(とヘストンの好戦的なキャラ作り)を私は酷評したが(http://13374.diarynote.jp/200909080047383316/)、小説から映画への脚色自体は、実はかなりお見事なのではないか。
私や坂田センセの萌え心?をそそった要素は、アレもコレも映画オリジナルだったのね…
ファッショナブルなナチスドイツの軍服。独軍内のナチスと国防軍の対立、意地をはる「世界的」指揮者、お貴族的芸術的な将軍!
えー加減な脱走計画も、悪くはない。
あとあんなにヘストンが嬉々として銃を取ることさえ止めてくれたらかなりなモノだ♪
やっぱり何でも、実際に確かめてみないと、わからないものである…
とそれしか読後の感想がないというのもどうだかとは思うが(笑)
なんか地味な小説だったんだよね。
ブランディングズ城は荒れ模様 (ウッドハウス・スペシャル)
2009年10月3日 読書
まだ読み始めたばかり。「夏の稲妻」からすぐあとのオハナシのようだった。
ウッドハウスは何読んでも楽しいなあ。のんびりゆったり…
仕事はちっとものんびりゆったりできないが。
それでも強引にヤフオクでリーフリプレイヤーを落としたぞ!
これで安心してまたストレスを海外DVD買って解消できるというものだ。買ったけどまだ見てない海外DVDだってあるんだもん~。
ウッドハウスは何読んでも楽しいなあ。のんびりゆったり…
仕事はちっとものんびりゆったりできないが。
それでも強引にヤフオクでリーフリプレイヤーを落としたぞ!
これで安心してまたストレスを海外DVD買って解消できるというものだ。買ったけどまだ見てない海外DVDだってあるんだもん~。
「シャイアン」の日。
2009年10月4日 映画 コメント (35)
自主上映で、フィルムは想像以上に壮絶な状態でしたが(モノクロみたいだった…)、すばらしい一日でした!
アコガレの劇場の大画面。自主上映の16ミリスクリーンを含めても、「主演」のウィドマーク様を見たのは「大西部への道」しかなかった私。これもロードショーではなく東京の名画座の結構雨降りな画面で、親戚ンちへ行く際強引に親にねじこんだ無理無理な機会。
1970年代以降のウィドマーク出演作は劇場でも何作か見ているが(「合衆国最後の日」「コーマ」「オリエント急行殺人事件」「スウォーム」等)、さすがに60才を超えると大抵脇役。主役を張っても未公開TVムービーだったりキワモノ(ホラー)だったりなので、地元で「シャイアン」の自主上映情報を見つけた時は実に嬉しかった。
画面がフルスクリーンでも(本当はワイドスクリーン映画)。褪色ありと注意書きがあっても。
とはいえ、あれだけ褪色があると、…あえて「評価」はしないことにします。しかも完全版じゃなかったらしいし。
通常フォードの西部劇に景観の美しさという要素がないわけないのだろうけど、今回ソレが生憎欠落した観賞でしたので…
米国政府との協定に従い、故郷イエローストーン地区を離れて南へ移住したシャイアン族。しかし政府の約束した援助物資は不足し、約束の日時にも議員団は現れない。人口まで激減した一族は2000キロ北の故郷へ帰ろうと決める。騎兵隊がそれを追うが、いい加減な情報の蔓延や利権屋の暗躍がからみ、苛酷な旅路を辿るシャイアンの運命はますます悲惨なものになってゆく…。
シャイアンに同行する白人の女教師(キャロル・ベイカー)や、シャイアンの実情を知り内心では同情的な騎兵隊の大尉(リチャード・ウィドマーク)を配し、銀幕でインディアンをゴマンと倒してきた西部劇の「神様」フォードの“贖罪”とも評される作品ですが、必ずしも重苦しいだけの印象ではなく最後まで飽きず見終われたのは、たんに私がウィドマーク・ファンだからでしょうか(笑)
「馬上の二人」とほとんど同じキャラクターと言ってもいい、常識的で人間的で誠実で不器用なベテラン将校。
騎兵隊の紺軍服が素晴らしく似合うのが目に楽しいです。横に黄線の入ったズボンが足長く見えて素敵。怪我をしたシャイアンの子どもの相手をするところの優しさも素敵。ただし上司も部下(パトリック・ウェイン)も彼の人間性になかなかついてきてくれなかったりなんですが。
理想主義的な内務長官を演じたエドワード・G・ロビンソンの存在感もさすがだった。
超好戦的なのが途中で改心するP.ウェインや、インディアンについてよく知っている良い人かと思ったら上からの命令には杓子定規なダメ軍人カール・マルデンについては中途半端な気がしたけれど、「実は15分ほど欠落のあるフィルムでした」とか言われちゃったしねえ。やれやれ。
ダッジ・シティでコメディ・リリーフのような登場をするジェームズ・スチュアート(ワイアット・アープ)とアーサー・ケネディ(ドク・ホリディ)は、楽しいといえば楽しいけど、どっちでもいいといえばいえる。ジョン・キャラダインまで出てるの含めてファンサービス?なのかな。ウィドマーク大尉がウェイン少尉に「君の父上のことは知ってる」とかいうのもある種ファンサービスかな。
むしろ、シャイアン族の旅路に、ウィドマーク様のナレーションが結構重なるのが嬉しかったり…。この人の声、好きです★
本当は大塚周夫さんのようなダミ声じゃないんですよ。(大塚さん上手いし好きだけど…)。
英語字幕つき米国盤がAmazon.jpで買えるのだけど、日本語字幕つき日本盤が出ないかなあ、腐ってもフォードだしなあ、とずーーっと待っていたけど、諦めて米国盤買おうかしらん。
ちゃんとした「シャイアン」が見たくなりました。
そして、ちょっと私信モード…。
実はえらくご近所だったなにわすずめ様、ごいっしょに鑑賞できてうれしかったです!やはりネットであれこれお話してからお会いすると、まるっきり「初めて」って感じがしませんね。今後ともよろしくお願いします。
アコガレの劇場の大画面。自主上映の16ミリスクリーンを含めても、「主演」のウィドマーク様を見たのは「大西部への道」しかなかった私。これもロードショーではなく東京の名画座の結構雨降りな画面で、親戚ンちへ行く際強引に親にねじこんだ無理無理な機会。
1970年代以降のウィドマーク出演作は劇場でも何作か見ているが(「合衆国最後の日」「コーマ」「オリエント急行殺人事件」「スウォーム」等)、さすがに60才を超えると大抵脇役。主役を張っても未公開TVムービーだったりキワモノ(ホラー)だったりなので、地元で「シャイアン」の自主上映情報を見つけた時は実に嬉しかった。
画面がフルスクリーンでも(本当はワイドスクリーン映画)。褪色ありと注意書きがあっても。
とはいえ、あれだけ褪色があると、…あえて「評価」はしないことにします。しかも完全版じゃなかったらしいし。
通常フォードの西部劇に景観の美しさという要素がないわけないのだろうけど、今回ソレが生憎欠落した観賞でしたので…
米国政府との協定に従い、故郷イエローストーン地区を離れて南へ移住したシャイアン族。しかし政府の約束した援助物資は不足し、約束の日時にも議員団は現れない。人口まで激減した一族は2000キロ北の故郷へ帰ろうと決める。騎兵隊がそれを追うが、いい加減な情報の蔓延や利権屋の暗躍がからみ、苛酷な旅路を辿るシャイアンの運命はますます悲惨なものになってゆく…。
シャイアンに同行する白人の女教師(キャロル・ベイカー)や、シャイアンの実情を知り内心では同情的な騎兵隊の大尉(リチャード・ウィドマーク)を配し、銀幕でインディアンをゴマンと倒してきた西部劇の「神様」フォードの“贖罪”とも評される作品ですが、必ずしも重苦しいだけの印象ではなく最後まで飽きず見終われたのは、たんに私がウィドマーク・ファンだからでしょうか(笑)
「馬上の二人」とほとんど同じキャラクターと言ってもいい、常識的で人間的で誠実で不器用なベテラン将校。
騎兵隊の紺軍服が素晴らしく似合うのが目に楽しいです。横に黄線の入ったズボンが足長く見えて素敵。怪我をしたシャイアンの子どもの相手をするところの優しさも素敵。ただし上司も部下(パトリック・ウェイン)も彼の人間性になかなかついてきてくれなかったりなんですが。
理想主義的な内務長官を演じたエドワード・G・ロビンソンの存在感もさすがだった。
超好戦的なのが途中で改心するP.ウェインや、インディアンについてよく知っている良い人かと思ったら上からの命令には杓子定規なダメ軍人カール・マルデンについては中途半端な気がしたけれど、「実は15分ほど欠落のあるフィルムでした」とか言われちゃったしねえ。やれやれ。
ダッジ・シティでコメディ・リリーフのような登場をするジェームズ・スチュアート(ワイアット・アープ)とアーサー・ケネディ(ドク・ホリディ)は、楽しいといえば楽しいけど、どっちでもいいといえばいえる。ジョン・キャラダインまで出てるの含めてファンサービス?なのかな。ウィドマーク大尉がウェイン少尉に「君の父上のことは知ってる」とかいうのもある種ファンサービスかな。
むしろ、シャイアン族の旅路に、ウィドマーク様のナレーションが結構重なるのが嬉しかったり…。この人の声、好きです★
本当は大塚周夫さんのようなダミ声じゃないんですよ。(大塚さん上手いし好きだけど…)。
英語字幕つき米国盤がAmazon.jpで買えるのだけど、日本語字幕つき日本盤が出ないかなあ、腐ってもフォードだしなあ、とずーーっと待っていたけど、諦めて米国盤買おうかしらん。
ちゃんとした「シャイアン」が見たくなりました。
そして、ちょっと私信モード…。
実はえらくご近所だったなにわすずめ様、ごいっしょに鑑賞できてうれしかったです!やはりネットであれこれお話してからお会いすると、まるっきり「初めて」って感じがしませんね。今後ともよろしくお願いします。
帰宅したら、ポストに不在配達通知が。ハッと電話機に飛びついたが、八時ジャストになっていた。今夜中の再配達不可能。しかしなー、夜間配達(19~21時)を頼んでおいたわけだけど、郵便屋さん、19時半に来てそれっきりは淋しすぎますよ。私まっすぐ帰ってコレですよ(遅番だったし)。19時台前半に留守だったとこは帰りがけにもう一回寄って欲しいよ。
とりあえず明日の再配達の段取りをつけて、二階に上がるとテーブルの上にもう一枚不在配達通知があり…ガックリ。今日はどうなってんの?コレは昼間に来たものだったようだけど…
ついてない。
台風直撃されたら郵便屋さんも休んでしまったりしないかしら。
ちなみに前者は新しいリーフリプレイヤー、後者はアメリカに頼んだ古いLife Magazine 1949年3月28日号。
どっちも早く手にしたいのにー。クスン。
とりあえず明日の再配達の段取りをつけて、二階に上がるとテーブルの上にもう一枚不在配達通知があり…ガックリ。今日はどうなってんの?コレは昼間に来たものだったようだけど…
ついてない。
台風直撃されたら郵便屋さんも休んでしまったりしないかしら。
ちなみに前者は新しいリーフリプレイヤー、後者はアメリカに頼んだ古いLife Magazine 1949年3月28日号。
どっちも早く手にしたいのにー。クスン。
迫りくる台風をついて、二件の郵便と一件のクロネコ便が到着。
ありがとう配達人さん。
ビデオ(ディレクターズカット版アラモ)、ヨシ。
リーフリプレイヤー、ヨシ。
…ところが、国際郵便が、開けてみるとなんと、注文した「Life」でなく「Time」だった。なんたるちあ!
海外通販(ネットショップ)でのトラブルは初めてだな~(^^;)
さっそく海外通販サイトの例文とか見ながら、違う雑誌が届いてます、注文したヤツ遅れ、違ってるの返送してほしけりゃ送料もってほしいからやりかた知らせろ~!とメールしたら、数時間後には米Amazonから「返金手続しました」との返信が。
マーケットプレイスとはいえさすがにAmazon、多少は安心感があるね。
返金より正しい「Life」送ってほしいんだが、そっちは在庫確認すんでからあらためてメールがあるのだろうな…(マーケットプレイスから)
せめて仏Amazonや独Amazonでなくてよかった(^^;)
ありがとう配達人さん。
ビデオ(ディレクターズカット版アラモ)、ヨシ。
リーフリプレイヤー、ヨシ。
…ところが、国際郵便が、開けてみるとなんと、注文した「Life」でなく「Time」だった。なんたるちあ!
海外通販(ネットショップ)でのトラブルは初めてだな~(^^;)
さっそく海外通販サイトの例文とか見ながら、違う雑誌が届いてます、注文したヤツ遅れ、違ってるの返送してほしけりゃ送料もってほしいからやりかた知らせろ~!とメールしたら、数時間後には米Amazonから「返金手続しました」との返信が。
マーケットプレイスとはいえさすがにAmazon、多少は安心感があるね。
返金より正しい「Life」送ってほしいんだが、そっちは在庫確認すんでからあらためてメールがあるのだろうな…(マーケットプレイスから)
せめて仏Amazonや独Amazonでなくてよかった(^^;)
台風一過。
ディレクターズカット版「アラモ」VHSを、念のためにとDVDにバックアップしてると(画質はイマイチなのだが)、今度はフランスから「六番目の男」がやってきました。
10日ほどで来たから、ドイツほどでないけど英米より早いかな?
送料高いだけのことはあるのかしら、大陸って。
特典はどうだ。字幕はどーなってる。ドキドキしながら開いてみる。
リチャード・ウィドマーク・インタビューが入ってるんだよね♪
かなりのお年とお見受けするが、ちょくちょく挿入される出演作品画像がナカナカ(*^^*)
英語で話してるがフランス語字幕付き(はずせない)。大学で第三外国語としてカスった言語、もはやほとんど読めないが固有名詞はそのまんまなので、あればそれなりに役に立つ。
映画本編見る時も、ないよりはあると時々役に立つのではないかなーと思っていた。
ところが。
字幕、消せないんだね(^^;)
フランス語吹替バージョンと、フランス語字幕バージョンの二種類だけが収録されている。
うーーーーーーむ。
上下に黒帯のワイド画面ならいいが、フルスクリーンだから最後まで見るうちに「邪魔だなあ」という気になりそうな気がしてきた(苦笑)
画面はデジタルリマスターが効いて素晴らしい美しさだが、フランス人の「フランス語は世界一」気質にはまいりますなあ。英語のみでの鑑賞を許さない?字幕かセリフか、フランス語がどっかにないと許せないんだね?
まったく困ったヤツらであります。
ディレクターズカット版「アラモ」VHSを、念のためにとDVDにバックアップしてると(画質はイマイチなのだが)、今度はフランスから「六番目の男」がやってきました。
10日ほどで来たから、ドイツほどでないけど英米より早いかな?
送料高いだけのことはあるのかしら、大陸って。
特典はどうだ。字幕はどーなってる。ドキドキしながら開いてみる。
リチャード・ウィドマーク・インタビューが入ってるんだよね♪
かなりのお年とお見受けするが、ちょくちょく挿入される出演作品画像がナカナカ(*^^*)
英語で話してるがフランス語字幕付き(はずせない)。大学で第三外国語としてカスった言語、もはやほとんど読めないが固有名詞はそのまんまなので、あればそれなりに役に立つ。
映画本編見る時も、ないよりはあると時々役に立つのではないかなーと思っていた。
ところが。
字幕、消せないんだね(^^;)
フランス語吹替バージョンと、フランス語字幕バージョンの二種類だけが収録されている。
うーーーーーーむ。
上下に黒帯のワイド画面ならいいが、フルスクリーンだから最後まで見るうちに「邪魔だなあ」という気になりそうな気がしてきた(苦笑)
画面はデジタルリマスターが効いて素晴らしい美しさだが、フランス人の「フランス語は世界一」気質にはまいりますなあ。英語のみでの鑑賞を許さない?字幕かセリフか、フランス語がどっかにないと許せないんだね?
まったく困ったヤツらであります。
アラモ/ディレクターズカット版(VHS)
2009年10月10日 映画 コメント (7)
テキサスの領有をめぐり、米国とメキシコが戦った1836年。メキシコからの独立を目ざして、アラモで戦い玉砕した男たちを描くジョン・ウェインの「アラモ(1960年版)」については過去の日記(http://13374.diarynote.jp/200707232236000000/)でも取り上げた。
ただ、DVDでは(そして日本公開時も?)162分のこの映画、公開前の時点では3時間超の長さだったそうな。「DVDにないウィドマーク様のシーンがあるからVHSのほうが」という某所での意見を聞き、ついついディレクターズカット版VHSを探してしまいました(二本組202分)。
念のためDVDにもバックアップを、とか考えてダビングしながらついつい見直す私。
うーんヤッパリ「アラモ」はウィドマーク様でもってるよな、と思う私。
自分用覚えをかねて、目立つ「カット場面」を書いておくことに。
冒頭、ヒューストン将軍(リチャード・ブーン)がアラモを訪れる。砦にはトラヴィス少佐(ローレンス・ハーヴェイ)の正規軍30名たらずと、義勇兵百余人を連れてきたジム・ボウイ大佐(リチャード・ウィドマーク)が籠城しているのだが、ボウイは見当たらない。酔い潰れて寝ていたからだ。将軍はトラヴィスを大佐に昇進させ砦の指揮を預けつつ、「大酒飲みで元冒険家で地主の規律破りな民兵」なボウイへ不信を抱くトラヴィスに「信じられる男だぞ」とたしなめて去る。
将軍が去る頃、自室で寝ていたボウイは目を覚ます。「くそ、何やってんだ俺は…」で、暗転。
だが。
ディレクターズカット版(以下DC版)では…
「くそ、何を…」のあと、黒人奴隷ジェスロ(ジェスター・ヘアストン)と会話し、「あったら飲んでしまう」と自ら酒を捨てて外に出ると、トラヴィスがやってきて、大佐として自分が指揮をとることになったと告げる。ボウイの「反省」ぶりがちょっと素敵。白シャツがよくお似合い☆
さて次のカット場面。
市長が敵軍の情報を伝えに来てくれたのに、不利な情報を部下に聞かせたくないトラヴィスは冷たくあしらうが(失礼な奴だとボウイは怒る)、その後トラヴィスとディキンソン大尉(ケン・カーティス)との政治談議がある。コレは特別米国政治史に詳しくない私には意味なし(笑)
やがてデイヴィー・クロケット(ウェイン)御一行様がやってくる。すぐに仲良くなったクロケットとボウイは、軍が求める武器弾薬を悪い商人が教会に隠しているらしいと聞き、夜中に押し入りゲットする。
DVDでは「ヨシ、あったぞ!」で次の朝になるが、DC版では悪党に見つかって短いがイイ感じの格闘シーンが。
士気が落ちるからと不利な状況は部下に隠す、ごまかしてでも他人を引っ張ろうとするトラヴィスの態度がボウイは気に入らない。もうすぐ援軍が来るそうだから、とクロケットがなだめるが「トラヴィスの言葉など信じられるか」とボウイはカリカリ。
ここで、DC版のみの場面。
援軍の様子を見に行っていた伝令が戻ってきたので直接人数などを尋ね、「1000人来ます」との答を得てボウイは一応納得するが、実は前もってトラヴィスが人数を水増しして答えるよう伝令に言い含めていたのだった。ディキンソン夫妻や伝令兵自身すら苦い顔になる。なんちゅーやっちゃ。
大軍がアラモを包囲する。
DC版のみ、ディキンソンら数人が偵察に出て、敵が牛の大群を食糧として引き連れているのを目撃する場面あり(牛強奪作戦の伏線になる)。
DC版のみ、市長らが義勇兵を何人か連れてくる場面あり。手の平を返したように喜び迎え入れるトラヴィスを見て嘲笑を浮かべるボウイ。
DC版のみ、ディキンソン大尉の幼い娘リサの誕生日パーティ場面あり。無骨な男どものお祝いが微笑ましい。いいシーンなのになぜ切ったかわからない。
他にもチマチマとカットがあるのだろうが、目立つのはこのあたりですかね。多分戦闘シーンや敵の大軍描写ももっと長かったのでは。
うーん、何でディレクターズカット版DVD出てくれないのだろう。「カット集」を特典で付けるのでも許す。VHS画質は今では哀しい。
ノーカット版の方が、よりボウイ>トラヴィスになってるような気も…。
ウェインとモメて切られた説などは主張しませんが(笑)
結果的には御贔屓ウィドマーク様、十分においしい所さらってる気がします。「アラモ」というと誰もが彼の「夜がこんなに暗かったとは」場面を持ちだすし、土壇場でトラヴィスの真意を知ると、無言で真っ先に引き返してくる場面の格好よさ!
おまけに、彼とトラヴィスの決裂を防ぎたいクロケットに酔い潰された翌朝の一幕など、コミカルな演技のキレがまた素晴らしい。
ウィドマークは元々ウェインが望んでのキャスティングではなかったそうだが、この三人の個性のバランスは結果的には実に良いと思うのだがどうだろう。
史実に即したい所しか即していないのだろうが、ナニワブシな講談調のどこが悪い?
演者さえよければ、結構楽しいものです。気になるならフィクションとしてみればヨシ♪
Amazonのマーケットプレイスで買いました。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000065124?ie=UTF8&tag=boatswascot-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=B000065124
ただ、DVDでは(そして日本公開時も?)162分のこの映画、公開前の時点では3時間超の長さだったそうな。「DVDにないウィドマーク様のシーンがあるからVHSのほうが」という某所での意見を聞き、ついついディレクターズカット版VHSを探してしまいました(二本組202分)。
念のためDVDにもバックアップを、とか考えてダビングしながらついつい見直す私。
うーんヤッパリ「アラモ」はウィドマーク様でもってるよな、と思う私。
自分用覚えをかねて、目立つ「カット場面」を書いておくことに。
冒頭、ヒューストン将軍(リチャード・ブーン)がアラモを訪れる。砦にはトラヴィス少佐(ローレンス・ハーヴェイ)の正規軍30名たらずと、義勇兵百余人を連れてきたジム・ボウイ大佐(リチャード・ウィドマーク)が籠城しているのだが、ボウイは見当たらない。酔い潰れて寝ていたからだ。将軍はトラヴィスを大佐に昇進させ砦の指揮を預けつつ、「大酒飲みで元冒険家で地主の規律破りな民兵」なボウイへ不信を抱くトラヴィスに「信じられる男だぞ」とたしなめて去る。
将軍が去る頃、自室で寝ていたボウイは目を覚ます。「くそ、何やってんだ俺は…」で、暗転。
だが。
ディレクターズカット版(以下DC版)では…
「くそ、何を…」のあと、黒人奴隷ジェスロ(ジェスター・ヘアストン)と会話し、「あったら飲んでしまう」と自ら酒を捨てて外に出ると、トラヴィスがやってきて、大佐として自分が指揮をとることになったと告げる。ボウイの「反省」ぶりがちょっと素敵。白シャツがよくお似合い☆
さて次のカット場面。
市長が敵軍の情報を伝えに来てくれたのに、不利な情報を部下に聞かせたくないトラヴィスは冷たくあしらうが(失礼な奴だとボウイは怒る)、その後トラヴィスとディキンソン大尉(ケン・カーティス)との政治談議がある。コレは特別米国政治史に詳しくない私には意味なし(笑)
やがてデイヴィー・クロケット(ウェイン)御一行様がやってくる。すぐに仲良くなったクロケットとボウイは、軍が求める武器弾薬を悪い商人が教会に隠しているらしいと聞き、夜中に押し入りゲットする。
DVDでは「ヨシ、あったぞ!」で次の朝になるが、DC版では悪党に見つかって短いがイイ感じの格闘シーンが。
士気が落ちるからと不利な状況は部下に隠す、ごまかしてでも他人を引っ張ろうとするトラヴィスの態度がボウイは気に入らない。もうすぐ援軍が来るそうだから、とクロケットがなだめるが「トラヴィスの言葉など信じられるか」とボウイはカリカリ。
ここで、DC版のみの場面。
援軍の様子を見に行っていた伝令が戻ってきたので直接人数などを尋ね、「1000人来ます」との答を得てボウイは一応納得するが、実は前もってトラヴィスが人数を水増しして答えるよう伝令に言い含めていたのだった。ディキンソン夫妻や伝令兵自身すら苦い顔になる。なんちゅーやっちゃ。
大軍がアラモを包囲する。
DC版のみ、ディキンソンら数人が偵察に出て、敵が牛の大群を食糧として引き連れているのを目撃する場面あり(牛強奪作戦の伏線になる)。
DC版のみ、市長らが義勇兵を何人か連れてくる場面あり。手の平を返したように喜び迎え入れるトラヴィスを見て嘲笑を浮かべるボウイ。
DC版のみ、ディキンソン大尉の幼い娘リサの誕生日パーティ場面あり。無骨な男どものお祝いが微笑ましい。いいシーンなのになぜ切ったかわからない。
他にもチマチマとカットがあるのだろうが、目立つのはこのあたりですかね。多分戦闘シーンや敵の大軍描写ももっと長かったのでは。
うーん、何でディレクターズカット版DVD出てくれないのだろう。「カット集」を特典で付けるのでも許す。VHS画質は今では哀しい。
ノーカット版の方が、よりボウイ>トラヴィスになってるような気も…。
ウェインとモメて切られた説などは主張しませんが(笑)
結果的には御贔屓ウィドマーク様、十分においしい所さらってる気がします。「アラモ」というと誰もが彼の「夜がこんなに暗かったとは」場面を持ちだすし、土壇場でトラヴィスの真意を知ると、無言で真っ先に引き返してくる場面の格好よさ!
おまけに、彼とトラヴィスの決裂を防ぎたいクロケットに酔い潰された翌朝の一幕など、コミカルな演技のキレがまた素晴らしい。
ウィドマークは元々ウェインが望んでのキャスティングではなかったそうだが、この三人の個性のバランスは結果的には実に良いと思うのだがどうだろう。
史実に即したい所しか即していないのだろうが、ナニワブシな講談調のどこが悪い?
演者さえよければ、結構楽しいものです。気になるならフィクションとしてみればヨシ♪
Amazonのマーケットプレイスで買いました。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000065124?ie=UTF8&tag=boatswascot-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=B000065124
That’s Dancing!
2009年10月12日 映画 コメント (13)
1984年、ジャック・ヘイリー・ジュニア監督作品。エグゼクティブ・プロデューサーがジーン・ケリーで彼のナレーションから始まる。
制作もジャック・ヘイリー・ジュニア+デヴィッド・ニーヴン・ジュニアというのが何かおかしい。いや、どこもおかしいことはないんだけど…特典のメイキング映像でニーヴン・ジュニア氏の顔を見れたのはちょっと嬉しかった。口ヒゲはないけど、ちょっぴりお父様の面影があって(*^^*)
米盤ミュージカルDVDボックス、"Classic Musical from the Dream Factory volume 2" より視聴(英語字幕あり)。単品でも買えるようです。リージョンオールなので日本アマゾンからでもお気軽に。
「ザッツ・エンタティンメント」のパート3といってもいいような、ダンス場面に絞ってのミュージカル名場面集(「パート3」より何年も先に作られてる)。ジーン・ケリーはもちろんだが、レイ・ボルジャー、ミハイル・パリシニコフ、サミー・デイヴィス・ジュニア、ライザ・ミネリなどのゲストがリレーで語り手をつとめるのは「ザッツ」初代に戻ったようなつくりである。
ミュージカル・アンソロジーとして「ザッツ」シリーズとの個性の違いはあとふたつ。
今作はMGMミュージカルに限定していない。もちろんMGM作品が中心だが、RKOのアステア・ロジャース、ワーナーの「42番街」や「ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ」、はてはイギリス映画「赤い靴」も登場する。
また、60年代以降の新しい流れについても軽くだが触れている。「ウェスト・サイド・ストーリー」の“Cool”から、「サタデー・ナイト・フィーバー」「フラッシュダンス」「フェーム」マイケル・ジャクソンの「スリラー」まで。ただ、こういうアンソロジーを見る人が最近のミュージカル・ダンシングの潮流に興味があるのかどうかは分からないが(私はない)。逆に、なんで古いのばっかり…と思う人も多いかもしれない。このバランスはどう考えるべきなのか、アステア一番!のアナクロな私には、判断しきれない。すいません。三作目ともなれば4~50年代の最もオイシイ所は使用済みというのも、大変だろうなとわかるけど。
やはりバスビー・バークレー本家は凄い…そして、それを打ち破って(いや止揚して?バークレーが開発したシネ・ミュージカルの技術というか発想は失われたわけではない)スクリーンを個人芸に奪い返したアステア。やはりアステアは別格だなあ。ただ、この映画に収録された一番嬉しくてたまらない筈のアステア・シーンはもはや全て単品DVD(「ロバータ」だけはスカパー録画だが)で手元にある。うれしさがちょっと微妙である(^^;)
そういう意味では、一番おもしろかったのはビル・ロビンソンやニコラス・ブラザーズのタップの妙技だろうか。速射砲のように正確な前者、アクロバティックをくわえた後者。リズムが見る者の体内で炸裂する。
しかし、ケリーの「舞踏への招待」はやっぱりちょっとなあ…。アニメと踊るよりキャロル・ヘニー(アニメ制作の参考に踊った場面がチラリと出る)と踊ってくれるほうがいい。トムとジェリーや、アラビアンナイトの魔人と踊るまではまあいい。しかし、アニメの美女とウットリ踊ってどうするんだ…
昔のことだし、萌系の絵ではないが、痛車ならぬ痛ミュージカルか…(-"-;)
ダンスでしぼったことから、バレエについても映画とのかかわりをまとめて見直せて面白かった。バランシンも意外と映画にからんでたのね。
輸入盤で英語字幕のみなせいか、作品名が紹介されないものもあったのは残念。DVDケースには曲名しか出てないのである。アステアやジュディの作品は表記されずともわかるが、ニコラス・ブラザーズのは何て映画だったのかな。
収録作で未見なもののうち、本編を見たいな、という気に一番なったのは「キス・ミー・ケイト」でした。特に好きなスターも出てないけどね。日本でもDVD出てるし、また近いうち…
制作もジャック・ヘイリー・ジュニア+デヴィッド・ニーヴン・ジュニアというのが何かおかしい。いや、どこもおかしいことはないんだけど…特典のメイキング映像でニーヴン・ジュニア氏の顔を見れたのはちょっと嬉しかった。口ヒゲはないけど、ちょっぴりお父様の面影があって(*^^*)
米盤ミュージカルDVDボックス、"Classic Musical from the Dream Factory volume 2" より視聴(英語字幕あり)。単品でも買えるようです。リージョンオールなので日本アマゾンからでもお気軽に。
「ザッツ・エンタティンメント」のパート3といってもいいような、ダンス場面に絞ってのミュージカル名場面集(「パート3」より何年も先に作られてる)。ジーン・ケリーはもちろんだが、レイ・ボルジャー、ミハイル・パリシニコフ、サミー・デイヴィス・ジュニア、ライザ・ミネリなどのゲストがリレーで語り手をつとめるのは「ザッツ」初代に戻ったようなつくりである。
ミュージカル・アンソロジーとして「ザッツ」シリーズとの個性の違いはあとふたつ。
今作はMGMミュージカルに限定していない。もちろんMGM作品が中心だが、RKOのアステア・ロジャース、ワーナーの「42番街」や「ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ」、はてはイギリス映画「赤い靴」も登場する。
また、60年代以降の新しい流れについても軽くだが触れている。「ウェスト・サイド・ストーリー」の“Cool”から、「サタデー・ナイト・フィーバー」「フラッシュダンス」「フェーム」マイケル・ジャクソンの「スリラー」まで。ただ、こういうアンソロジーを見る人が最近のミュージカル・ダンシングの潮流に興味があるのかどうかは分からないが(私はない)。逆に、なんで古いのばっかり…と思う人も多いかもしれない。このバランスはどう考えるべきなのか、アステア一番!のアナクロな私には、判断しきれない。すいません。三作目ともなれば4~50年代の最もオイシイ所は使用済みというのも、大変だろうなとわかるけど。
やはりバスビー・バークレー本家は凄い…そして、それを打ち破って(いや止揚して?バークレーが開発したシネ・ミュージカルの技術というか発想は失われたわけではない)スクリーンを個人芸に奪い返したアステア。やはりアステアは別格だなあ。ただ、この映画に収録された一番嬉しくてたまらない筈のアステア・シーンはもはや全て単品DVD(「ロバータ」だけはスカパー録画だが)で手元にある。うれしさがちょっと微妙である(^^;)
そういう意味では、一番おもしろかったのはビル・ロビンソンやニコラス・ブラザーズのタップの妙技だろうか。速射砲のように正確な前者、アクロバティックをくわえた後者。リズムが見る者の体内で炸裂する。
しかし、ケリーの「舞踏への招待」はやっぱりちょっとなあ…。アニメと踊るよりキャロル・ヘニー(アニメ制作の参考に踊った場面がチラリと出る)と踊ってくれるほうがいい。トムとジェリーや、アラビアンナイトの魔人と踊るまではまあいい。しかし、アニメの美女とウットリ踊ってどうするんだ…
昔のことだし、萌系の絵ではないが、痛車ならぬ痛ミュージカルか…(-"-;)
ダンスでしぼったことから、バレエについても映画とのかかわりをまとめて見直せて面白かった。バランシンも意外と映画にからんでたのね。
輸入盤で英語字幕のみなせいか、作品名が紹介されないものもあったのは残念。DVDケースには曲名しか出てないのである。アステアやジュディの作品は表記されずともわかるが、ニコラス・ブラザーズのは何て映画だったのかな。
収録作で未見なもののうち、本編を見たいな、という気に一番なったのは「キス・ミー・ケイト」でした。特に好きなスターも出てないけどね。日本でもDVD出てるし、また近いうち…
1963年、ブレイク・エドワーズ監督作品。ピンク・パンサーの「一作目」。
コレは映画をまだろくに見てない、洋画ファンにまだなっていない頃、中一~二くらいでTVで見た!という記憶がある。
すごく面白かった、と日記にも書いた筈(実はその頃からゆるゆると日記をつけていた。ただし気が向かないと何日でも飛ばした。日常リアルはあまり書かないってのもその頃から同じ)。
そもそも、大好きなデヴィッド・ニーヴンがお手の物の怪しい洒脱紳士を演じているのだから楽しくないはずがない(見たのはファンになる前だが)。
のだが、久し振りに見ると、アレ?もっと面白くなかったかな?と思ってしまった。アレレレレ?
いつの間にかクルーゾー警部=ピーター・セラーズが泥臭く見えるようになってしまっていたみたい?いや、泥臭いんだけどさ実際。
一挙手一投足ごとに何かにけつまづいたりモノ壊したりするんですが、これだったらひょうきん族全盛時代のたけしの方がいいかもしれない(どーゆー比較だ…)。
ドジなクルーゾー警部の美人妻キャプシーヌが実は怪盗ファントム=チャールズ卿=ニーヴンの愛人で、そこへやっぱり怪しい卿の甥っ子ロバート・ワグナーが乱入して引っかき回す。艶笑コメディ色が強くて、クルーゾーの部屋で男二人がベッドの下とバスルームに隠れんぼのあたりはかなり笑えるけど、クルーゾー、なんとも可哀想といえば可哀想(笑)
ニーヴンはまあ普段通りによいですし、ワグナーもこのへんからスマートさに磨きがかかり始めたかなってところ。しかし、いくらニーヴンが魅力的だからって、女たちでよってたかってあんな助け方をするのは良いのか?(笑)
この映画からクルーゾー警部というキャラが誕生し注目されたわけだけど、そして、王女様にはクラウディア・カルディナーレなど、キャストも続編よりも豪華なんだけど、今となってはドタバタに徹した続編のほうがある意味完成度の高いものになっているのかもしれない。泥臭いなら泥臭いで徹底してて。
久々の再見に、ちょっと期待しすぎていたのかもしれません。
いや、楽しくないわけじゃないんですけど、ね(^^;)
音楽はもちろん良いし。例のオープニング・アニメも好きな人は好きでしょう。
コレは映画をまだろくに見てない、洋画ファンにまだなっていない頃、中一~二くらいでTVで見た!という記憶がある。
すごく面白かった、と日記にも書いた筈(実はその頃からゆるゆると日記をつけていた。ただし気が向かないと何日でも飛ばした。日常リアルはあまり書かないってのもその頃から同じ)。
そもそも、大好きなデヴィッド・ニーヴンがお手の物の怪しい洒脱紳士を演じているのだから楽しくないはずがない(見たのはファンになる前だが)。
のだが、久し振りに見ると、アレ?もっと面白くなかったかな?と思ってしまった。アレレレレ?
いつの間にかクルーゾー警部=ピーター・セラーズが泥臭く見えるようになってしまっていたみたい?いや、泥臭いんだけどさ実際。
一挙手一投足ごとに何かにけつまづいたりモノ壊したりするんですが、これだったらひょうきん族全盛時代のたけしの方がいいかもしれない(どーゆー比較だ…)。
ドジなクルーゾー警部の美人妻キャプシーヌが実は怪盗ファントム=チャールズ卿=ニーヴンの愛人で、そこへやっぱり怪しい卿の甥っ子ロバート・ワグナーが乱入して引っかき回す。艶笑コメディ色が強くて、クルーゾーの部屋で男二人がベッドの下とバスルームに隠れんぼのあたりはかなり笑えるけど、クルーゾー、なんとも可哀想といえば可哀想(笑)
ニーヴンはまあ普段通りによいですし、ワグナーもこのへんからスマートさに磨きがかかり始めたかなってところ。しかし、いくらニーヴンが魅力的だからって、女たちでよってたかってあんな助け方をするのは良いのか?(笑)
この映画からクルーゾー警部というキャラが誕生し注目されたわけだけど、そして、王女様にはクラウディア・カルディナーレなど、キャストも続編よりも豪華なんだけど、今となってはドタバタに徹した続編のほうがある意味完成度の高いものになっているのかもしれない。泥臭いなら泥臭いで徹底してて。
久々の再見に、ちょっと期待しすぎていたのかもしれません。
いや、楽しくないわけじゃないんですけど、ね(^^;)
音楽はもちろん良いし。例のオープニング・アニメも好きな人は好きでしょう。
ヴァルプルギスの後悔〈Fire2.〉 (電撃文庫)
2009年10月14日 読書
二巻目、やっと。
衝撃の展開、登場人物たちにとっては。読む方にはお約束か…
凪をどうすんのかな、上遠野浩平さん…
できればあまり待たずに次のが読めるといいのだけれど。
間が空くと忘れるし。ブギーポップがらみのお話は、長いシリーズで、スピンオフがいろいろあって、忘れた頃に再登場キャラってザラだし。
(今回はブギー出てこなさそうではあるのだけれど)
それにしても、サムライ亨を震撼させるアルケスティスって凄い。
まあとにかく、毎回読まされます…。
衝撃の展開、登場人物たちにとっては。読む方にはお約束か…
凪をどうすんのかな、上遠野浩平さん…
できればあまり待たずに次のが読めるといいのだけれど。
間が空くと忘れるし。ブギーポップがらみのお話は、長いシリーズで、スピンオフがいろいろあって、忘れた頃に再登場キャラってザラだし。
(今回はブギー出てこなさそうではあるのだけれど)
それにしても、サムライ亨を震撼させるアルケスティスって凄い。
まあとにかく、毎回読まされます…。
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誉田哲也著。ついに完結三巻目。ついに三年生として全国大会で対決するふたり。
いやー、面白かった。でも、今回は香織と早苗の両ヒロインだけでなくて、何人も脇のキャラクターに焦点があたって、というか脇キャラ語りが何種類もはさまってて、うーん、ある意味逃げたかな?両ヒロインについては、先の二冊でかなり語りきっちゃったからふたりだけで一冊はキツかったのかな?
まあそれでも、結局とても面白く読まされちゃったからこちらの負けかも。
脇筋では、意外なところで出会ってる某氏と某氏、てのがよかったです。
でもなんてったって香織のサムライ口調が第一の勝因かも、このシリーズ。
…さあ、いい加減に今日くらいはさっさと寝ないと。
なんだか日毎にシゴトのペースが悪くなってるような気がするし。休息だっ。
いやー、面白かった。でも、今回は香織と早苗の両ヒロインだけでなくて、何人も脇のキャラクターに焦点があたって、というか脇キャラ語りが何種類もはさまってて、うーん、ある意味逃げたかな?両ヒロインについては、先の二冊でかなり語りきっちゃったからふたりだけで一冊はキツかったのかな?
まあそれでも、結局とても面白く読まされちゃったからこちらの負けかも。
脇筋では、意外なところで出会ってる某氏と某氏、てのがよかったです。
でもなんてったって香織のサムライ口調が第一の勝因かも、このシリーズ。
…さあ、いい加減に今日くらいはさっさと寝ないと。
なんだか日毎にシゴトのペースが悪くなってるような気がするし。休息だっ。
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ビデオ・オン・デマンド。嬉しいようで遠い。
一般的に大人気なモノでなくても手に入る可能性が?と、期待は盛り上がるが遠い。
Warner archive のDVD-rはいい値段の割にリマスターもメニューもなく画質ヒドいらしいし、Amazon.com のビテオ・オン・デマンドは米国以外の在住者には購入できない。字幕がないとか注文をつける以前のモンダイだ。
試聴すら、こないだまで「米国外ですから」と、クリックしてもシャットアウトされてしまっていたが、なんでだか今日見たら一応見れた。しめた!と注文もしようとしたらさすがに最後に「米国外ですから」と謝絶されてしまったが。
最初の3分ほどが試聴できる作品と、トレイラーが試聴できる作品がまじってる。最初の3分ではクレジットタイトルだけでほとんど終わってしまうが、「Destination Gobi」と「人生模様」のは初めて見たトレイラーで、ちょっと嬉しかった。RealPlayerダウンロードはできなかったので画面コピーまで取った。あとでトリミングもしとこかな(バカ)。
いつかは「Destination Gobi」本編も見たいなあ。大した作品ではないかもしれないが、若い頃のリチャード・ウィドマーク様主演日本未公開作なので♪
http://www.amazon.com/Video-On-Demand/b/ref=topnav_storetab_atv?ie=UTF8&node=16261631
<追記>
やっぱりバグか何かだったようで、数日後にはまた見れなくなりました。うーん残念。
一般的に大人気なモノでなくても手に入る可能性が?と、期待は盛り上がるが遠い。
Warner archive のDVD-rはいい値段の割にリマスターもメニューもなく画質ヒドいらしいし、Amazon.com のビテオ・オン・デマンドは米国以外の在住者には購入できない。字幕がないとか注文をつける以前のモンダイだ。
試聴すら、こないだまで「米国外ですから」と、クリックしてもシャットアウトされてしまっていたが、なんでだか今日見たら一応見れた。しめた!と注文もしようとしたらさすがに最後に「米国外ですから」と謝絶されてしまったが。
最初の3分ほどが試聴できる作品と、トレイラーが試聴できる作品がまじってる。最初の3分ではクレジットタイトルだけでほとんど終わってしまうが、「Destination Gobi」と「人生模様」のは初めて見たトレイラーで、ちょっと嬉しかった。RealPlayerダウンロードはできなかったので画面コピーまで取った。あとでトリミングもしとこかな(バカ)。
いつかは「Destination Gobi」本編も見たいなあ。大した作品ではないかもしれないが、若い頃のリチャード・ウィドマーク様主演日本未公開作なので♪
http://www.amazon.com/Video-On-Demand/b/ref=topnav_storetab_atv?ie=UTF8&node=16261631
<追記>
やっぱりバグか何かだったようで、数日後にはまた見れなくなりました。うーん残念。
リチャード・パワーズ著。
久々に重量級ぽい小説を手に取ってみました。
ドイツから亡命してきたユダヤ人物理学者の父と、黒人女性の母との間に生まれた三人兄妹。豊かな音楽的才能に恵まれた彼らの半生と、米国社会における人種問題のうねりをからませた大河小説?
まだ上巻半分いっていませんが、面白いしズシリと重いです。ハーフである彼らはどちらの血筋からも不利を受ける上に、肌色の微妙さが更に帰属先を奪ってしまうのです。なんでこんなにバカなんだろう人間て。
久々に重量級ぽい小説を手に取ってみました。
ドイツから亡命してきたユダヤ人物理学者の父と、黒人女性の母との間に生まれた三人兄妹。豊かな音楽的才能に恵まれた彼らの半生と、米国社会における人種問題のうねりをからませた大河小説?
まだ上巻半分いっていませんが、面白いしズシリと重いです。ハーフである彼らはどちらの血筋からも不利を受ける上に、肌色の微妙さが更に帰属先を奪ってしまうのです。なんでこんなにバカなんだろう人間て。
Mahjong Titans
2009年10月19日 コンピュータ
こんなゲームもVistaにはついてたのね。全種のVistaではないそうだが。
ソリティアをだらだらやる人は理解できない(やるなら頭使うマインスイーパか、でも最近ゼンゼンやらない)、と思ってたが、本物の麻雀もやらないのに、最近コレを試してみたらちょっとだけハマった。同じパイを一組ずつどけていくだけなのにね。でも、見かけよりは頭を使うかな。手詰まりになったあと戻ってやり直したらクリアできる時もある。ステージによって難易度違うみたい。
だらだらしてると余計に疲れが残るだけなのに。やれやれ。
ソリティアをだらだらやる人は理解できない(やるなら頭使うマインスイーパか、でも最近ゼンゼンやらない)、と思ってたが、本物の麻雀もやらないのに、最近コレを試してみたらちょっとだけハマった。同じパイを一組ずつどけていくだけなのにね。でも、見かけよりは頭を使うかな。手詰まりになったあと戻ってやり直したらクリアできる時もある。ステージによって難易度違うみたい。
だらだらしてると余計に疲れが残るだけなのに。やれやれ。
聖女ジャンヌ・ダーク
2009年10月21日 映画 コメント (8)
1957年、オットー・プレミンジャー監督作品。モノクロ。
日本未公開のジーン・セバーグのデビュー作。タイトル通り中世フランスの英雄兼聖女ジャンヌ・ダルクの映画。
ただし、スペクタクルなど期待してはいけません。英雄譚・見世物的な要素は一切排した演出です。バーナード・ショーの原作戯曲をグレアム・グリーンが脚色したもので、テーマはほぼ「中世と宗教」。
そして、それだけに、日本人にはピンと来にくい作品でしょう。
オープニング、老いたフランス王シャルル7世(リチャード・ウィドマーク)の枕元に、ジャンヌ(セバーグ)の亡霊が立つ。
最初、彼女の顔だけが暗く影になっている。いかにも不気味だが、あたふたと落ち着かない身ごなしのシャルルはジャンヌに対しては怯える気配もない。二人の会話から過去に飛び、田舎娘ジャンヌの登城からオルレアン解放⇒戴冠式⇒ジャンヌ火刑法廷、と史実通りに続いて亡霊生霊大集合の奇妙なエピローグへなだれこむ。
ただ、ショーの原作戯曲のほうが「ジャンヌがなぜ誰からも、仏側教会関係者からも見放されるのか」は分かりやすかった。
教会関係者は「勝手に神の声を聞いたと主張する=教会をないがしろにする」ジャンヌが許せないのだ。教会をさしおいて神と関わるなどもってのほかなのだ。(教会をさしおいて勝手に聖書読んで神に近づこうとする新教プロテスタントを、旧教が許せず宗教戦争が起こったのと同じである)。ジャンヌはジャンヌで、なぜ神の声が(自分には)聞こえているのに、教会関係者になんだかだ言われないといけないのかが理解できない。原作戯曲には英国側ウォリック伯の政治的理由、教会側の理由、各方面の論理が縦横に描かれる。原作戯曲の裁判シーンはジャンヌ抜きでそこそこ量があるので、堅苦しいパートといえばいえるが読むとヨーロッパ中世がよく判った気持ちになれたのだが…(というか、うまく噛み砕いてる、ショー先生)。
「彼女は何も理解していないのだ…」とつぶやく司教コーション(アントン・ウォルブルック)の言葉は、いきなり映画だけ見てちゃんと通じるのか、よくわからない。ちなみに、宗教的理由をさておいても、王権も国民の意識もまだ確立しきっていない時代に「フランスのために!」と叫ぶ彼女を貴族諸侯が鬱陶しく思うのもこれまた時代の必然だ。
神の声に導かれ、時代から浮いてしまった淋しい聖女。それがショーの描き出すジャンヌ像なのである。
セバーグはちょっと線が細い気もするが、可愛いからいいのか?何も考えず分からずに神の声に従うジャンヌは、あれくらい若くてちょうどいいとは思う。だんだん周囲にもてあまされる所なんか、結構容赦ないですね。最も親しい立場の戦友ジャック・デュノワ(リチャード・トッド)ですら、決して時代の常識を踏み越えることはない。
コンピエーニュで捕虜になるあたりは、神の声がまた聞こえたのか、よく聞こえてないのに彼女が突っ込んでいったのか、戦闘シーンはなくいきなり牢屋になっているが、見ていて判断しにくいのがじりじりする。グリーンの脚色は、いきなり幽霊場面を繰り上げて見せるインパクトはいいと思うが、ショーの宗教的、社会的解釈の切れ味はちょっと鈍らされている気がする。グリーンはイギリス人だがカトリック作家。なぜ彼に脚色が振られたのかもナゾだな…
イギリス人神父のストガンパー(ハリー・アンドリュース)のいきなりな回心とかは、いかにもグリーン好きそうだけど、これは原作戯曲の通り。
とか言いつつ、原作と比べながら見たせいか、そこそこ面白く一気に見てしまった。
中世モノを作るには手堅く名優をそろえた上で、セバーグという新進プラス、シャルル7世にリチャード・ウィドマークというウルトラC級意外なキャスティングで勝負した作品だが、作品全体の当時の評価はイマイチだった模様…だけれど、演技合戦自体は見ごたえがあったと思う。
特に目が吸いよせられたのはウォリック伯のジョン・ギールグッド。爺さんになってタキシードの偉いさんとか執事とかやってる所しか見たことなかったのだが、壮年のギールグッドは堂々と、端然と、ある意味ひどくさわやかだ。理性でもってジャンヌの火刑を決めるが、そこにはひとカケラの私情も宗教的感情も含まれていない(教会側の感情も理解はしているが)。含まれてなきゃいいってもんでもないだろうが、中世の理性を象徴するような人物。
そして、肝心の(?)ウィドマーク様。結局、彼が出てるから見た作品…色々な不安を抱きつつですが…(中世とあって激しく変な髪形してるし)。
うーん。この人の映画はかなり何本も見てきたけれども、…すごい。別人のようです。
メイクもあるが、今回相当ぶっ飛んだ演技してます。「死の接吻」以来の飛距離かも。
醜く虚弱で金もなく、周囲の蔑視を道化のような奇矯な振る舞いで受け流す、名ばかりの若い王太子(「宮廷で最も粗末な服を着てるのが王太子」なのだ)。ジャンヌに出会ったのはたしか20代で、後年ジャンヌの幽霊と会う場面は50代の設定…後者の老けメイクは50代じゃすまないくらいの出来である(笑)
どっちのメイクでも、ちゃんと?モノすごく虚弱そうに見えるのがまた可笑しい…
身のこなしも表情も、なんだか必要以上に千変万化してつかみきれないシャルル像を見せてくれる。ジャンヌの励ましと戦勝により戴冠式をあげ正式な国王となるが、「聖女」に対して何のこだわりも執着もない。ジャンヌの戦果を見ても、戦いよりも和平の意義を主張してばかり。必ずしも馬鹿ではないようだが(なんだかんだ言って、彼の治世のもと、フランスはついにイギリスを追い払って百年戦争を終結させているのだ)、実はジャンヌにもあまり関心がないらしい。そもそも「かくあるべき」と説教されるのは大嫌い。なんだか遊んでばかりいる。中世の現実をふまえた混沌がこの国王なのか。それとも現実しか見ない彼、実は現代人モドキなのか。
この人物は原作よりもバカっぽい描き方になっているような。けれどウォリックとはまた違った意味で自分自身が揺らぐことなく、ジャンヌという「奇跡」から、掴み取れるものはちゃっかりと掴み取っている“勝利王”…。
少々舞台臭さが漂う演技だが、じっと見ているとコミカルでかーなーり、面白い。
ファンがそれを喜ぶのかどうかというと、まったく別の問題だが…。幸か不幸か、彼の場合、普段のタフガイ演技や悪役演技のイメージが、あまりにも強く世間に根付いていますし。
ま、私はこのキモカワ演技も珍品として賞味いたしました。なるほど舞台出身、こんなんも出来るんだー!けんけん遊びをしている中盤がいい。
逆に、彼のイメージを知らない若い人が見たらどんなのかしら、と、それが知りたくなりました。
日本未公開のジーン・セバーグのデビュー作。タイトル通り中世フランスの英雄兼聖女ジャンヌ・ダルクの映画。
ただし、スペクタクルなど期待してはいけません。英雄譚・見世物的な要素は一切排した演出です。バーナード・ショーの原作戯曲をグレアム・グリーンが脚色したもので、テーマはほぼ「中世と宗教」。
そして、それだけに、日本人にはピンと来にくい作品でしょう。
オープニング、老いたフランス王シャルル7世(リチャード・ウィドマーク)の枕元に、ジャンヌ(セバーグ)の亡霊が立つ。
最初、彼女の顔だけが暗く影になっている。いかにも不気味だが、あたふたと落ち着かない身ごなしのシャルルはジャンヌに対しては怯える気配もない。二人の会話から過去に飛び、田舎娘ジャンヌの登城からオルレアン解放⇒戴冠式⇒ジャンヌ火刑法廷、と史実通りに続いて亡霊生霊大集合の奇妙なエピローグへなだれこむ。
ただ、ショーの原作戯曲のほうが「ジャンヌがなぜ誰からも、仏側教会関係者からも見放されるのか」は分かりやすかった。
教会関係者は「勝手に神の声を聞いたと主張する=教会をないがしろにする」ジャンヌが許せないのだ。教会をさしおいて神と関わるなどもってのほかなのだ。(教会をさしおいて勝手に聖書読んで神に近づこうとする新教プロテスタントを、旧教が許せず宗教戦争が起こったのと同じである)。ジャンヌはジャンヌで、なぜ神の声が(自分には)聞こえているのに、教会関係者になんだかだ言われないといけないのかが理解できない。原作戯曲には英国側ウォリック伯の政治的理由、教会側の理由、各方面の論理が縦横に描かれる。原作戯曲の裁判シーンはジャンヌ抜きでそこそこ量があるので、堅苦しいパートといえばいえるが読むとヨーロッパ中世がよく判った気持ちになれたのだが…(というか、うまく噛み砕いてる、ショー先生)。
「彼女は何も理解していないのだ…」とつぶやく司教コーション(アントン・ウォルブルック)の言葉は、いきなり映画だけ見てちゃんと通じるのか、よくわからない。ちなみに、宗教的理由をさておいても、王権も国民の意識もまだ確立しきっていない時代に「フランスのために!」と叫ぶ彼女を貴族諸侯が鬱陶しく思うのもこれまた時代の必然だ。
神の声に導かれ、時代から浮いてしまった淋しい聖女。それがショーの描き出すジャンヌ像なのである。
セバーグはちょっと線が細い気もするが、可愛いからいいのか?何も考えず分からずに神の声に従うジャンヌは、あれくらい若くてちょうどいいとは思う。だんだん周囲にもてあまされる所なんか、結構容赦ないですね。最も親しい立場の戦友ジャック・デュノワ(リチャード・トッド)ですら、決して時代の常識を踏み越えることはない。
コンピエーニュで捕虜になるあたりは、神の声がまた聞こえたのか、よく聞こえてないのに彼女が突っ込んでいったのか、戦闘シーンはなくいきなり牢屋になっているが、見ていて判断しにくいのがじりじりする。グリーンの脚色は、いきなり幽霊場面を繰り上げて見せるインパクトはいいと思うが、ショーの宗教的、社会的解釈の切れ味はちょっと鈍らされている気がする。グリーンはイギリス人だがカトリック作家。なぜ彼に脚色が振られたのかもナゾだな…
イギリス人神父のストガンパー(ハリー・アンドリュース)のいきなりな回心とかは、いかにもグリーン好きそうだけど、これは原作戯曲の通り。
とか言いつつ、原作と比べながら見たせいか、そこそこ面白く一気に見てしまった。
中世モノを作るには手堅く名優をそろえた上で、セバーグという新進プラス、シャルル7世にリチャード・ウィドマークというウルトラC級意外なキャスティングで勝負した作品だが、作品全体の当時の評価はイマイチだった模様…だけれど、演技合戦自体は見ごたえがあったと思う。
特に目が吸いよせられたのはウォリック伯のジョン・ギールグッド。爺さんになってタキシードの偉いさんとか執事とかやってる所しか見たことなかったのだが、壮年のギールグッドは堂々と、端然と、ある意味ひどくさわやかだ。理性でもってジャンヌの火刑を決めるが、そこにはひとカケラの私情も宗教的感情も含まれていない(教会側の感情も理解はしているが)。含まれてなきゃいいってもんでもないだろうが、中世の理性を象徴するような人物。
そして、肝心の(?)ウィドマーク様。結局、彼が出てるから見た作品…色々な不安を抱きつつですが…(中世とあって激しく変な髪形してるし)。
うーん。この人の映画はかなり何本も見てきたけれども、…すごい。別人のようです。
メイクもあるが、今回相当ぶっ飛んだ演技してます。「死の接吻」以来の飛距離かも。
醜く虚弱で金もなく、周囲の蔑視を道化のような奇矯な振る舞いで受け流す、名ばかりの若い王太子(「宮廷で最も粗末な服を着てるのが王太子」なのだ)。ジャンヌに出会ったのはたしか20代で、後年ジャンヌの幽霊と会う場面は50代の設定…後者の老けメイクは50代じゃすまないくらいの出来である(笑)
どっちのメイクでも、ちゃんと?モノすごく虚弱そうに見えるのがまた可笑しい…
身のこなしも表情も、なんだか必要以上に千変万化してつかみきれないシャルル像を見せてくれる。ジャンヌの励ましと戦勝により戴冠式をあげ正式な国王となるが、「聖女」に対して何のこだわりも執着もない。ジャンヌの戦果を見ても、戦いよりも和平の意義を主張してばかり。必ずしも馬鹿ではないようだが(なんだかんだ言って、彼の治世のもと、フランスはついにイギリスを追い払って百年戦争を終結させているのだ)、実はジャンヌにもあまり関心がないらしい。そもそも「かくあるべき」と説教されるのは大嫌い。なんだか遊んでばかりいる。中世の現実をふまえた混沌がこの国王なのか。それとも現実しか見ない彼、実は現代人モドキなのか。
この人物は原作よりもバカっぽい描き方になっているような。けれどウォリックとはまた違った意味で自分自身が揺らぐことなく、ジャンヌという「奇跡」から、掴み取れるものはちゃっかりと掴み取っている“勝利王”…。
少々舞台臭さが漂う演技だが、じっと見ているとコミカルでかーなーり、面白い。
ファンがそれを喜ぶのかどうかというと、まったく別の問題だが…。幸か不幸か、彼の場合、普段のタフガイ演技や悪役演技のイメージが、あまりにも強く世間に根付いていますし。
ま、私はこのキモカワ演技も珍品として賞味いたしました。なるほど舞台出身、こんなんも出来るんだー!けんけん遊びをしている中盤がいい。
逆に、彼のイメージを知らない若い人が見たらどんなのかしら、と、それが知りたくなりました。
トスカーナの晩夏 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)
2009年10月22日 読書 コメント (2)
スーザン・エリザベス フィリップス著。
ハーレクイン含め、ロマンス小説にそれほど偏見は持ってないつもり。設定がふと気になったらとりあえず読んでみる。今回もソレ。
ヒロインは全てを失ってイタリアへ旅してきた心理学者、彼女に目をとめたのはハリウッドで人気上昇中の「美貌の悪役」スター。
人物一覧に“サイコパス役者”とあったので、そんなコトバってあるんかいな、と思いつつ、つい読み始めてしまいました。
だってさ、最初の四作撮ったところまでは、ほとんど“サイコパス役者”だよね、ウィドマーク様も~(爆)☆(゚゜;)バキッ\(--;
1940年代にはまだサイコパスなんて言葉はなかったろうけれど(それに美貌じゃないけど)。
お話は、途中まではそこそこ面白かったけど、残念ながら終盤で迷走し、クライマックス~エンディングがイマイチでございました。ま、いいけどね…
ハーレクイン含め、ロマンス小説にそれほど偏見は持ってないつもり。設定がふと気になったらとりあえず読んでみる。今回もソレ。
ヒロインは全てを失ってイタリアへ旅してきた心理学者、彼女に目をとめたのはハリウッドで人気上昇中の「美貌の悪役」スター。
人物一覧に“サイコパス役者”とあったので、そんなコトバってあるんかいな、と思いつつ、つい読み始めてしまいました。
だってさ、最初の四作撮ったところまでは、ほとんど“サイコパス役者”だよね、ウィドマーク様も~(爆)☆(゚゜;)バキッ\(--;
1940年代にはまだサイコパスなんて言葉はなかったろうけれど(それに美貌じゃないけど)。
お話は、途中まではそこそこ面白かったけど、残念ながら終盤で迷走し、クライマックス~エンディングがイマイチでございました。ま、いいけどね…
長い長い物語、終結。読み応えがありました~。
エンディングは、え、そうくるか、と思わぬではなかったけど…
クラシック音楽(声楽)という、黒人の血からはかけ離れた分野で才能を羽ばたかせる兄弟。いくつかの時間軸で並行して語られる父母とその家族の過去と、兄弟の現在にいつまでも重なってくる公民権闘争と何度でも繰り返される差別的判決。黒人の血が一滴でもあれば黒人の扱い、というアメリカン・ルールはいつまで続くのか。
『鳥と魚は恋に落ちることができる。けれど、愛の巣はどこに築くというのか?』
あと、主な語り手であるジョーイの恋愛場面で、ガーシュインの名曲“The man I love”がちりばめられていたのに、おっと思った。地の文にまぎれていた…とすると、ほかにもいっぱいそういうのがあったのかも。クラシックにしろアメリカン・ポップスにしろ、くわしければくわしいだけさらにこの小説から受ける印象は深くなってゆくのかもしれない。一大ミュージカルとして書かれているのかもしれない、コレは。
私のイメージの中の“The man I love”はたぶんジュディ・ガーランド版。…だけど、どこで見た分かな…「ザッツ・エンタティンメント」シリーズの中にあったかしらん…
エンディングは、え、そうくるか、と思わぬではなかったけど…
クラシック音楽(声楽)という、黒人の血からはかけ離れた分野で才能を羽ばたかせる兄弟。いくつかの時間軸で並行して語られる父母とその家族の過去と、兄弟の現在にいつまでも重なってくる公民権闘争と何度でも繰り返される差別的判決。黒人の血が一滴でもあれば黒人の扱い、というアメリカン・ルールはいつまで続くのか。
『鳥と魚は恋に落ちることができる。けれど、愛の巣はどこに築くというのか?』
あと、主な語り手であるジョーイの恋愛場面で、ガーシュインの名曲“The man I love”がちりばめられていたのに、おっと思った。地の文にまぎれていた…とすると、ほかにもいっぱいそういうのがあったのかも。クラシックにしろアメリカン・ポップスにしろ、くわしければくわしいだけさらにこの小説から受ける印象は深くなってゆくのかもしれない。一大ミュージカルとして書かれているのかもしれない、コレは。
私のイメージの中の“The man I love”はたぶんジュディ・ガーランド版。…だけど、どこで見た分かな…「ザッツ・エンタティンメント」シリーズの中にあったかしらん…
やっとのオフタイムを昼寝とだらだらとだけでつぶしてしまった。
しかも昼寝したのに宵っ張りもしてしまった。
…うーん…
ダメだなあ…
しかも昼寝したのに宵っ張りもしてしまった。
…うーん…
ダメだなあ…
聖☆おにいさん 4 (モーニングKC)
2009年10月27日 読書
恥の多い人生を送ってきました。
つーか現在進行形で送ってるよ。ちっ。
だから私なんか人前に出して話させたりとかしちゃだめでしょ。いくら人減らし時代で人材いなくても。
…とかいう感じでここんとこお仕事方面は「できないこと」を無理やりやってるできなくてもやれって感じ。振り向いたら負けよって(振り向くと恥ずかしくなってきて立ち直れないから)。
思い出したくない日々のアレコレを封印するのには、やっぱりギャグ漫画ですな。
ちょっと前巻よりテンション落ちた気もするけどそれなりに笑えた。
中村光著。
つーか現在進行形で送ってるよ。ちっ。
だから私なんか人前に出して話させたりとかしちゃだめでしょ。いくら人減らし時代で人材いなくても。
…とかいう感じでここんとこお仕事方面は「できないこと」を無理やりやってるできなくてもやれって感じ。振り向いたら負けよって(振り向くと恥ずかしくなってきて立ち直れないから)。
思い出したくない日々のアレコレを封印するのには、やっぱりギャグ漫画ですな。
ちょっと前巻よりテンション落ちた気もするけどそれなりに笑えた。
中村光著。
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Directed By John Ford [DVD] [Import]
2009年10月29日 映画 コメント (4)
最近郵便物が届かないのでさびしい。いや、ひところほどネットショッピングしてないだけなのだが。
ストレス解消にはやっぱりお買い物だなあ。
日本からも"Directed By John Ford "が買えるのに気がついたので、ちょっとだけ欲しい気がしている。「馬上の二人」や「シャイアン」の裏話が聞けそうな(なんてマイナーな方向性…)。少なくとも英語字幕はあるらしいし。フォードの西部劇は風景を見るだけでも価値あるし。
「暗殺者を撃て」の海外盤に手を出したりするよりは視聴後の気分は充実しているかも…
(オリバー・リードは好かんしバッドエンド臭いし)
しかし、ああ、そんなこと言ってるから本日もなにもしないままのオフ日になった。
仕事も持って帰ってきたのだが何もしなかった(するのもまた間違ってるかもだが)。
ムクイを受けるのは明日からだ。それとも寝る前に何かしようかしら。
ストレス解消にはやっぱりお買い物だなあ。
日本からも"Directed By John Ford "が買えるのに気がついたので、ちょっとだけ欲しい気がしている。「馬上の二人」や「シャイアン」の裏話が聞けそうな(なんてマイナーな方向性…)。少なくとも英語字幕はあるらしいし。フォードの西部劇は風景を見るだけでも価値あるし。
「暗殺者を撃て」の海外盤に手を出したりするよりは視聴後の気分は充実しているかも…
(オリバー・リードは好かんしバッドエンド臭いし)
しかし、ああ、そんなこと言ってるから本日もなにもしないままのオフ日になった。
仕事も持って帰ってきたのだが何もしなかった(するのもまた間違ってるかもだが)。
ムクイを受けるのは明日からだ。それとも寝る前に何かしようかしら。
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