1947年、ジャック・ターナー監督作品。モノクロ。
自分を撃ち大金を持って逃げた愛人(ジェーン・グリア)を探しだせ、という組織のボス(カーク・ダグラス)からの依頼を受けた探偵(ロバート・ミッチャム)は、探し出した彼女の「私は盗んでいない、逃げ出すために撃っただけ」という言葉を信じ共に逃げるが…
フィルム・ノワールというジャンルは、特別好きで、というわけではない。たまたまノワールを得意分野としていたスターが好き、ではあるが。「過去を逃れて」の出演者たちも、キライではないかわり特別進んで見るというわけではない、というメンツばかりである(カーク・ダグラスはやや苦手だが、時には「イイ味出してる~」と思う時もちゃんとある)。
だがしかし…“フィルム・ノワール”という言葉に私が期待するモノが、ココには見事にふんだんに揃っている。甘めというかロマンチックめのフィルム・ノワール。優雅な悪女、盲目的な恋に落ち振り回されるタフガイ、味と奥行きのある悪党。陰影を効かせたカメラがちょっと人工的な彼らの魅力を引き立てる。そして素敵な背景…アカプルコ、サンフランシスコ、山小屋、全てを忘れるべく逃げ込む鄙びた田舎町。
そしてなんといっても、各地を転々とするうちに次第に明らかになってゆく、ジェーン・グリアの悪女ぶりが実に魅力的。
いわゆるフィルム・ノワールの女たちは、大抵、見るからに「強い」。皮肉屋でスタイリッシュ、あるいは肉感的・セクシーな迫力を持っている場合が多かったと思う。それがどうだろう。
か弱くどこまでも儚げな風情。「信じて」とあくまでも男に寄り添い保護欲をくすぐる(別に保護される必要などないほど冷徹かつ非情なのですが)。わかっていながら引っかからずにおれない男たち。引っかかりたくなるんですね、うん…。
アンニュイで濃厚なロマンチック全開の前半、そして、仕掛けられた罠から逃れるべく駆け引きを重ねるスリリングな後半。一気に見てしまいました。
グリア以外のメインキャストもみないい味。ミッチャムはトレンチコートが似合い、フィリップ・マーロウ演るならやはりこの人か、というハマリっぷり。いつもの何考えてるかわからない顔つきも物語によく合ってる。妙に明るいダグラスもいい。
救いがないほどの悪女物語なのに、ラストも意外と口当たりがよくしみじみとした後味。ちなみにラストシーンを締める聾唖の青年ディッキー・モーアは「ハリウッドのピーターパンたち」を書いた元子役スターでもあります(本サイト記事参照http://homepage3.nifty.com/Boatswain/door/issatsubn_08.htm#08/06)。
いやー、いい映画ですね~。
さて…次は、…この映画のリメイク「カリブの熱い夜」(1984)を見るか…
あまり気はすすまないのだが(オイ)、一応目は通しておきたいかな、と。リチャード・ウィドマーク様がワキで出てるようだし。新ヒロインの母親役でグリアも出てるようだし。録画時途中を数十分見た限りでは、趣味じゃなかったのだけど。
ふぅ…
自分を撃ち大金を持って逃げた愛人(ジェーン・グリア)を探しだせ、という組織のボス(カーク・ダグラス)からの依頼を受けた探偵(ロバート・ミッチャム)は、探し出した彼女の「私は盗んでいない、逃げ出すために撃っただけ」という言葉を信じ共に逃げるが…
フィルム・ノワールというジャンルは、特別好きで、というわけではない。たまたまノワールを得意分野としていたスターが好き、ではあるが。「過去を逃れて」の出演者たちも、キライではないかわり特別進んで見るというわけではない、というメンツばかりである(カーク・ダグラスはやや苦手だが、時には「イイ味出してる~」と思う時もちゃんとある)。
だがしかし…“フィルム・ノワール”という言葉に私が期待するモノが、ココには見事にふんだんに揃っている。甘めというかロマンチックめのフィルム・ノワール。優雅な悪女、盲目的な恋に落ち振り回されるタフガイ、味と奥行きのある悪党。陰影を効かせたカメラがちょっと人工的な彼らの魅力を引き立てる。そして素敵な背景…アカプルコ、サンフランシスコ、山小屋、全てを忘れるべく逃げ込む鄙びた田舎町。
そしてなんといっても、各地を転々とするうちに次第に明らかになってゆく、ジェーン・グリアの悪女ぶりが実に魅力的。
いわゆるフィルム・ノワールの女たちは、大抵、見るからに「強い」。皮肉屋でスタイリッシュ、あるいは肉感的・セクシーな迫力を持っている場合が多かったと思う。それがどうだろう。
か弱くどこまでも儚げな風情。「信じて」とあくまでも男に寄り添い保護欲をくすぐる(別に保護される必要などないほど冷徹かつ非情なのですが)。わかっていながら引っかからずにおれない男たち。引っかかりたくなるんですね、うん…。
アンニュイで濃厚なロマンチック全開の前半、そして、仕掛けられた罠から逃れるべく駆け引きを重ねるスリリングな後半。一気に見てしまいました。
グリア以外のメインキャストもみないい味。ミッチャムはトレンチコートが似合い、フィリップ・マーロウ演るならやはりこの人か、というハマリっぷり。いつもの何考えてるかわからない顔つきも物語によく合ってる。妙に明るいダグラスもいい。
救いがないほどの悪女物語なのに、ラストも意外と口当たりがよくしみじみとした後味。ちなみにラストシーンを締める聾唖の青年ディッキー・モーアは「ハリウッドのピーターパンたち」を書いた元子役スターでもあります(本サイト記事参照http://homepage3.nifty.com/Boatswain/door/issatsubn_08.htm#08/06)。
いやー、いい映画ですね~。
さて…次は、…この映画のリメイク「カリブの熱い夜」(1984)を見るか…
あまり気はすすまないのだが(オイ)、一応目は通しておきたいかな、と。リチャード・ウィドマーク様がワキで出てるようだし。新ヒロインの母親役でグリアも出てるようだし。録画時途中を数十分見た限りでは、趣味じゃなかったのだけど。
ふぅ…
P・G・ウッドハウスの笑うゴルファー
2009年8月2日 読書
驚いたことに、国書刊行会・文芸春秋の二人三脚ウッドハウス訳出ブームにのって、「ゴルきちの心情」の新訳が出ちゃいましたよ。出版社も違う。集英社、抜け目ないです(笑)
いわば、ゴルフがらみの作品ばかり集めたウッドハウス・アンソロジー。昔読んだ筈ですが、やっぱり手頃に忘れていて癒されます…。
忘れてなくても、出来の良いユーモア小説というのは人物の出し入れと描写・表現のディテールがキモですから、やっぱり楽しめるのですが。
半世紀がとこ昔のゴルフであってもノー・プロブレム!
いわば、ゴルフがらみの作品ばかり集めたウッドハウス・アンソロジー。昔読んだ筈ですが、やっぱり手頃に忘れていて癒されます…。
忘れてなくても、出来の良いユーモア小説というのは人物の出し入れと描写・表現のディテールがキモですから、やっぱり楽しめるのですが。
半世紀がとこ昔のゴルフであってもノー・プロブレム!
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1984年、テイラー・ハックフォード監督作品。
ネタバレてます!
この映画に期待や思い入れのある人は読むべからず。
おとといの日記(http://13374.diarynote.jp/200908012309006915/)のお約束。「過去を逃れて」を見たから今度はそのリメイク作品を、てことで鑑賞。今回も、主演三人(ジェフ・ブリッジズ、レイチェル・ウォード、ジェームズ・ウッズ)の誰にも関心はない…のはある意味同じなのかもしれないが、とにかくやっぱり新しい映画は苦手だ~(爆)濡れ場の描写もコッテコテだしさ~。
モノクロ映像でも昔の建物のほうが近代的高層ビルより、ずっとうつくしいしね~。
主人公(ブリッジズ)はケガでクビになりかけのアメフト選手。友人でもあるちょっとアブナげな店のオーナー(ウッズ)に頼まれ、彼を刺しついでに5万ドルを失敬して消えたお嬢様(ウォード)を探す仕事を引き受ける。ふむふむ、なるほどリメイクである。骨子はだいたい一緒ね。恋に落ちて一緒に逃げようとか、追ってきた男を殺してしまって、とか、主人公後半ハメられて殺人の濡れ衣をきせらせれそうになる、とか、複雑な筋は元作品を見ていなければやはりわかりにくいだろう。というか、余計わかりにくくなってるんじゃないか(笑)
元コーチが主人公たちを探しに来るんだけど、何であそこで銃が出るのかな、とか、お嬢様なのになんで5万もかっぱらっていくのかな、とか、わかりにくい点は多い。主人公にも魅力は感じないがヒロインの悪女度が中途半端なのがなんだかねー。自分の生育環境に被害者意識まで持ってるみたいだし。悪女というよりむしろバカ?とか感じてしまう。
ヒロインに半端に言い訳を与えた分、ますますコイツら何やってんだか感が強まってしまった。またその中途半端さを補うためかさらなる黒幕(リチャード・ウィドマーク)を設定したようだが、ウッズとウィドマークとその部下とヒロインが車で主人公を追いながら四人モメてるって何とも困ったものである。
過去作のヒロイン"史上最強の悪女"ジェーン・グリアを「ヒロインの冷たい母親」に持ってきたのは過去作リスペクトとしていいキャスティングだろう。母と娘の描き方は物足りないが(娘を理由ある悪女にするならもう少し工夫がほしい)。myご贔屓ウィドマーク様は貫録を見せるためにちょこっと出てきているだけで、すっかり金髪が白髪になってしまっているが(70代だし)、知性派のワルとして期待されたモノは見せてくれてる。まぁ彼が出てなきゃ見なかったかも。
そして、意外なことに!ヒロインも主人公も生き延びるのだが(これは必ずしも意外でなかった)、なんと、大黒幕ウィドマーク様もラスト、元気に生き延びてしまうのですね。コレはびっくり。絶対殺されると思ってたのに(笑)
…そして、ここまでブツブツモンクをいいながら、時々早送りまでかけながら(オイ)視聴してきた末に、エンディングで微妙な笑みを浮かべる彼を見たら反射的に「後味ヨシ」と感じてしまった自分…
バカ女は映画の中だけにいるわけではないようです(笑)
ネタバレてます!
この映画に期待や思い入れのある人は読むべからず。
おとといの日記(http://13374.diarynote.jp/200908012309006915/)のお約束。「過去を逃れて」を見たから今度はそのリメイク作品を、てことで鑑賞。今回も、主演三人(ジェフ・ブリッジズ、レイチェル・ウォード、ジェームズ・ウッズ)の誰にも関心はない…のはある意味同じなのかもしれないが、とにかくやっぱり新しい映画は苦手だ~(爆)濡れ場の描写もコッテコテだしさ~。
モノクロ映像でも昔の建物のほうが近代的高層ビルより、ずっとうつくしいしね~。
主人公(ブリッジズ)はケガでクビになりかけのアメフト選手。友人でもあるちょっとアブナげな店のオーナー(ウッズ)に頼まれ、彼を刺しついでに5万ドルを失敬して消えたお嬢様(ウォード)を探す仕事を引き受ける。ふむふむ、なるほどリメイクである。骨子はだいたい一緒ね。恋に落ちて一緒に逃げようとか、追ってきた男を殺してしまって、とか、主人公後半ハメられて殺人の濡れ衣をきせらせれそうになる、とか、複雑な筋は元作品を見ていなければやはりわかりにくいだろう。というか、余計わかりにくくなってるんじゃないか(笑)
元コーチが主人公たちを探しに来るんだけど、何であそこで銃が出るのかな、とか、お嬢様なのになんで5万もかっぱらっていくのかな、とか、わかりにくい点は多い。主人公にも魅力は感じないがヒロインの悪女度が中途半端なのがなんだかねー。自分の生育環境に被害者意識まで持ってるみたいだし。悪女というよりむしろバカ?とか感じてしまう。
ヒロインに半端に言い訳を与えた分、ますますコイツら何やってんだか感が強まってしまった。またその中途半端さを補うためかさらなる黒幕(リチャード・ウィドマーク)を設定したようだが、ウッズとウィドマークとその部下とヒロインが車で主人公を追いながら四人モメてるって何とも困ったものである。
過去作のヒロイン"史上最強の悪女"ジェーン・グリアを「ヒロインの冷たい母親」に持ってきたのは過去作リスペクトとしていいキャスティングだろう。母と娘の描き方は物足りないが(娘を理由ある悪女にするならもう少し工夫がほしい)。myご贔屓ウィドマーク様は貫録を見せるためにちょこっと出てきているだけで、すっかり金髪が白髪になってしまっているが(70代だし)、知性派のワルとして期待されたモノは見せてくれてる。まぁ彼が出てなきゃ見なかったかも。
そして、意外なことに!ヒロインも主人公も生き延びるのだが(これは必ずしも意外でなかった)、なんと、大黒幕ウィドマーク様もラスト、元気に生き延びてしまうのですね。コレはびっくり。絶対殺されると思ってたのに(笑)
…そして、ここまでブツブツモンクをいいながら、時々早送りまでかけながら(オイ)視聴してきた末に、エンディングで微妙な笑みを浮かべる彼を見たら反射的に「後味ヨシ」と感じてしまった自分…
バカ女は映画の中だけにいるわけではないようです(笑)
買ったのやスカパーで録ったのや、いくらでも見たいDVDはあるのだが…二桁はあるのだが…体力が息切れしてきた、とゆーか目がしぱしぱ、コンタクトが曇って見えません。今日こそは早寝だ。って毎日のように言っているな…
遠いうねり―グイン・サーガ〈127〉 (ハヤカワ文庫JA)
2009年8月8日 読書
故・栗本薫著。
…故…(涙)
あと何冊書きだめてくれているのだろう。きっとまだ少しは、少なくとも一冊はあると思うのだが(あとがきも普通にご本人だったし)。
内容はつなぎっぽい感じ。どこまでつながるのかなあ…Sigh...
…故…(涙)
あと何冊書きだめてくれているのだろう。きっとまだ少しは、少なくとも一冊はあると思うのだが(あとがきも普通にご本人だったし)。
内容はつなぎっぽい感じ。どこまでつながるのかなあ…Sigh...
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ラベンダー・ヒル・モブ
2009年8月9日 映画
1951年、チャールズ・クライトン監督作品。モノクロ。イギリス映画。
冴えない堅物の銀行員ホーランド(アレック・ギネス)は毎週金塊輸送車に添乗していたが、ある日土産物製造業(国内外の名所型の小物、例えばエッフェル塔の置物とか作ってそれを輸出もしてる)を営むペンドルベリー(スタンリー・ホロウェイ)と知り合って、バッチリ冴えた金塊強奪計画を思いつくのだが…
英国人の国民性は、カタブツだ俗物だという先入観を抱かれているのだが、それがハジケるときの爆発力はすごい。「カインド・ハート」(http://13374.diarynote.jp/200907181339599494/)でも、英国人のユーモアはこの国民性イメージに反比例するがごとくに奥深い…というようなことを書いた気がするが、これはユーモアをもって描かれる、英国的冒険精神の物語だ(笑)
…もちろん泥棒映画だが。
だが、シロートの、ごくフツーのオジサン二人が知恵を寄せ合い、つまらない現実からはばたくべく計画を練る姿の可愛らしさ。誰も傷つけるつもりはない。行く手に立ちふさがる難題をどう乗り越え、どう計画を遂行するか…やっぱりシロート、ぎこちなく頼りないながらも、その一生懸命さがなんともいえないイイ味の物語。
この映画について、ブラックユーモアと書かれているかたもあるが、これはむしろ、オジサンたちの夢と冒険精神と男の友情のサスペンスコメディだ。だから後味もいい。ホーランドに「走れ!」と叫ぶペンドルベリーは素敵だし、胸を張って高飛びの彼はきっと何一つ悔いてないだろう。
しかしギネスは上手いなあ。ピーター・セラーズが泥臭く見えてくるよ(といってもピンク・パンサーシリーズ程度で、セラーズ作品全部ちゃんと見たわけではないのだが。この人のも多分、本当にいいモノは未公開では…)。そして、「小心で神経質」なギネスと組むホロウェイ、この人もイイ。「マイフェアレディ」の下町オヤジが一番知られてるんだろうけど、ここでは美を愛しシェークスピアを引用しまくる日曜画家で、自分の稼業の土産物業を「醜悪」と思ってる、おおらかで人のよさげな中流紳士だ。ギネスと素敵な対照を醸し出している。
あえて細かい流れは書かずにおきます。何もきかずに、とりあえず見るベシ。
オジサン好きには特にオススメ。女っけはほぼナシです。売れる前のオードリー・ヘプバーンがワンカットだけ「通りかかる」のは結構知られていると思いますが…
しかし最近のユニヴァーサルは素晴らしい。日本では噂のみ高く未公開だらけだった所謂“イーリング・コメディ ”を廉価で連発してくれるのだから…。大昔「マダムと泥棒」をTVで見て感心して以来(そしてたぶん和田誠さんの本かなにかで)、英国にイーリング・スタジオあり、いやありき、というのは知っていたのだが、先日の「カインド・ハート」といいコレといい、聞きしに勝る小味な傑作群であると実感できた。字幕の質は不評なのが多いようだが無いよりは…(^^;)
次は「白衣の男」を狙おう。コレもギネス主演、コレもユニヴァーサル発売☆
冴えない堅物の銀行員ホーランド(アレック・ギネス)は毎週金塊輸送車に添乗していたが、ある日土産物製造業(国内外の名所型の小物、例えばエッフェル塔の置物とか作ってそれを輸出もしてる)を営むペンドルベリー(スタンリー・ホロウェイ)と知り合って、バッチリ冴えた金塊強奪計画を思いつくのだが…
英国人の国民性は、カタブツだ俗物だという先入観を抱かれているのだが、それがハジケるときの爆発力はすごい。「カインド・ハート」(http://13374.diarynote.jp/200907181339599494/)でも、英国人のユーモアはこの国民性イメージに反比例するがごとくに奥深い…というようなことを書いた気がするが、これはユーモアをもって描かれる、英国的冒険精神の物語だ(笑)
…もちろん泥棒映画だが。
だが、シロートの、ごくフツーのオジサン二人が知恵を寄せ合い、つまらない現実からはばたくべく計画を練る姿の可愛らしさ。誰も傷つけるつもりはない。行く手に立ちふさがる難題をどう乗り越え、どう計画を遂行するか…やっぱりシロート、ぎこちなく頼りないながらも、その一生懸命さがなんともいえないイイ味の物語。
この映画について、ブラックユーモアと書かれているかたもあるが、これはむしろ、オジサンたちの夢と冒険精神と男の友情のサスペンスコメディだ。だから後味もいい。ホーランドに「走れ!」と叫ぶペンドルベリーは素敵だし、胸を張って高飛びの彼はきっと何一つ悔いてないだろう。
しかしギネスは上手いなあ。ピーター・セラーズが泥臭く見えてくるよ(といってもピンク・パンサーシリーズ程度で、セラーズ作品全部ちゃんと見たわけではないのだが。この人のも多分、本当にいいモノは未公開では…)。そして、「小心で神経質」なギネスと組むホロウェイ、この人もイイ。「マイフェアレディ」の下町オヤジが一番知られてるんだろうけど、ここでは美を愛しシェークスピアを引用しまくる日曜画家で、自分の稼業の土産物業を「醜悪」と思ってる、おおらかで人のよさげな中流紳士だ。ギネスと素敵な対照を醸し出している。
あえて細かい流れは書かずにおきます。何もきかずに、とりあえず見るベシ。
オジサン好きには特にオススメ。女っけはほぼナシです。売れる前のオードリー・ヘプバーンがワンカットだけ「通りかかる」のは結構知られていると思いますが…
しかし最近のユニヴァーサルは素晴らしい。日本では噂のみ高く未公開だらけだった所謂“イーリング・コメディ ”を廉価で連発してくれるのだから…。大昔「マダムと泥棒」をTVで見て感心して以来(そしてたぶん和田誠さんの本かなにかで)、英国にイーリング・スタジオあり、いやありき、というのは知っていたのだが、先日の「カインド・ハート」といいコレといい、聞きしに勝る小味な傑作群であると実感できた。字幕の質は不評なのが多いようだが無いよりは…(^^;)
次は「白衣の男」を狙おう。コレもギネス主演、コレもユニヴァーサル発売☆
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1955年、ヴィンセント・ミネリ監督作品。カラー。
国内外ともDVDもVHSも出ていないので、字幕なし録画で視聴。蜘蛛の巣とは人間関係のぐちゃぐちゃさを指している模様。こういう作品こそ、字幕が要るんですけど…(涙)
わからなくても、とりあえずご贔屓リチャード・ウィドマーク様が出ている限り一度は見る甲斐ある筈、と頑張りました。人間関係の複雑さは手持ちの古雑誌や海外サイトのレビューや各種資料で可能な限り補完したけど、まあ話半分で読んでください。
舞台は、マッカイヴァー医師(リチャード・ウィドマーク)が進歩的な運営を試みている精神病院。彼は患者たちに自治会を作らせ、成果をあげている。が、妻カレン(グロリア・グレアム)は仕事熱心すぎる夫に欲求不満。ベテランのドヴァナル医師(シャルル・ボワイエ)は偉そうにしているが実権はマッカイヴァーにある。軽度の患者を診るのがメインらしく建物も美麗。
トラブルのもとは病院図書室のカーテン新調。事務方の女ボスである老嬢ヴィッキー(リリアン・ギッシュ)は経済性重視で検討開始。患者自治会は患者の一人である青年スティーヴィ(ジョン・カー)のデザインで自分たちで手作りする計画を立て、マッカイヴァーと新任職員メグ(ローレン・バコール)がサポートすることに。一方でカレンは夫の気を引きたさに、ドヴァナルに相談しつつ勝手に上等のカーテンを注文する。
たかがカーテン。
なのだが、各自の考えがちゃんと通じてない上、人間関係もこじれてるために、病院内は思いがけず大変なことに…そのへんの行き違いのタイミングの複雑さ精妙さはかなりのもので、粗筋を簡単にまとめようとしても簡単にならない(笑)。タイトルに恥じない、目の離せないお話なのだけど、残念ながらどうもカタルシスがなくて…。多分わざとなのでしょうが(皆新規まき直しモードに入っているのに、レナード・ローゼンマンの音楽は最後まで暗いまま)、悲劇に終わるのでないのなら、やはり少しはスッキリサッパリしたいです。
というわけで、全体としては、少々残念な映画でした。
だって個性派演技派がずらりと並んだ、結構凄いキャストですよ。中心となるのは上の六人ですが、患者の中にはオスカー・レヴァントとスーザン・ストラスバーグも。子役は「帰らざる河」やTV版ラッシーのトミー・レティグ、ドヴァナル夫人に元祖キングコングヒロイン、フェイ・レイ。
彼らの演技合戦を見ているだけで退屈はしないのですが…
優しい老夫人役が多いギッシュが凄い迫力だったり、カレンにも言い寄るドヴァナルの情けない女癖とか(流石に上手いですボワイエ)、美人なんだけどエロくてヒスなグレアムとか。一癖ある演技派グラマーとしてこの頃注目されてたらしいけど、確かに妙な存在感がありますね。
誰もかれもが歪んでる中、真摯に仕事に打ち込んでいるのはウィドマークとバコールだけなんだけど、妻のヒスに辟易の彼と最近夫と子供を亡くしたばかりの彼女は、ついつい心を寄せ合うようになる。やたら肩むき出しなグレアムと、常にしゃきっと襟を立てたバコール、それぞれ見目良い女性ですが見事な対照。バコールのエレガントな立ち居振る舞いを見ると、無理もない、という気にすらなります。自分と同じ方向を見てくれる女性の方がいいに決まってるし。でも彼には可愛い息子と娘もいる…
「精神分析医ウィドマーク」はこれまでの映画歴中、最も知的レベルの高い役柄といえましょう(笑)が、よくハマっていて好感が持てました。医者役がこのあと70年代の「コーマ」までないのが不思議なくらい。面白く感じたのは、スティーヴィが描いた絵の中に彼の絵もあるのですが、ちょっと顎のあたりへ手をやったポーズなんですね。映画の中で、確かに彼の手は雄弁です。椅子にふんぞりかえって患者や部下と話をしながら、しばしば手や指を顎や頬や額にかざしたりしてます。中肉中背、特別押し出しのいい人ではないし、手もゴツくない。手をすいっとひらめかせることで、知的な威厳を醸し出してるのですね。逆に、追い詰められた終盤では手を使う暇はありません。髪や衣服もちょっと乱して、身一つの頑張りのみ。
悪役でも策士的な「折れた槍」のベン役なども、結構手を使っていましたっけ(但し父の圧迫の強い回想部分ではやりません)。直情径行のトミー・ユードーとか「復讐鬼」のレイとかだと、有りえない。ただ、トミーが殺意の高まりとともに、口元の涎をふくような手つきをした所は別の意味合いで忘れられないしぐさですが。
ちなみに私もあれこれ考えながら人と話をするとき、つい顔を触ってしまう癖があります。考えてやっていないので、威厳が出るどころか化粧がハゲるだけですが(^^;)エライ違いだなあ。
あと気がついたのは、不安定な心に苦しみながら淡い恋に落ちるカーとストラスバーグのデートシーン、映画館で流れる曲からすると「略奪された七人の花嫁」な模様ですね(笑)
さすがに自分の作品は避けたけどMGMミュージカルで、ってことなのね。
しかしほんとに、字幕がなあ…。ジュネスでもいいから出してほしい…
英語字幕あるなら海外盤でも大歓迎。即買いますが。
…ついこないだまでYouTubeにもあった筈が、今日見たら消えてたし(T^T)
国内外ともDVDもVHSも出ていないので、字幕なし録画で視聴。蜘蛛の巣とは人間関係のぐちゃぐちゃさを指している模様。こういう作品こそ、字幕が要るんですけど…(涙)
わからなくても、とりあえずご贔屓リチャード・ウィドマーク様が出ている限り一度は見る甲斐ある筈、と頑張りました。人間関係の複雑さは手持ちの古雑誌や海外サイトのレビューや各種資料で可能な限り補完したけど、まあ話半分で読んでください。
舞台は、マッカイヴァー医師(リチャード・ウィドマーク)が進歩的な運営を試みている精神病院。彼は患者たちに自治会を作らせ、成果をあげている。が、妻カレン(グロリア・グレアム)は仕事熱心すぎる夫に欲求不満。ベテランのドヴァナル医師(シャルル・ボワイエ)は偉そうにしているが実権はマッカイヴァーにある。軽度の患者を診るのがメインらしく建物も美麗。
トラブルのもとは病院図書室のカーテン新調。事務方の女ボスである老嬢ヴィッキー(リリアン・ギッシュ)は経済性重視で検討開始。患者自治会は患者の一人である青年スティーヴィ(ジョン・カー)のデザインで自分たちで手作りする計画を立て、マッカイヴァーと新任職員メグ(ローレン・バコール)がサポートすることに。一方でカレンは夫の気を引きたさに、ドヴァナルに相談しつつ勝手に上等のカーテンを注文する。
たかがカーテン。
なのだが、各自の考えがちゃんと通じてない上、人間関係もこじれてるために、病院内は思いがけず大変なことに…そのへんの行き違いのタイミングの複雑さ精妙さはかなりのもので、粗筋を簡単にまとめようとしても簡単にならない(笑)。タイトルに恥じない、目の離せないお話なのだけど、残念ながらどうもカタルシスがなくて…。多分わざとなのでしょうが(皆新規まき直しモードに入っているのに、レナード・ローゼンマンの音楽は最後まで暗いまま)、悲劇に終わるのでないのなら、やはり少しはスッキリサッパリしたいです。
というわけで、全体としては、少々残念な映画でした。
だって個性派演技派がずらりと並んだ、結構凄いキャストですよ。中心となるのは上の六人ですが、患者の中にはオスカー・レヴァントとスーザン・ストラスバーグも。子役は「帰らざる河」やTV版ラッシーのトミー・レティグ、ドヴァナル夫人に元祖キングコングヒロイン、フェイ・レイ。
彼らの演技合戦を見ているだけで退屈はしないのですが…
優しい老夫人役が多いギッシュが凄い迫力だったり、カレンにも言い寄るドヴァナルの情けない女癖とか(流石に上手いですボワイエ)、美人なんだけどエロくてヒスなグレアムとか。一癖ある演技派グラマーとしてこの頃注目されてたらしいけど、確かに妙な存在感がありますね。
誰もかれもが歪んでる中、真摯に仕事に打ち込んでいるのはウィドマークとバコールだけなんだけど、妻のヒスに辟易の彼と最近夫と子供を亡くしたばかりの彼女は、ついつい心を寄せ合うようになる。やたら肩むき出しなグレアムと、常にしゃきっと襟を立てたバコール、それぞれ見目良い女性ですが見事な対照。バコールのエレガントな立ち居振る舞いを見ると、無理もない、という気にすらなります。自分と同じ方向を見てくれる女性の方がいいに決まってるし。でも彼には可愛い息子と娘もいる…
「精神分析医ウィドマーク」はこれまでの映画歴中、最も知的レベルの高い役柄といえましょう(笑)が、よくハマっていて好感が持てました。医者役がこのあと70年代の「コーマ」までないのが不思議なくらい。面白く感じたのは、スティーヴィが描いた絵の中に彼の絵もあるのですが、ちょっと顎のあたりへ手をやったポーズなんですね。映画の中で、確かに彼の手は雄弁です。椅子にふんぞりかえって患者や部下と話をしながら、しばしば手や指を顎や頬や額にかざしたりしてます。中肉中背、特別押し出しのいい人ではないし、手もゴツくない。手をすいっとひらめかせることで、知的な威厳を醸し出してるのですね。逆に、追い詰められた終盤では手を使う暇はありません。髪や衣服もちょっと乱して、身一つの頑張りのみ。
悪役でも策士的な「折れた槍」のベン役なども、結構手を使っていましたっけ(但し父の圧迫の強い回想部分ではやりません)。直情径行のトミー・ユードーとか「復讐鬼」のレイとかだと、有りえない。ただ、トミーが殺意の高まりとともに、口元の涎をふくような手つきをした所は別の意味合いで忘れられないしぐさですが。
ちなみに私もあれこれ考えながら人と話をするとき、つい顔を触ってしまう癖があります。考えてやっていないので、威厳が出るどころか化粧がハゲるだけですが(^^;)エライ違いだなあ。
あと気がついたのは、不安定な心に苦しみながら淡い恋に落ちるカーとストラスバーグのデートシーン、映画館で流れる曲からすると「略奪された七人の花嫁」な模様ですね(笑)
さすがに自分の作品は避けたけどMGMミュージカルで、ってことなのね。
しかしほんとに、字幕がなあ…。ジュネスでもいいから出してほしい…
英語字幕あるなら海外盤でも大歓迎。即買いますが。
…ついこないだまでYouTubeにもあった筈が、今日見たら消えてたし(T^T)
かいちゃダメだ、かいちゃダメだ、かいちゃダメだ
2009年8月11日 日常掻いちゃダメ。
くー、明け方の不快な揺れで目覚めたら(関西なので大したことはないが)、まーたまた、めばちこ気味。まぶたが重い。痛痒い。
抜けられない会議もあるので出勤したが、本も映画もガマンで早寝だ!(;-;)
せんだってのめばちこ診断時、医者は目薬と、なんたって睡眠が大事!とのたまった。
おやすみなさい(^-^)v
くー、明け方の不快な揺れで目覚めたら(関西なので大したことはないが)、まーたまた、めばちこ気味。まぶたが重い。痛痒い。
抜けられない会議もあるので出勤したが、本も映画もガマンで早寝だ!(;-;)
せんだってのめばちこ診断時、医者は目薬と、なんたって睡眠が大事!とのたまった。
おやすみなさい(^-^)v
ドラゴンズ・ワイルド (ハヤカワ文庫FT)
2009年8月12日 読書
故ロバート・アスプリンの新作、いや未訳シリーズというので手を出したが、ちょっと展開が遅いなあ。最後まで読めるかしら。
舞台は現代、なのに、キミは人間じゃなくてドラゴンの血族だ、しかも、世界中から狙われてるゾと突然言われてしまった兄妹のユーモア・ファンタジー?
兄がヘタレで妹がマッチョなのがなんかヘン。
舞台は現代、なのに、キミは人間じゃなくてドラゴンの血族だ、しかも、世界中から狙われてるゾと突然言われてしまった兄妹のユーモア・ファンタジー?
兄がヘタレで妹がマッチョなのがなんかヘン。
ワン・ツー・スリー/ラブハント作戦
2009年8月14日 映画 コメント (5)
1961年、ビリー・ワイルダー監督作品。モノクロ。
東西冷戦時代のベルリンを舞台にした社会風刺コメディ。大昔TVで吹替版見た筈だが、スカパーで字幕付でやったので再見。
コカ・コーラのベルリン支社長がジェームズ・キャグニー。エネルギッシュなワーカホリック、でも金髪秘書とのドイツ語特別授業?にも熱心な、ひたすらパワフルな上昇志向アメリカンです。東側への売り込みにも「目指せヨーロッパ総支社長!」の夢を賭けて頑張り中だが、社長は「東側なんかどうでもいいから、今度そっちへ行く娘がトラブらないよう面倒を見てくれ」と電話してくる。ところが、ほれっぽくて能天気な17才の社長令嬢パメラ・ティフィンは、キャグニーの目を盗んで、あっというまに東ベルリンの熱烈共産主義青年ホルスト・ブッフホルツと結婚しちゃった。さあ社長が視察に来るまでに、二人を別れさせなきゃ!ところが彼を始末したとたん妊娠が発覚したから、今度は何とか「立派な婿」に改造しなきゃ!
手段を選ばぬ(ホント酷いんですよ(笑))、キャグニー八面六臂の大活躍が、終盤に向けてどんどんどんどんどんどんスピードが上がってゆくのがとにかく凄い(笑) 効果的に「剣の舞」の曲が使われているけどほんとピッタリ。
資本主義者も共産主義者もナチスドイツも(男秘書にはやたらカカトを打ち合わせる癖か…)、誰も彼もが笑いのネタにされてる。ワイルダーの人の悪さ爆裂って感じのドライなコメディです。この支局長、一歩間違えば「地獄の英雄」ですよ(笑)
結局一番共感を呼ぶのは、仕事中心の夫に不満な支局長夫人(アーリン・フランシス )か、何も考えてないけどピュアな社長令嬢かな?でもここまで何も考えてなくていいのかオイ(笑)
点数は控えめにしたけど、とりあえず初めて見る人は問題なく笑えると思う。腐ってもワイルダーですから。(日本でつけられたヘンな副題は無視しましょう。ぜんぜんラブハントじゃないし…)
高速回転中のエンジンみたいなキャグニーの、指パッチン(笑)も一見の価値あり。
あと、1955年の映画「黄金の賞品」でリチャード・ウィドマークが乗ってた可愛いメッサーシュミットの二人乗り屋根つきバイクだか二輪自動車だかが、この映画でも道を走ってたのでビックリ。まあ型番は新しくなってるんだろうけど、そんなに長いこと流行ってたんですかね。「黄金…」も今月中に再見する予定。
東西冷戦時代のベルリンを舞台にした社会風刺コメディ。大昔TVで吹替版見た筈だが、スカパーで字幕付でやったので再見。
コカ・コーラのベルリン支社長がジェームズ・キャグニー。エネルギッシュなワーカホリック、でも金髪秘書とのドイツ語特別授業?にも熱心な、ひたすらパワフルな上昇志向アメリカンです。東側への売り込みにも「目指せヨーロッパ総支社長!」の夢を賭けて頑張り中だが、社長は「東側なんかどうでもいいから、今度そっちへ行く娘がトラブらないよう面倒を見てくれ」と電話してくる。ところが、ほれっぽくて能天気な17才の社長令嬢パメラ・ティフィンは、キャグニーの目を盗んで、あっというまに東ベルリンの熱烈共産主義青年ホルスト・ブッフホルツと結婚しちゃった。さあ社長が視察に来るまでに、二人を別れさせなきゃ!ところが彼を始末したとたん妊娠が発覚したから、今度は何とか「立派な婿」に改造しなきゃ!
手段を選ばぬ(ホント酷いんですよ(笑))、キャグニー八面六臂の大活躍が、終盤に向けてどんどんどんどんどんどんスピードが上がってゆくのがとにかく凄い(笑) 効果的に「剣の舞」の曲が使われているけどほんとピッタリ。
資本主義者も共産主義者もナチスドイツも(男秘書にはやたらカカトを打ち合わせる癖か…)、誰も彼もが笑いのネタにされてる。ワイルダーの人の悪さ爆裂って感じのドライなコメディです。この支局長、一歩間違えば「地獄の英雄」ですよ(笑)
結局一番共感を呼ぶのは、仕事中心の夫に不満な支局長夫人(アーリン・フランシス )か、何も考えてないけどピュアな社長令嬢かな?でもここまで何も考えてなくていいのかオイ(笑)
点数は控えめにしたけど、とりあえず初めて見る人は問題なく笑えると思う。腐ってもワイルダーですから。(日本でつけられたヘンな副題は無視しましょう。ぜんぜんラブハントじゃないし…)
高速回転中のエンジンみたいなキャグニーの、指パッチン(笑)も一見の価値あり。
あと、1955年の映画「黄金の賞品」でリチャード・ウィドマークが乗ってた可愛いメッサーシュミットの二人乗り屋根つきバイクだか二輪自動車だかが、この映画でも道を走ってたのでビックリ。まあ型番は新しくなってるんだろうけど、そんなに長いこと流行ってたんですかね。「黄金…」も今月中に再見する予定。
1959年、チャールズ・ウォルターズ監督作品。カラー。
「理想の男性をどうつかまえるか?」という永遠のテーマを追う、いかにもなラブコメ(笑)
昔TV録画したVHSテープの中から出てきたので再見。
田舎から都会へ出てきたばかりの、純情だけどどこかチャッカリした天然娘メグ(シャーリー・マクレーン)。誘ってくる男はみんなカラダが目当て、そんなのとんでもない!でも、素敵!と思った相手エヴァン(ギグ・ヤング)は大のプレイボーイでなかなかこちらを向いてくれない…。
メグは、真面目なリサーチ会社社長でエヴァンの兄でもあるマイルズ(デヴィッド・ニーヴン)に、リサーチやマーケティングの理論を応用してエヴァンを陥落させられないかと相談する。弟を結婚させ落ち着かせたい(仕事をちゃんとさせたい)と常々考えていた彼は、「面白い!」と彼女に協力することにするが…
集めたエヴァンの女友達のデータに従い、変身を重ねるマクレーンが楽しい。カラダを張ってリサーチしてるのはニーヴンの方なのだが(笑)…おおッ、兄さんヤルじゃん!てな勢いだ。カタブツなようでも、やれば何でもできちゃうのね(元々が洒脱の権化ニーヴン様ですから)。
しかしおおかたの予想通り、完全にエヴァンの「理想の女性」になる頃には、メグの心を占めるのは彼ではなくなってしまってるワケで。誰って?そりゃお兄様に決まってます。
天然なマクレーン、紳士的なニーヴン、お気楽なヤング、ともに手慣れた役柄で安心して見ていられる。軽いけど懐かしいノリのコメディです。OLたちが恋愛や結婚について語り合う場面も意外とあけすけでリアル感あり。しかし、その辺に出てた弟のアドレスブックを勝手に見てリサーチするなんて、今だと訴えられるぞー(笑)
残念ながら海外でもVHSしか出ていない模様。一応日本の密林でも買えそうなのでリンクは張っておきます(字幕はないけど)。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/6302641780?ie=UTF8&tag=boatswascot-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=6302641780
「理想の男性をどうつかまえるか?」という永遠のテーマを追う、いかにもなラブコメ(笑)
昔TV録画したVHSテープの中から出てきたので再見。
田舎から都会へ出てきたばかりの、純情だけどどこかチャッカリした天然娘メグ(シャーリー・マクレーン)。誘ってくる男はみんなカラダが目当て、そんなのとんでもない!でも、素敵!と思った相手エヴァン(ギグ・ヤング)は大のプレイボーイでなかなかこちらを向いてくれない…。
メグは、真面目なリサーチ会社社長でエヴァンの兄でもあるマイルズ(デヴィッド・ニーヴン)に、リサーチやマーケティングの理論を応用してエヴァンを陥落させられないかと相談する。弟を結婚させ落ち着かせたい(仕事をちゃんとさせたい)と常々考えていた彼は、「面白い!」と彼女に協力することにするが…
集めたエヴァンの女友達のデータに従い、変身を重ねるマクレーンが楽しい。カラダを張ってリサーチしてるのはニーヴンの方なのだが(笑)…おおッ、兄さんヤルじゃん!てな勢いだ。カタブツなようでも、やれば何でもできちゃうのね(元々が洒脱の権化ニーヴン様ですから)。
しかしおおかたの予想通り、完全にエヴァンの「理想の女性」になる頃には、メグの心を占めるのは彼ではなくなってしまってるワケで。誰って?そりゃお兄様に決まってます。
天然なマクレーン、紳士的なニーヴン、お気楽なヤング、ともに手慣れた役柄で安心して見ていられる。軽いけど懐かしいノリのコメディです。OLたちが恋愛や結婚について語り合う場面も意外とあけすけでリアル感あり。しかし、その辺に出てた弟のアドレスブックを勝手に見てリサーチするなんて、今だと訴えられるぞー(笑)
残念ながら海外でもVHSしか出ていない模様。一応日本の密林でも買えそうなのでリンクは張っておきます(字幕はないけど)。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/6302641780?ie=UTF8&tag=boatswascot-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=6302641780
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円環少女 10 運命の螺旋 (角川スニーカー文庫)
2009年8月18日 読書
相変わらず、笑えて、熱くて、予断を許さない。満を持してのメイゼルと母親の過去話はかなりシリアスだけど。
いやー好きだわメイゼルちゃん。主人公、いい加減に腰の据わらないきずなちゃんはほっといて、メイゼルのラブコールにまともに答えりゃいいのに。胸だってたぶんそのうち育つさ。12歳だから問題はあるけどね。はははは。
いやー好きだわメイゼルちゃん。主人公、いい加減に腰の据わらないきずなちゃんはほっといて、メイゼルのラブコールにまともに答えりゃいいのに。胸だってたぶんそのうち育つさ。12歳だから問題はあるけどね。はははは。
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明治40年、売れっ子女郎目指して自ら人買いに「買われた」少女フミ。満州はハルビンの地で、新しい人生が始まる。コバルト文庫の看板作家が満を持してオトナ女子におくる、ハイパーガールズエンタメ!!
須賀しのぶ著。
おおお、こんなところに!て感じで。なんかスケールがでかくなりすぎてコバルトに居づらくなっちゃったのかな、な須賀さんの新作が。お女郎といってもこの著者得意の元気すぎ女子がヒロインなので苛酷な育ち・境遇の少女たちの話だけどサバサバと楽しめる。400ページ近いぶっとさがうれしいね。まだ半分もきていないけど面白い。
1948年、ヴィンセント・ミネリ監督作品。
米盤ミュージカルDVDボックス、"Classic Musical from the Dream Factory volume 2" より視聴(英語字幕あり)。最近ジュネス企画から日本語字幕版も出ましたが、ソレ一枚とそう変わらない値段でMGMミュージカルが7本も入ってたんだもの~。(参照http://13374.diarynote.jp/200902271555324824/)…しかもジュネス版は発色悪いという噂も?
最大のお目当てはアステアの2本とデヴィッド・ニーヴンの1本(本当はマリオ・ランザ&キャスリン・グレイスン)なのですが、外堀から埋めるタイプの私はこちらを先に見てみました(笑)
「大海賊に憧れるお嬢様を“大海賊のふりをして”口説く話」らしいと聞いていたのも、帆船好きの私としてはひそかに気になる設定で。「折れた槍」同様、結構色々妄想したなあ…
カリブ海に浮かぶとある島、時代は18~9世紀頃?
箱入り娘マニュエラ(ジュディ・ガーランド)は叔母達から、市長ドン・ペドロ(ウォルター・スレザク)との結婚をお膳立てされているが、噂にのみきく"海賊マココ"へ、ロマンチックな憧れを抱いている。島を訪れた芸人一座の座長セラフィン(ジーン・ケリー)はそんな彼女を見染めて熱烈アプローチ。舞台に引っ張りあげて催眠術で住所や好きな相手を聞き出そうとする。彼女はトランス状態からマココへの憧れを派手に歌い踊るが、正気に返ると家へ逃げ帰ってしまう。
強引なセラフィンは懲りずに仲間と共に彼女の家へ押し掛けるが、怒った市長に叩き出されそうになる。ところが、乗っていた船がマココに襲われたことのあるセラフィンは、市長こそが(元)海賊マココであると見破り、官憲に正体がバレることを恐れる市長の事情を逆手に取って一座の滞在を認めさせる。ついでに「自分こそが実はマココ!」と宣言して、進退極まった市長や町の人々に「マニュエラを俺の所へ連れて来い」と命じるのだが、さすがにこれはやりすぎで、彼女の心は捕らえたものの、海賊として処刑されそうになり大ピンチ!
とてもカラフルで、ドタバタ度の高いラブコメ・ミュージカル。ジュディの歌とケリーのダンスも見ごたえ十分だし、終盤、ハメられたセラフィンと「海賊じゃなくてもセラフィンを選ぶ」と決めたマニュエラが如何にして大ピンチを逃れるかのくだりもスリリングで面白い。
ただ、主役がジュディにケリー、監督ミネリ、制作アーサー・フリード、音楽コール・ポーター、と万全の構えで発した大作にもかかわらず、コケたらしい…というのも、わかる気がする(^^;)
問題点は、まず、キャラクターか。ケリーは元々オーバーアクトな「強引な求愛者」を演じることが多いのだが、マニュエラに一目ぼれする前に“Nina,Nina”の女好きを披露するナンバーがあるぶん、彼女にどこまで本気か余計に最初怪しく見えちゃう。催眠術使ったり海賊のふりをしたり、かなり無茶をするのだから、観客の共感を得られる小ネタを序盤にもっと入れてほしかった。超カッコつけな“海賊”演技は笑えるし、終盤の開き直りはそれなりに面白いのだが。
そして一見金と地位がとりえの太めの中年、でも実は元大海賊…というならば、市長役にはもう少し大物を当ててほしかった。踊れなくても太めでもいいから「本気になれば」それなりの風格や悪のカッコよさが出せるんじゃなきゃなあ(-"-;)
ジュディは、騙されやすそうに見えて意外と頭も回る頼もしい女の子で問題なく魅力的。
次にコール・ポーターの曲。“Be a crown”は名曲。“Mack the black”もそこそこいいが、今回ちょっと曲の数そのものが少ないような…。“Be a crown”以外にキャッチーな歌がなかったのは痛いね。それでなくても“Be a crown”はコミックソングで、これが一番耳に残るというのはラブコメとはいえ「何かが違う」気が(^^;)
しかもこの曲、今となると後発の“Make’em laugh”(「雨に唄えば」)にちょっとイメージ食われてるしね。なんでも“Be a crown”みたいな感じで、との指示で書かれたというだけあって激似なうえ、私はドナルド・オコナーの方がケリーより好きなくらいなのでした(笑)
そして、予算的にキツイだろうが…模型でいいから、帆船を出してほしかったなあ(^^;)
まあ、もともと私はケリー派じゃなくアステア派だし。
ケリー派だったら十分満足できるんじゃないかな?太もも二の腕むき出しの海賊衣装も、タッパはないけど体育会系なガタイのケリーには納得のマッチングだった。
米盤ミュージカルDVDボックス、"Classic Musical from the Dream Factory volume 2" より視聴(英語字幕あり)。最近ジュネス企画から日本語字幕版も出ましたが、ソレ一枚とそう変わらない値段でMGMミュージカルが7本も入ってたんだもの~。(参照http://13374.diarynote.jp/200902271555324824/)…しかもジュネス版は発色悪いという噂も?
最大のお目当てはアステアの2本とデヴィッド・ニーヴンの1本(本当はマリオ・ランザ&キャスリン・グレイスン)なのですが、外堀から埋めるタイプの私はこちらを先に見てみました(笑)
「大海賊に憧れるお嬢様を“大海賊のふりをして”口説く話」らしいと聞いていたのも、帆船好きの私としてはひそかに気になる設定で。「折れた槍」同様、結構色々妄想したなあ…
カリブ海に浮かぶとある島、時代は18~9世紀頃?
箱入り娘マニュエラ(ジュディ・ガーランド)は叔母達から、市長ドン・ペドロ(ウォルター・スレザク)との結婚をお膳立てされているが、噂にのみきく"海賊マココ"へ、ロマンチックな憧れを抱いている。島を訪れた芸人一座の座長セラフィン(ジーン・ケリー)はそんな彼女を見染めて熱烈アプローチ。舞台に引っ張りあげて催眠術で住所や好きな相手を聞き出そうとする。彼女はトランス状態からマココへの憧れを派手に歌い踊るが、正気に返ると家へ逃げ帰ってしまう。
強引なセラフィンは懲りずに仲間と共に彼女の家へ押し掛けるが、怒った市長に叩き出されそうになる。ところが、乗っていた船がマココに襲われたことのあるセラフィンは、市長こそが(元)海賊マココであると見破り、官憲に正体がバレることを恐れる市長の事情を逆手に取って一座の滞在を認めさせる。ついでに「自分こそが実はマココ!」と宣言して、進退極まった市長や町の人々に「マニュエラを俺の所へ連れて来い」と命じるのだが、さすがにこれはやりすぎで、彼女の心は捕らえたものの、海賊として処刑されそうになり大ピンチ!
とてもカラフルで、ドタバタ度の高いラブコメ・ミュージカル。ジュディの歌とケリーのダンスも見ごたえ十分だし、終盤、ハメられたセラフィンと「海賊じゃなくてもセラフィンを選ぶ」と決めたマニュエラが如何にして大ピンチを逃れるかのくだりもスリリングで面白い。
ただ、主役がジュディにケリー、監督ミネリ、制作アーサー・フリード、音楽コール・ポーター、と万全の構えで発した大作にもかかわらず、コケたらしい…というのも、わかる気がする(^^;)
問題点は、まず、キャラクターか。ケリーは元々オーバーアクトな「強引な求愛者」を演じることが多いのだが、マニュエラに一目ぼれする前に“Nina,Nina”の女好きを披露するナンバーがあるぶん、彼女にどこまで本気か余計に最初怪しく見えちゃう。催眠術使ったり海賊のふりをしたり、かなり無茶をするのだから、観客の共感を得られる小ネタを序盤にもっと入れてほしかった。超カッコつけな“海賊”演技は笑えるし、終盤の開き直りはそれなりに面白いのだが。
そして一見金と地位がとりえの太めの中年、でも実は元大海賊…というならば、市長役にはもう少し大物を当ててほしかった。踊れなくても太めでもいいから「本気になれば」それなりの風格や悪のカッコよさが出せるんじゃなきゃなあ(-"-;)
ジュディは、騙されやすそうに見えて意外と頭も回る頼もしい女の子で問題なく魅力的。
次にコール・ポーターの曲。“Be a crown”は名曲。“Mack the black”もそこそこいいが、今回ちょっと曲の数そのものが少ないような…。“Be a crown”以外にキャッチーな歌がなかったのは痛いね。それでなくても“Be a crown”はコミックソングで、これが一番耳に残るというのはラブコメとはいえ「何かが違う」気が(^^;)
しかもこの曲、今となると後発の“Make’em laugh”(「雨に唄えば」)にちょっとイメージ食われてるしね。なんでも“Be a crown”みたいな感じで、との指示で書かれたというだけあって激似なうえ、私はドナルド・オコナーの方がケリーより好きなくらいなのでした(笑)
そして、予算的にキツイだろうが…模型でいいから、帆船を出してほしかったなあ(^^;)
まあ、もともと私はケリー派じゃなくアステア派だし。
ケリー派だったら十分満足できるんじゃないかな?太もも二の腕むき出しの海賊衣装も、タッパはないけど体育会系なガタイのケリーには納得のマッチングだった。
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キツい一日の終わりに / Der Sonne entgegen
2009年8月22日 映画 コメント (17)
ずーっと忙しくて、今日は行事もあって忙しさマックス今週のクライマックスなのに起きたらめばちこ気味で。目が、目が~!
それでもビシバシとかんばって、途中関連部署のヒトが「えっ聞いてません」とか信じられない引き継ぎモレやっててもまあ今からでも間に合いそうだったから怒らなくて、そのあとのことは無事たいがいうまくいったし、忙しすぎたから引き継ぎミスを棚に上げて逆ギレな厭味を言った奴がいたのすらとりあえず忘れていたのだが、さすがにグッタリと家にたどりつく頃には、そういうのも思い出せちゃうんですよね。
マジムカ。
くそーやっと明日明後日は休日なんだあんなアホの思い出に毒されてたまるか忘れろ~!とオノレの心をなだめながら自宅の階段をヨロヨロとあがりこんだら。
なんと、机の上にドイツ語のパッケージが。
…月曜に衝動買いしたドイツ盤「太陽に向って走れ」がもう届いていた。まだ土曜なのに。
…早ッ!さすがはドイツ・アマゾン、ドイツ的勤勉さって凄い…
なんだか、すべての雲が晴れましたよ心から。一瞬にして。
ウィドマーク様は偉大です。そして英語字幕も偉大♪
ありがとうドイツ・アマゾン!
≪追記≫
ドイツ語タイトル"Der Sonne entgegen"、邦題「太陽に向って走れ」、原題 "Run for the Sun"。
http://www.amazon.de/Sonne-entgegen-Richard-Widmark/dp/B001UJEYUC/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=dvd&qid=1248883869&sr=1-2
英語字幕に惹かれて買いましたが、字幕は英独二種類、言語も英独二種類。特典もちょっぴりだけどついてました。なかなかガンバってるじゃないか、約7ユーロの安さにしては!
ご参考までに特典は、
(1)主演のリチャード・ウィドマーク、ジェーン・グリア、トレバー・ハワードのバイオ&フィルモグラフィ。結構長文で作品リストも詳しいが、全部ドイツ語なのが難?当たり前なんですが(笑)
(2)スライドショー。映画中場面のスライドショー、カラー映画なのになぜかモノクロなのが残念だけど、簡単に良いキャプチャが撮れます。
(3)トレイラー集(英語)。本編のキャスト・スタッフとは無関係なものばかり。「真夜中へ五哩」「世界を彼の腕に」「フロント・ページ」ほか。
というわけで字幕なし特典なしの英国Optimum盤とは結構違うようです。メニュー画面・チャプター選択画面もなんだかうにょうにょと動画状態だし。画像状態も負けてないと思う。なかなかお得感のあるドイツ盤でありました♪
(本編については、http://13374.diarynote.jp/200810090052299387/参照)
それでもビシバシとかんばって、途中関連部署のヒトが「えっ聞いてません」とか信じられない引き継ぎモレやっててもまあ今からでも間に合いそうだったから怒らなくて、そのあとのことは無事たいがいうまくいったし、忙しすぎたから引き継ぎミスを棚に上げて逆ギレな厭味を言った奴がいたのすらとりあえず忘れていたのだが、さすがにグッタリと家にたどりつく頃には、そういうのも思い出せちゃうんですよね。
マジムカ。
くそーやっと明日明後日は休日なんだあんなアホの思い出に毒されてたまるか忘れろ~!とオノレの心をなだめながら自宅の階段をヨロヨロとあがりこんだら。
なんと、机の上にドイツ語のパッケージが。
…月曜に衝動買いしたドイツ盤「太陽に向って走れ」がもう届いていた。まだ土曜なのに。
…早ッ!さすがはドイツ・アマゾン、ドイツ的勤勉さって凄い…
なんだか、すべての雲が晴れましたよ心から。一瞬にして。
ウィドマーク様は偉大です。そして英語字幕も偉大♪
ありがとうドイツ・アマゾン!
≪追記≫
ドイツ語タイトル"Der Sonne entgegen"、邦題「太陽に向って走れ」、原題 "Run for the Sun"。
http://www.amazon.de/Sonne-entgegen-Richard-Widmark/dp/B001UJEYUC/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=dvd&qid=1248883869&sr=1-2
英語字幕に惹かれて買いましたが、字幕は英独二種類、言語も英独二種類。特典もちょっぴりだけどついてました。なかなかガンバってるじゃないか、約7ユーロの安さにしては!
ご参考までに特典は、
(1)主演のリチャード・ウィドマーク、ジェーン・グリア、トレバー・ハワードのバイオ&フィルモグラフィ。結構長文で作品リストも詳しいが、全部ドイツ語なのが難?当たり前なんですが(笑)
(2)スライドショー。映画中場面のスライドショー、カラー映画なのになぜかモノクロなのが残念だけど、簡単に良いキャプチャが撮れます。
(3)トレイラー集(英語)。本編のキャスト・スタッフとは無関係なものばかり。「真夜中へ五哩」「世界を彼の腕に」「フロント・ページ」ほか。
というわけで字幕なし特典なしの英国Optimum盤とは結構違うようです。メニュー画面・チャプター選択画面もなんだかうにょうにょと動画状態だし。画像状態も負けてないと思う。なかなかお得感のあるドイツ盤でありました♪
(本編については、http://13374.diarynote.jp/200810090052299387/参照)
The Toast Of New Orleans
2009年8月24日 映画 コメント (2)
1950年、ノーマン・タウログ監督作品。カラー、日本未公開。
「ザッツ・エンタティンメント」の中でマリオ・ランザとキャスリン・グレイスンの歌う“Be My Love”のシーンだけ『ニューオリンズの美女(日本未公開)』として日本に紹介されています(笑)(『ニューオリンズの乾杯』と訳されてる場合もあるようですが)
米盤ミュージカルDVDボックス、"Classic Musical from the Dream Factory volume 2" 収録分より視聴(英語字幕あり/リージョンオール!)。
(参照http://13374.diarynote.jp/200902271555324824/)
日本のアマゾンでは海外版VHSしかあがってきませんが。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00000F6O0?ie=UTF8&tag=boatswascot-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=B00000F6O0
舞台は100年ほど前のアメリカ南部。ペピ(ランザ)はバイユーの若いエビ漁師だが、明るく奔放な気性と抜群の美声で村のアイドル的存在(笑)。その才能をオペラの監督&プロモーターのジャック・リブドゥ(デヴィッド・ニーヴン)が認めてオペラをやらないかと誘う。ペピは最初は誘いを断るが、叔父と自分の漁船が沈没し買い換える金が要ったのと、美しいオペラ歌手シュゼット(グレイスン)に惹かれたことでニューオーリンズへと出てくる。実は彼女はジャックから求婚されていたのだが、強引で純粋なペピにも惹かれるようになり…
クラシック・ミュージカルではしばしば、筋はあってなきが如きもの(笑)
ランザとグレイスンの美声を楽しむためだけに作られていますので、そういう映画の嫌いな人はパスして下さい。
私はクラシック・ミュージカル好きとはいえ、ダンスが一番好きで、オペラはあまり興味がないので、観る前は期待していなかったのだが、聞いてみるとランザの美声はなるほど凄い。椿姫の「乾杯の歌」や蝶々夫人などオペラの有名どころに加えて、もう少しミュージカルっぽい英語の歌も何曲も歌う。とはいえさすがに踊りはできないので、漁師仲間のジェームズ・ミッチェル(「オクラホマ!」に出てたらしい)や若いリタ・モレノがダイナミックなダンス・シーンをサービスしてくれる。
面白いのはペピと叔父(J.キャロル・ナイシュ)の設定。彼らの田舎者っぷりは相当なもので、「人前に出せるよう」ジャックとシュゼットが苦労して色々と特訓を施すのだがあちこちで騒ぎを起こしまくり。だが、一年の半分をオペラ、残り半分をエビ漁師として暮らせたら理想だ、と言うペピは、本当は一番もののわかった人間なのかもしれない。
とはいえ、そんな彼に結局道を譲ってやるジャックの、オトナの気遣いもまた美しい。
カラフルな、そしてノスタルジックな風俗情景をバックに、のんびりとマリオ・ランザのテナーを楽しみましょう。何本も見たら飽きるかもだが、一度見てみてソンはない人です。日本では「歌劇王カルーソ」しか公開されていないらしいけど。
この「歌劇王…」、ドミンゴ等三大テノール全員にとって「オペラを志すキッカケになった映画」なのだそうな。そして、なんとわずか38才で夭逝したらしいというのにも驚く。
そして、二枚目だけど彼の泥臭さは鼻につく、というムキは、デヴィッド・ニーヴンのどこまでもスマートで紳士的な挙措に見とれていればよいのです。
なんというかこのニーヴン様、若すぎず老けすぎず、ルックス的にはまさに旬!なお年頃。ヒーローとヒロインの子供っぽさを埋めてあまりあるカッコよさにウットリの私なのでした(笑)
「ザッツ・エンタティンメント」の中でマリオ・ランザとキャスリン・グレイスンの歌う“Be My Love”のシーンだけ『ニューオリンズの美女(日本未公開)』として日本に紹介されています(笑)(『ニューオリンズの乾杯』と訳されてる場合もあるようですが)
米盤ミュージカルDVDボックス、"Classic Musical from the Dream Factory volume 2" 収録分より視聴(英語字幕あり/リージョンオール!)。
(参照http://13374.diarynote.jp/200902271555324824/)
日本のアマゾンでは海外版VHSしかあがってきませんが。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00000F6O0?ie=UTF8&tag=boatswascot-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=B00000F6O0
舞台は100年ほど前のアメリカ南部。ペピ(ランザ)はバイユーの若いエビ漁師だが、明るく奔放な気性と抜群の美声で村のアイドル的存在(笑)。その才能をオペラの監督&プロモーターのジャック・リブドゥ(デヴィッド・ニーヴン)が認めてオペラをやらないかと誘う。ペピは最初は誘いを断るが、叔父と自分の漁船が沈没し買い換える金が要ったのと、美しいオペラ歌手シュゼット(グレイスン)に惹かれたことでニューオーリンズへと出てくる。実は彼女はジャックから求婚されていたのだが、強引で純粋なペピにも惹かれるようになり…
クラシック・ミュージカルではしばしば、筋はあってなきが如きもの(笑)
ランザとグレイスンの美声を楽しむためだけに作られていますので、そういう映画の嫌いな人はパスして下さい。
私はクラシック・ミュージカル好きとはいえ、ダンスが一番好きで、オペラはあまり興味がないので、観る前は期待していなかったのだが、聞いてみるとランザの美声はなるほど凄い。椿姫の「乾杯の歌」や蝶々夫人などオペラの有名どころに加えて、もう少しミュージカルっぽい英語の歌も何曲も歌う。とはいえさすがに踊りはできないので、漁師仲間のジェームズ・ミッチェル(「オクラホマ!」に出てたらしい)や若いリタ・モレノがダイナミックなダンス・シーンをサービスしてくれる。
面白いのはペピと叔父(J.キャロル・ナイシュ)の設定。彼らの田舎者っぷりは相当なもので、「人前に出せるよう」ジャックとシュゼットが苦労して色々と特訓を施すのだがあちこちで騒ぎを起こしまくり。だが、一年の半分をオペラ、残り半分をエビ漁師として暮らせたら理想だ、と言うペピは、本当は一番もののわかった人間なのかもしれない。
とはいえ、そんな彼に結局道を譲ってやるジャックの、オトナの気遣いもまた美しい。
カラフルな、そしてノスタルジックな風俗情景をバックに、のんびりとマリオ・ランザのテナーを楽しみましょう。何本も見たら飽きるかもだが、一度見てみてソンはない人です。日本では「歌劇王カルーソ」しか公開されていないらしいけど。
この「歌劇王…」、ドミンゴ等三大テノール全員にとって「オペラを志すキッカケになった映画」なのだそうな。そして、なんとわずか38才で夭逝したらしいというのにも驚く。
そして、二枚目だけど彼の泥臭さは鼻につく、というムキは、デヴィッド・ニーヴンのどこまでもスマートで紳士的な挙措に見とれていればよいのです。
なんというかこのニーヴン様、若すぎず老けすぎず、ルックス的にはまさに旬!なお年頃。ヒーローとヒロインの子供っぽさを埋めてあまりあるカッコよさにウットリの私なのでした(笑)
ハリウッドインタVュー〈俳優篇〉 (1978年)
2009年8月26日 読書 コメント (6)
原田真人著。
映画雑文とミニ・インタビュー集の入り混じったような本です。ハリウッドでの取材風景がまるごと放り込まれてる感じ…
しかし、取れそうで取れない、逃しっぱなしなリチャード・ウィドマーク・インタVュー。
いいんかいそんなんで!私も悔しい。
思えばはるかな昔、震災前の神戸の書店で立ち読みした本ではと思ってヤフオクで古本を落札した。調べてみてもなんだか意外なくらい、そのへんの図書館にないのだ。府下全域になく、大学図書館でも数えるほど…
まあそんなには読むところもないのだが、懐かしさに負けたよ。
(勿論私の記憶は正しかった…)
映画雑文とミニ・インタビュー集の入り混じったような本です。ハリウッドでの取材風景がまるごと放り込まれてる感じ…
しかし、取れそうで取れない、逃しっぱなしなリチャード・ウィドマーク・インタVュー。
いいんかいそんなんで!私も悔しい。
思えばはるかな昔、震災前の神戸の書店で立ち読みした本ではと思ってヤフオクで古本を落札した。調べてみてもなんだか意外なくらい、そのへんの図書館にないのだ。府下全域になく、大学図書館でも数えるほど…
まあそんなには読むところもないのだが、懐かしさに負けたよ。
(勿論私の記憶は正しかった…)
あと一日。キツい八月が終わる。
2009年8月29日 日常 コメント (2)ここんとこずーっと気にしていた仕事がひとつ、終わった。一応計画どおりの時間で終了した。秋にあと数回同じことをしないといけないが、一度できたんだから、と思うと少しは心休まらないでもない。
二時間ワクができたんだから、ほかにも類似の一時間半ワクとか一時間ワクとかあるけど多分なんとかなるだろう。
まあ、先々を考えるともっとある意味更にエライことも、この一週間で二件も勃発したから、思ったほどストレスの軽減を感じなくてまだグッタリだが、もともと繁忙期な8月も、あと1日。
31はオフタイム。日曜出勤あと一回で8月は終わりだ。ガンバレ、ワタシ。
二時間ワクができたんだから、ほかにも類似の一時間半ワクとか一時間ワクとかあるけど多分なんとかなるだろう。
まあ、先々を考えるともっとある意味更にエライことも、この一週間で二件も勃発したから、思ったほどストレスの軽減を感じなくてまだグッタリだが、もともと繁忙期な8月も、あと1日。
31はオフタイム。日曜出勤あと一回で8月は終わりだ。ガンバレ、ワタシ。
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