アラモ/ディレクターズカット版(VHS)
2009年10月10日 映画 コメント (7)
テキサスの領有をめぐり、米国とメキシコが戦った1836年。メキシコからの独立を目ざして、アラモで戦い玉砕した男たちを描くジョン・ウェインの「アラモ(1960年版)」については過去の日記(http://13374.diarynote.jp/200707232236000000/)でも取り上げた。
ただ、DVDでは(そして日本公開時も?)162分のこの映画、公開前の時点では3時間超の長さだったそうな。「DVDにないウィドマーク様のシーンがあるからVHSのほうが」という某所での意見を聞き、ついついディレクターズカット版VHSを探してしまいました(二本組202分)。
念のためDVDにもバックアップを、とか考えてダビングしながらついつい見直す私。
うーんヤッパリ「アラモ」はウィドマーク様でもってるよな、と思う私。
自分用覚えをかねて、目立つ「カット場面」を書いておくことに。
冒頭、ヒューストン将軍(リチャード・ブーン)がアラモを訪れる。砦にはトラヴィス少佐(ローレンス・ハーヴェイ)の正規軍30名たらずと、義勇兵百余人を連れてきたジム・ボウイ大佐(リチャード・ウィドマーク)が籠城しているのだが、ボウイは見当たらない。酔い潰れて寝ていたからだ。将軍はトラヴィスを大佐に昇進させ砦の指揮を預けつつ、「大酒飲みで元冒険家で地主の規律破りな民兵」なボウイへ不信を抱くトラヴィスに「信じられる男だぞ」とたしなめて去る。
将軍が去る頃、自室で寝ていたボウイは目を覚ます。「くそ、何やってんだ俺は…」で、暗転。
だが。
ディレクターズカット版(以下DC版)では…
「くそ、何を…」のあと、黒人奴隷ジェスロ(ジェスター・ヘアストン)と会話し、「あったら飲んでしまう」と自ら酒を捨てて外に出ると、トラヴィスがやってきて、大佐として自分が指揮をとることになったと告げる。ボウイの「反省」ぶりがちょっと素敵。白シャツがよくお似合い☆
さて次のカット場面。
市長が敵軍の情報を伝えに来てくれたのに、不利な情報を部下に聞かせたくないトラヴィスは冷たくあしらうが(失礼な奴だとボウイは怒る)、その後トラヴィスとディキンソン大尉(ケン・カーティス)との政治談議がある。コレは特別米国政治史に詳しくない私には意味なし(笑)
やがてデイヴィー・クロケット(ウェイン)御一行様がやってくる。すぐに仲良くなったクロケットとボウイは、軍が求める武器弾薬を悪い商人が教会に隠しているらしいと聞き、夜中に押し入りゲットする。
DVDでは「ヨシ、あったぞ!」で次の朝になるが、DC版では悪党に見つかって短いがイイ感じの格闘シーンが。
士気が落ちるからと不利な状況は部下に隠す、ごまかしてでも他人を引っ張ろうとするトラヴィスの態度がボウイは気に入らない。もうすぐ援軍が来るそうだから、とクロケットがなだめるが「トラヴィスの言葉など信じられるか」とボウイはカリカリ。
ここで、DC版のみの場面。
援軍の様子を見に行っていた伝令が戻ってきたので直接人数などを尋ね、「1000人来ます」との答を得てボウイは一応納得するが、実は前もってトラヴィスが人数を水増しして答えるよう伝令に言い含めていたのだった。ディキンソン夫妻や伝令兵自身すら苦い顔になる。なんちゅーやっちゃ。
大軍がアラモを包囲する。
DC版のみ、ディキンソンら数人が偵察に出て、敵が牛の大群を食糧として引き連れているのを目撃する場面あり(牛強奪作戦の伏線になる)。
DC版のみ、市長らが義勇兵を何人か連れてくる場面あり。手の平を返したように喜び迎え入れるトラヴィスを見て嘲笑を浮かべるボウイ。
DC版のみ、ディキンソン大尉の幼い娘リサの誕生日パーティ場面あり。無骨な男どものお祝いが微笑ましい。いいシーンなのになぜ切ったかわからない。
他にもチマチマとカットがあるのだろうが、目立つのはこのあたりですかね。多分戦闘シーンや敵の大軍描写ももっと長かったのでは。
うーん、何でディレクターズカット版DVD出てくれないのだろう。「カット集」を特典で付けるのでも許す。VHS画質は今では哀しい。
ノーカット版の方が、よりボウイ>トラヴィスになってるような気も…。
ウェインとモメて切られた説などは主張しませんが(笑)
結果的には御贔屓ウィドマーク様、十分においしい所さらってる気がします。「アラモ」というと誰もが彼の「夜がこんなに暗かったとは」場面を持ちだすし、土壇場でトラヴィスの真意を知ると、無言で真っ先に引き返してくる場面の格好よさ!
おまけに、彼とトラヴィスの決裂を防ぎたいクロケットに酔い潰された翌朝の一幕など、コミカルな演技のキレがまた素晴らしい。
ウィドマークは元々ウェインが望んでのキャスティングではなかったそうだが、この三人の個性のバランスは結果的には実に良いと思うのだがどうだろう。
史実に即したい所しか即していないのだろうが、ナニワブシな講談調のどこが悪い?
演者さえよければ、結構楽しいものです。気になるならフィクションとしてみればヨシ♪
Amazonのマーケットプレイスで買いました。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000065124?ie=UTF8&tag=boatswascot-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=B000065124
ただ、DVDでは(そして日本公開時も?)162分のこの映画、公開前の時点では3時間超の長さだったそうな。「DVDにないウィドマーク様のシーンがあるからVHSのほうが」という某所での意見を聞き、ついついディレクターズカット版VHSを探してしまいました(二本組202分)。
念のためDVDにもバックアップを、とか考えてダビングしながらついつい見直す私。
うーんヤッパリ「アラモ」はウィドマーク様でもってるよな、と思う私。
自分用覚えをかねて、目立つ「カット場面」を書いておくことに。
冒頭、ヒューストン将軍(リチャード・ブーン)がアラモを訪れる。砦にはトラヴィス少佐(ローレンス・ハーヴェイ)の正規軍30名たらずと、義勇兵百余人を連れてきたジム・ボウイ大佐(リチャード・ウィドマーク)が籠城しているのだが、ボウイは見当たらない。酔い潰れて寝ていたからだ。将軍はトラヴィスを大佐に昇進させ砦の指揮を預けつつ、「大酒飲みで元冒険家で地主の規律破りな民兵」なボウイへ不信を抱くトラヴィスに「信じられる男だぞ」とたしなめて去る。
将軍が去る頃、自室で寝ていたボウイは目を覚ます。「くそ、何やってんだ俺は…」で、暗転。
だが。
ディレクターズカット版(以下DC版)では…
「くそ、何を…」のあと、黒人奴隷ジェスロ(ジェスター・ヘアストン)と会話し、「あったら飲んでしまう」と自ら酒を捨てて外に出ると、トラヴィスがやってきて、大佐として自分が指揮をとることになったと告げる。ボウイの「反省」ぶりがちょっと素敵。白シャツがよくお似合い☆
さて次のカット場面。
市長が敵軍の情報を伝えに来てくれたのに、不利な情報を部下に聞かせたくないトラヴィスは冷たくあしらうが(失礼な奴だとボウイは怒る)、その後トラヴィスとディキンソン大尉(ケン・カーティス)との政治談議がある。コレは特別米国政治史に詳しくない私には意味なし(笑)
やがてデイヴィー・クロケット(ウェイン)御一行様がやってくる。すぐに仲良くなったクロケットとボウイは、軍が求める武器弾薬を悪い商人が教会に隠しているらしいと聞き、夜中に押し入りゲットする。
DVDでは「ヨシ、あったぞ!」で次の朝になるが、DC版では悪党に見つかって短いがイイ感じの格闘シーンが。
士気が落ちるからと不利な状況は部下に隠す、ごまかしてでも他人を引っ張ろうとするトラヴィスの態度がボウイは気に入らない。もうすぐ援軍が来るそうだから、とクロケットがなだめるが「トラヴィスの言葉など信じられるか」とボウイはカリカリ。
ここで、DC版のみの場面。
援軍の様子を見に行っていた伝令が戻ってきたので直接人数などを尋ね、「1000人来ます」との答を得てボウイは一応納得するが、実は前もってトラヴィスが人数を水増しして答えるよう伝令に言い含めていたのだった。ディキンソン夫妻や伝令兵自身すら苦い顔になる。なんちゅーやっちゃ。
大軍がアラモを包囲する。
DC版のみ、ディキンソンら数人が偵察に出て、敵が牛の大群を食糧として引き連れているのを目撃する場面あり(牛強奪作戦の伏線になる)。
DC版のみ、市長らが義勇兵を何人か連れてくる場面あり。手の平を返したように喜び迎え入れるトラヴィスを見て嘲笑を浮かべるボウイ。
DC版のみ、ディキンソン大尉の幼い娘リサの誕生日パーティ場面あり。無骨な男どものお祝いが微笑ましい。いいシーンなのになぜ切ったかわからない。
他にもチマチマとカットがあるのだろうが、目立つのはこのあたりですかね。多分戦闘シーンや敵の大軍描写ももっと長かったのでは。
うーん、何でディレクターズカット版DVD出てくれないのだろう。「カット集」を特典で付けるのでも許す。VHS画質は今では哀しい。
ノーカット版の方が、よりボウイ>トラヴィスになってるような気も…。
ウェインとモメて切られた説などは主張しませんが(笑)
結果的には御贔屓ウィドマーク様、十分においしい所さらってる気がします。「アラモ」というと誰もが彼の「夜がこんなに暗かったとは」場面を持ちだすし、土壇場でトラヴィスの真意を知ると、無言で真っ先に引き返してくる場面の格好よさ!
おまけに、彼とトラヴィスの決裂を防ぎたいクロケットに酔い潰された翌朝の一幕など、コミカルな演技のキレがまた素晴らしい。
ウィドマークは元々ウェインが望んでのキャスティングではなかったそうだが、この三人の個性のバランスは結果的には実に良いと思うのだがどうだろう。
史実に即したい所しか即していないのだろうが、ナニワブシな講談調のどこが悪い?
演者さえよければ、結構楽しいものです。気になるならフィクションとしてみればヨシ♪
Amazonのマーケットプレイスで買いました。
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