犯人は誰だ

2013年1月25日 映画
犯人は誰だ
犯人は誰だ
犯人は誰だ
1939年、サム・ウッド監督作品。モノクロ。

原題が“Raffles”。E・W・ホーナングの書いた、紳士泥棒ラッフルズの冒険譚は、噂は聞いているものの実際に読んだことはない(“セイント”と違って)。が、何度も映画化・TV化されている本国では有名なネタであるし、ラッフルズを演じるのが若き日のデヴィッド・ニーヴンとあっては、これを見ずにはおらりょうか!
ただしコレ、日本じゃDVD化されてない(海外でもあまり見掛けない)。そこで、レアな日本版VHSをオークションで落札してしまった!
DVD時代に見るとかなり悲しい画質だが、元々かなり古い映画だし仕方がない…

クリケットの名選手として知られたチャーミングな紳士ラッフルズ(ニーヴン)は、趣味と実益を兼ねた宝石泥棒でもある。義賊的行為を楽しむこともあれば、経済的必要に応じる場合も…だが、旧友の妹グウェン(オリヴィア・デ・ハヴィランド)との結婚を考えるようになった彼は、泥棒稼業から足を洗う決心をした。ところが、グウェンの兄バリー(ダグラス・ウォルトン)を助けるため、ラッフルズは「あと一度だけ」と、メルローズ卿夫人(デイム・メイ・ウィッティ)の首飾りを盗む計画をたてる。しかし卿の屋敷では、有能なマッケンジー警部(ダドリー・ディッグス)が目を光らせていた…

長さはわずか72分だが、ロマンティックでノスタルジックな雰囲気にあふれた、サスペンス・コメディの佳品。ニーヴンはあくまでもスマート、ただしまだかなり若くて可愛らしい(クリケット場面の躍動するほっそりした肢体にはウットリ(笑))。デ・ハヴィランドもあくまでも可愛く女らしい。兄役のウォルトンまでかなりスマートに上流階級の魅力的なダメ青年を演じている。デイム・メイ・ウィッティらお貴族サマたちの存在感や、海千山千の警部ら脇を固めるメンツも手堅く、ああ、こんな映画はもう出来まいなあ…絶滅してるよなあこんな人たち。

アステアの自伝だったか、近所に住んでた売れる前のニーヴンと出会って一緒にテニスを楽しんだりするくだりがあるが、「こんなチャーミングな青年がいつまでも売れないわけがない」と出会った時から確信していたらしい。俳優としてのニーヴンの旬は50年代で完全にオジサマ化してからだと思うが、それでも若い頃の彼の、邪気のない可愛らしさにはまた格別の味があります(*^^*)

警部や他の泥棒との駆け引きの描写も、古めかしいながらも面白く目が離せない。終盤のまとめかたにちょっと疑問が残るのが惜しいが、ヴィクター・ヤングの甘いワルツにのせて、いーい感じで“古き良き英国”を楽しませてくれた、気持ちの良い小品でした。
気分がいいのでオマケして★4.
ノスタルジック英国趣味所持者以外の人は、あまり期待しすぎないように…

落札して良かった~
(VHSデッキを修繕に出したり色々あって、落札してからかなり時間がたってましたが…)

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