高瀬彼方原案、黒鉄アクセル著。

カレイドアーツ。少女たちがパートナー“彼士(かれし)”の能力(美形度・頭脳・運動能力その他)と二人の心の絆から引き出す、魔法の如き技で戦う格闘競技。カレイドアーツの名門校に入学したヒロインの運命は…

ははは、彼氏じゃなくて彼士なんですと。

えーかげんな設定ですが、スポ根です。なにせ高瀬さんですから、熱さは期待どおり。こんな設定にもかかわらず?、ついつい息をのんで一気読み。
お調子者ヒロインのズッコケ会話もいいです(笑)
なんで続き出ないのかなあ…いや、出ないのムリないのかもしれないけど、好きだなあ高瀬さん。
驚愕。
海外からまたまた到着、DVD。
疲れた一週間でぐったりと爆睡していたが、こういう内容で郵便屋さんに起こされるのは、めでたいといってもいいか。

例によって日本未公開のドナルド・オコナー作品を、今度はeBayで買ってみた。
44年の"Chip off the Old Block"。商品ページの写真はコレだけだけど説明の中にオマケつき二枚組、とか、50年の"The Milkman"もペアだ、とか書いてあった(多分)。おお、"The Milkman"も日本未公開オコナー作品ではないか。これもそのうち、と思ってた作品。オトクだ。…と、click!

届いたのは二ケース。ところが、開いてみると、それぞれに、無印なDVD-Rがもう一枚ずつ同封されている?なんだろ?DVDカタログか?とこれもドライブに入れてみると、一枚目。ン、モノクロ映画?
…最初に巻き戻してタイトルを確認すると、

"A Tree Grows in the Brooklyn"。へ…「ブルックリン横丁」?カザンの?

二枚目はタイトル見てもすぐわからなかった。主演ジーン・ティアニー、共演ヴィンセント・プライスとウォルター・ピジョンはともかく…私ティアニーには特に詳しくはないんで。
"Dragonwyck"。…ぐぐってみると、「呪われた城」。ほほおお…


…二作品にそれぞれオマケつきって意味だったんだろうか…
オマケの方がどう考えてもメジャーな映画な気もするが(笑)
とはいえ、「ブルックリン横丁」は日本盤のDVDもVHSもあるはずだから、やっぱそっちで先に一度みておこうかな(未見だったので)。字幕なしは愛と根性と時間が要ります。
「呪われた城」は難しいかなー…キャスト的にはともかく、ネタ的にはゴシック・ロマンスぽいので嫌いじゃないジャンル。そのうちヒマができたら頑張ります(笑)

とりあえずオコナー作品を頑張ったあとで♪
しっかし、画質はともかく、送料込約14ドルで四作品て凄いな…(画質イマイチは想定内)

実はもう一件、CDですが魔がさして同じ日に買ったブツがある。いつ来るかな~♪
畠中恵著。

最近姉妹編だか続編だかが出たようなので読んでみた。
が、ちょっと中途半端かなあ。お江戸の病弱おぼっちゃまが主役の「しゃぱけ」シリーズは好きだが、この著者独特の"かわいらしさ"が御一新後の明治の青年たちとか成り金事業家では…なんだか…
全然面白くないわけではないが、時々違和感がきざしてちょっと残念な出来でした。
1952年、ハワード・ホークス監督作品。モノクロ。

バーナビー・フルトン博士(ケイリー・グラント)は老化に効く薬を開発中。思う程の効果がなかなか得られず苦闘するうち、ある日檻を逃げ出した実験動物のチンパンジーが薬品に悪戯したところ、偶然に激烈な効果を持つ薬ができてしまった。
誤ってこの薬品を飲んだバーナビーと愛妻エドウィナ(ジンジャー・ロジャース)は、すっかりココロが若返ってしまって騒動を起こす(視力等も回復するが、精神的なモノが大きい薬のようです)。夫婦間の潜在的?危機や、製薬会社の老社長(チャールズ・コバーン)の思惑がからんでドタバタは雪だるま式にふくれあがり…

…って、それだけといえばそれだけのオハナシでした(笑)
しょっぱなからビン底メガネでぼうっとして、いつになく冴えない風情のグラント。さすがに少しトウがたってきたかな、のロジャース。それが怪しい薬の効果で20代、10代、それ以下?の行状を繰り広げるハイテンション・コメディ。二人とも上手いんですが、本筋にあとひと息締まりがないので、一番得をしたのは、小さい役だが社長秘書役のマリリン・モンローかも。見るからにオツムの足りなそうな、観賞用秘書として場を和ませます。なんにもしてないんだけど(笑)
隣家から迷いこんできた赤ん坊を見て、「夫がココロだけでなくカラダまで若返ってしまった!」と妻が誤解するくだりはブットビ感があって一瞬期待したのですが、結局、だらだらと終わってしまったかなあ…ちょっと残念。

私ってホークス・コメディとの相性イマイチなのかしら。「赤い河」や「リオ・ブラボー」は好きなんだけど…

あと、どうでもいいけど序盤、パーティに出る準備をしていた所が急に家で夫婦のんびりする事になっちゃって、急遽エプロンドレスを付けた妻が真後ろから見るとお尻丸出しに近い格好になってたのに気づいて慌てて来客の目からお尻を隠そうとするグラントの小芝居は良かった。「赤ちゃん教育」でもグラントが、キャサリン・ヘップバーンの裂けたドレスのお尻を隠してやろうと奮闘する場面があったのを思い出す。
ああ、あの続きを見たいなあ…この映画は、だいぶ昔に、VHSで録画したけどミスで最後まで入っていなかったので諦めたまま見そびれている。次何かネットレンタルする時は、「赤ちゃん教育」も一緒に借りようっと。
斎藤 純著。

昭和9年の日本縦断自転車レースを描く、スポーツ冒険小説。
主催者もスポンサーもさまざまな参加者たちも、片っ端からウラだの過去だの謎だのを抱えて参加する。群像冒険小説とでもいいますか。少しずつ少しずつ明かされる各人の背景が楽しいです☆

とりあえず前半読んだ限りではおおいに満足。
素敵なエンディングが待っていますように…
やー、面白かった。一気に読んじゃいました。
伏線がどんどん畳まれていく中には、あと一行くらい補足しといてよ、というのもありましたが、レース最後の日の急転直下ぶりは、ごちゃごちゃしているけれども同時にしっくり来ましたね。大きな何かが終わる時ってこんなものかもしれません。

心を熱くした戦いを、淡々とした文章で締めくくった着地もよかった。
グッジョブ!

Bring Back Birdie

2010年12月9日 映画
Bring Back Birdie
Bring Back Birdie
Bring Back Birdie
「バイ・バイ・バーディ」。プレスリーの入隊騒動をネタにした、多分そこそこ知られたミュージカル…なのではないかしら。しかし、約20年後の80年代初め、続編「Bring Back Birdie」がブロードウェイにかかったことがあるというのは知られてないかも。コケてすぐ終わったらしいし。

が、意外にも、舞台オリジナル・キャストのCDが出ているのを発見し…、つい魔が差して、米Amazonマーケットプレイスでポチリ。
正編見たことないんですけどねー(^^;)
だって本当はそんなに興味があるわけでもないから…(プレスリーも興味ないし)。

私の興味はひとえに、この続編「Bring Back Birdie」にドナルド・オコナーが主演してたってことにあり(笑)
80年代だからもう60近いはずなんですが、まあまだそこそこ歌えるんじゃなかろうかと…ダンスだけでなく歌も好きなのに、この人のCDってなっかなか無いですから。
実は先月、「Christmas with Donald and Debby」という絶版CDがマーケットプレイスに出てきたので買おうとしたらすぐ「スイマセン、品切れになりました」と返事が返って来て、悔しくて色々調べていて見つけたのがこの「Bring Back Birdie」でした。

ちなみにこのDebbyはデビー・レイノルズ。オコナーとデビー・レイノルズのクリスマスソングCD!このCDも60才くらいいってる筈だけど(二人とも)、Amazonで「試聴」すると結構よさげだったのでずっと狙っていたのですが、やっぱり絶版ゲットはむちゅかしい…

「Bring Back Birdie」のヒロインはブロードウェイの大物女優チタ・リベラ(Chita Rivera)。かなり迫力のあるノドを聞かせてくれます。オコナーも数曲歌っていますが、「Middle Age Blues」(笑)とか最後のしっとりした「Rosie」(これは「バイ・バイ・バーディー」にもあった曲)はかなりイイ☆と思いましたが、曲との相性が「微妙かな?」というモノも。ただ、微妙な歌の途中でタップの音が入るのを聞くと、映像で見せてもらわないと真の価値はわかんないよー、と、ますます微妙な気分になって嬉しいような哀しいようなでちょいフクザツ。
…とか何とか言いながら、iPodに入れて繰り返し聞いているのですが。

「バイ・バイ・バーディー」のラストで結ばれたアルバート(バーディーのマネージャー)と恋人ロージーの20年後の話で、行方不明のバーディーを探せ!となるのですが、中年バーディ役のMarcel Forestieriのプレスリーもどきな歌いっぷりが、また意外に楽しい出来。聞いてるとむしょうに笑いがこみ上げてきます。

「バイ・バイ・バーディー」マニアの人(いるのか?)なら、興味がわくのかな?
歌詞カードがないのが残念ですが、ストーリーについては、CDに割と詳細な解説がついていました。

http://www.amazon.com/gp/product/B0000014TO
あとちょっと?
あとちょっと?
目がしょぼしょぼするよ…
一月二月三月の予定たてないといけないし、鬼を笑わせつつ頑張ってます。
何この年末進行。

お休みまでは、あとちょっと。明日働いたら、お休みだー…

でも、待ちきれないから30分だけ「Chip off the Old Block」を見る。

ああ、可愛いわ、どうしましょ…
セリフはあんまり聞き取れないが、10代のドナルド・オコナー…可愛すぎる~…

…限界に来てんな私…

グラウンドの空

2010年12月11日 読書
あさのあつこ著。

性急で一本気なキャッチャー瑞希。繊細で不器用で、心の傷のため野球に背を向けようとしたピッチャー、透哉。
「バッテリー」と逆ベクトルなピッチャーを据えてみた、中学生の野球小説。
でも、ちょっとボリューム的にものたりなかったかな。透哉が心を開いてからすぐエンディングが来てしまうし(瑞希のピンチはどうクリアしたんだー?)、少し唐突。
期待して、わくわく読んだけど、もう一息。
Chip Off the Old Block
Chip Off the Old Block
Chip Off the Old Block
1944年、チャールズ・ラモント監督作品。モノクロ。

またまたeBayでゲットした日本未公開のドナルド・オコナー主演B級ミュージカル。
画像は凄く悪いが、大粒の雨(雹)が時には降っても、とりあえず完全に見えない場面はないので想定内(涙)。古いしレアだし。あーーー、ユニヴァーサル、正規盤出してくれないかな。くれないんだろうな。フランシス・ボックスの後半も出てないし…
英語字幕もないので、TCMのシノプシスなどを見ながら強引に視聴。時にはimdb以上に役立つ時もあるTCMであった。
http://www.tcm.com/tcmdb/title.jsp?stid=70866

ちなみに"Chip Off the Old Block" とは、「親(特に父親)にそっくり」の意とのこと。

海軍一家の出で士官候補生のドナルド・コリガン(オコナー)は、学校内でショウを製作・主演し大受けするが、ヤンチャがすぎて(先生をネタにしたギャグを入れたり校長名で勝手に偉いさんを招待してみたり)停学になる。とはいえあまり深刻なものではないようで、一度帰省し、父親にカツ入れられてこいという程度?校長先生ニコニコしてるし(^^;)
長距離列車の中でドナルドは、女優一家の孫娘グロリア(アン・ブライス)と出会う。二人はいい感じになりデートを約束するが、駅で待ち構えていたドナルドのガールフレンド・ペギー(ペギー・ライアン)のベタベタぶりを見て、グロリアは気を悪くして去ってしまう。
ドナルドは自分が愛しているのはグロリアであること、しかしペギーが舞台のオーディションを受けることには引き続きパートナーとして協力する、とペギーを説得する(割と簡単に片付くあたり、"幼馴染""ダンス・パートナー"程度の関係だったらしい)。また、奇遇にも昔グロリアの母親はドナルドの父親に、祖母はドナルドの祖父に振られたという因縁があり、グロリアの家族も色々と邪魔をしてくるが、ドナルドの再アタックが実り、二人は結局幸せな恋人同士に。

前半はまあよいとして、終盤に「ドイツのスパイを見つけた!」と誤解したドナルドとペギーがドタバタする脇筋は、むしろ邪魔なだけかなあ(笑えるギャグはあるけど…)。後半は話がごちゃごちゃしてイマイチな感じである。B級たるゆえんか。
それとも私のヒアリングが不足すぎるのか(多分両方)。

とはいえミュージカル・シーンもいろいろある。あまりお金かかってなさそうだけど(笑)
学校内で上演するレビュウとかオーディションとかだから。

映画のオープニングは士官学校内のショウ"Sailor Song"、セーラー服をわざと逆向けに着たオコナーがコミカルに踊る。ホーンパイプダンス調の曲が個人的に嬉しい。
"It’s Mighty Nice to Have Met You"。アン・プライスと列車の展望デッキに出て、ウクレレを弾きながら二人でデュエット。オコナーの綺麗な高音大好き、いい感じです。この曲絶対どこか他でも聞いたと思うんだけど、思い出せないよ…
"My Song"。 何だかだ言ってもドナルドに惹かれているブライスのソロ。アン・ブライスも最初はディアナ・ダービン予備軍だったのかなって感じ。
"Is It Good or Is It Bad?"と"Gotta Give My Feet a Break" はペギーとドナルドがオーディション用に唄い踊るナンバー。思いっ切りコミカルな前者はYouTubeにもあります。
http://www.youtube.com/watch?v=M2SB27ULfdw

後者はちょっと背伸びして、カジュアルな服装が途中から燕尾服とドレスに変わり、アステア&ロジャース調(笑)。さすがにまだ16~7のふたり、特にまだ発展途上の感のあるオコナーにアステア&ロジャースの優雅美麗を求めるのは酷でしょうが、多分一番気合いの入ったナンバーかも?「一生懸命やってるなー」ってつい上から目線になっちゃいますが、このカップルは姿がスッキリスマートでこういう路線もそれなりにはイケてる。

ライアンも、ボールルームダンスよりは細くて長い手足をぶんぶん振り回してのコミカルでスピーディなダンスが本領だと思います。垂れ目でファニー・フェイス気味なため、ブライスやグロリア・ジーンなどの「美少女ソプラノ」が出てくると必ず、パートナーの筈のオコナーをそっちに持ってかれてしまうようで気の毒ですが、いつもカラっとしていて好感度の高い少女ダンサーですね。踊りだけでなく、オコナーと組んでカマしてくれるギャグシーンも上手い。あー、ユニヴァーサル、どうして正規盤で(以下略)

あ、あと、グロリアの家の執事役に、以前ジーヴズ役を演じていたアーサー・トリーチャーが出ていて何だか嬉しかった。

オハナシは明らかに"B級"というか、いい加減感がありますが、なんてったってまだ少年期のオコナーが可愛いすぎる!
(http://13374.diarynote.jp/201012102329063578/でも叫んでいましたが(笑))
とりあえず、またこの年代の映画を買いたくなってしまいました。…今度もまたいい加減な話なんだろうけどなあ。
まあ、少なくとも歌はこの時期からとても素敵だし、ソレだけでも損はなかろう!


<追記>
思いだしました!
"It’s Mighty Nice to Have Met You"、1952年放映のTV番組"Colgate Comedy Hour"のエンディングで、オコナーが小さな娘さんを抱きよせるようにしつつ歌っていた曲でした(この番組には最初の奥さんもちょっと出てました。家族総動員?)。
http://www.archive.org/details/1950sVarietySeriescolgateComedyHouraired231952で視聴可。
ディーン・クーンツ著。

痛い、痛いよ~!
(謎の殺人者に主人公がケガをさせられるシーンが…)

そして、なんかクーンツにしては、文章が違和感があります。いや、訳本なのでクーンツのせいじゃないかもしれない。なんとなく超訳ぽいのは気のせいか?むむむむむ…
奇妙な殺人予告を送りつけ、「犠牲者を選ばせる」凶悪極まりないゲームを主人公に強いる殺人者。久々にダーク感の強い展開と、受け身で慎重な主人公の過去がなかなか十分に明かされないじりじり感で、ハードな読み心地。そのくせちょっと突き放した感じの描写。何にしろ、ちょっと「珍しい」感触のクーンツだ。
まあとりあえず、下巻に向ってGO…
第二回、もうとっくに決まっていたんですね。
(たけだ様、お知らせくださりありがとうございます)

http://asa10.eiga.com/2011/

選定内容はさておいても、一年目の作品をもう一年やり続けるのに加えて、あと50作品追加でやる(そのぶん?上映館も増やす)、というのは評価できると思います。

「雨に唄えば」と「ショウほど素敵な商売はない」、もう一回行こうっと(爆)
新年度の作品で、絶対行く!のは「バンド・ワゴン」くらいですが…
やっと!!!やっと!!!アステア様の登場です。(^-^)v

二年目でふーんという印象は、定番西部劇が入ってきたことと、しかし相変わらずジョン・フォードが一本もないなあということ。30~50年代までの作品は更に減ったなぁということ。
クラシック映画だとやっぱりヒチコックとワイルダーばかり強いこと(「サンセット大通り」は行こうかな…)。

三年目はどうなるのでしょう(気が早い…)。まあ、数打ちゃ当たる、あと50本増えたら、またあと1本か2本は「死んでも行く!」映画が入ってくるかもしれません(^^;)
期待しすぎず、温かい目でみまもることとしましょう。

げ、下巻も、痛いよ~(涙)

進めば進むほど地獄巡りの道程へと突き落とされる主人公。それをかなり淡々と描いていて、クーンツにしてもかなり「奇妙な味」が強い。

主人公も、かなり暗い過去(下巻で明かされる)のため根っこで歪んでいるような。
ある意味バカバカしいような手段で強引に恐るべき敵に対抗してゆく主人公だが(何はともあれ証拠隠滅さえ徹底的ならって、どうよ…)、T.S.エリオットの美しい引用や、意外な静謐さをたたえたラストで、とりあえずホッとするような救われるような…
「オッド・トーマス」に案外近かった気がしてきました。
しかし、評価に迷う作品。上巻の終わりがけからこっちは息をのんで一気に読んではしまいましたが…(^^;)

そういやトーマスの二作目を読みそびれているなあ…
予約しようかなあ。
1964年、ビリー・ワイルダー監督作品。モノクロ。

コーナンで何故か1000円で売られていたのでつい買っちゃった。ワイルダー作品の中ではそれほど人気ないのかもしれませんが、昔一度見て結構好き、と思った艶笑コメディでした。

ネヴァダの田舎町"クライマックス"のピアノ教師オービル・J・スプーナー(ウォルストン)とガソリンスタンドの店主バーニー(クリフ・オズモンド)は作詞作曲コンビ、但しまだ一曲たりとも売れたことはない。ところがある日、偶然人気歌手のディノ(マーティン)が車でこの町を通りかかる。バーニーは車に細工をして引き留め、オービルが夜、ピアノで二人の曲を聴かせて売り込む…という作戦をたてる。
ところが愛妻ゼルダ(フェリシア・ファー)に夢中…を通り越して超嫉妬深いオービルは、これまた超女好きのディノをもてなすのに、妻を同席させたくない。ディノが口説き始めるのが目に見えているからだ。結局バーニーの入れ知恵で妻にケンカを売ってを実家に帰し、セクシーな酒場女のポリー(ノヴァク)を妻の代役に雇うことにする。これで、心行くまで手を出してもらってOK!という算段だったが…

売り込みのため、ディノのご機嫌をとるためなら妻をも差し出す(本当は妻ではないのだが)、という結構酷い話であるが(ネタ的には「アパートの鍵貸します」にも通じてると思う)、幸せな家庭に憧れるむしろ"普通の女"、常識的で穏健な性格だったポリーが、遊び人なディノより家庭人の香りの濃いオービルに好感を抱いてしまうために男たちの計画は狂ってしまう。ポン引き同様の情けないオービルにもポリーの心は伝わり、いつしかポリーを餌として「差し出す」事が我慢ならなくなる。
嫉妬癖のエスカレート、と笑うのは簡単だが、それだけではないだろう。人としての尊厳や誇りの回復。おずおずと手を取り合うオービルとポリーの姿には、それってダメ(不倫)なんだけど、ほろりとさせられる。
ただし、叩きだされたディノはというと、偶然の導き?で、なんと本物のゼルダと巡りあってしまっていた…!

根っこのところは誠実な男だから、ポリーの心を(そのつもりもないのに)捕まえてしまうオービル。だが、それ以前に「妻を信じられなかった」ことが既にしっぺ返しを呼んでいたのだ。色と慾とのどんちゃん騒ぎのあとには、歪んだ予定調和、ほろ苦いハッピーエンド…。この帳尻の合い加減が何ともいえない。

お色気と哀感を織り交ぜて魅せるキム・ノヴァクが素晴らしい。「アパート」のマクレーンより私は好きだ。本人をパロったような歌手役を能天気に演じきるディーン・マーティンも楽しいし、妄想狂気味の作曲家レイ・ウォルストンも可笑しいし…作曲家は初めピーター・セラーズの予定だったというが、かわってよかったんじゃないか。ちょっとフケたがフェリシア・ファーも好演。

誰にでもオススメ、とも言えない、うまく解説できない…が、やっぱり結構好きだなあ☆
トム・マクナブ著。

『銀輪の覇者』の解説でふれられていたので手を出しました。こちらは自転車じゃなく徒歩競争で、西海岸から東海岸へ5000キロの全米横断長距離レース。時代も30年代初めだし、群像劇なところもたしかに共通するところがあるなあ。
ゆるゆると読み始めましたがいいかんじ。先が楽しみだ♪
悪党谷の二人
1969年、バート・ケネディ監督作品。スカパー録画の鑑賞。

西部の町プログレス。"進歩"という町の名同様、もはやガンマンと娼館と馬車はすたれはじめている時代(町をフツーに車が通る)。
勤続20年の腕っこき保安官フラッグ(ロバート・ミッチャム)もまた、もはや時代遅れとみなされて、「銀行に届く金を狙って強盗団が来るらしい」という情報を得て市長(マーティン・バルサム)に自警団の組織を要請したらば、今時そんなことも起こるまいとお気楽な市長に、"表彰"と称して体よく引退させられてしまった。
それでも、宿敵マッケイ(ジョージ・ケネディ)がいる強盗団らしいと一人探りに山へ入ったフラッグが見たものは、同じように若い連中(デビッド・キャラダインら)になめられまくっているマッケイの姿だった。悪党なりの仁義も何もない若者たちに愛想をつかした彼は、やがてフラッグと手を組んで列車強盗阻止に協力することに…

昔TVで見て以来の久々だが、最近「夕陽に立つ保安官」「地平線から来た男」の二作を見てから再見すると、やっぱりちょっと元気が足りないかな。
"老人を若者たちが笑い物にする~"とかなんとか、えらくガックリな歌とともに始まる。が、今時の若いものは、イマドキの西部は、との愚痴っぽコメディ西部劇は監督の得意分野だし、次第に老人タッグの頼もしさがここちよくなってくる。バルサム市長の臆面もないまでのたくましさも笑える(市長が手を出す人妻、「拳銃の罠」のティナ・ルイーズだった)。

ミッチャム&ケネディの共演もなかなか楽しい。特に、まだそんなには太ってないケネディが可愛い!
強盗団の機先を制するために走行中のSLに飛び乗ろうとしたところ、えらく元気のいい老車掌コンビ(一人はジョン・キャラダイン!)に、逆に強盗と間違われて苦労するあたりもいいな。
機関車大追跡で、やたら馬車を壊すのはやりすぎな気がするが…

…しかし、後年の"Once upon a Texas Train"(1988年。よって強盗団退治に駆り出される元テキサスレンジャー・ウィドマーク様70代)と比べると、トシだトシだって言ったってまだまだ知れてるじゃーん、と思ったりもする私だった(笑)
ミッチャムまだ50代前半、ケネディなんか何とまだ40代(ちょっと老けメイク)なんだもん。

秘密

2010年12月20日 映画
家族がTVをつけたら、東野圭吾原作の「秘密」の終盤だった。

公園で妙な会話(設定的にそうなる)をかわす、小林薫とヒロスエ。
あ、「秘密」か、と私。
どーゆー話なんだ、夫がと聞く。
ヤな話なんだよと私。原作読んだけど、ちょっとあのラストはなー。ダンナが気の毒すぎるんだもん。
東野圭吾、大の売れっ子だしガリレオなんかは私も面白いと思うけど…

次男まで、オレもネタバレ気にしないから話せば、というので、イヤイヤ「妻と娘がバス事故にあって、娘のほうだけ助かって目が覚めた、と思ったら…」。でも、話の終盤のこの公園では、妻(の魂)が「自分そろそろ成仏?できそう」って話しているんだよ、と。
そしてヤメロというのに、…画面はすぐに結婚式で。そして、原作とは違うパターンで真実がバレちゃう。意外にパッと我が夫も即時に状況を理解して、
「うわ、ヤな話だ~!!!」(チャンネル替える)

でしょでしょ!と、何故か勝ち誇る私。いや、この話で泣く人も多いらしいんだけど、それよりもなんかヤな気分になって仕方がないのよ~(すいませんお好きなかた)。
でも、ばっちり共感が得られてよかった。

意外にも夫婦の絆?を確かめあえた「秘密」でした(笑)
Imdbの謎。
Imdb。The Internet Movie Database。
英語のサイトだけど日本映画の情報まで(ある程度は)載ってるし、ここの詳しさといったら実にお役立ち。コメントの蓄積も内容を知るのに便利だし、Wikipediaみたいにいろんな人の手でデータが豊富化されていってるらしい(システム自体はあまり知らない)。

なのに。
最近ムカつく現象がある。きっと誰かアホな日本人の手によるものなのだと思うが、アメリカ映画なのに無意味にタイトル部分が日本語(ローマ字)に変えられているものが、最近たまに目に入る。

やめれー!
見にくいから。日本語分からないひとにはもっと不便だろうし。

たとえば「雨に唄えば」。"Singin’ in the Rain"を「Ame ni Uta eba」に変えた奴は誰よ。

http://www.imdb.com/title/tt0045152/

あるいは「Oriento kyûkô satsujin jiken」とか。

http://www.imdb.com/title/tt0071877/

誰かこのバカにアク禁かませてやって~(-"-;)


<追記>
その後、個人のイタズラでなくサイト側の小さな親切大きなお世話(国ごとに対応してあげましょうとの)だったと教えていただきました(コメント欄参照。回避策も)。
やれやれ。言語のカベは思いもよらないかたちでやってくるのね。
われわれ、ローマ字は普段使いしていないんですけどねえ(^^;)
ようやく読了。いやー良かった。
途中ギャンブルだらけでどうなるかと思った(思いつつやめられなかった)が、さわやかにエンディング。いいなあ、スポーツ小説って。
自分は汗ひとつかかずしてこの感動とこの手頃なお疲れ感…
ふぅ(*^^*)
もはやクリスマス映画を見る体力が残っていない…
少し残業してたし、それに、今年見ようかなーと思っていた(再見だけど)「素晴らしき哉人生」が次年度の午前十時の映画祭でやるらしいからスクリーンで見てみるほうがいいかな、なんて気にもなったし。

…しかし…
明日見るのもありかしら。

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