1964年、ビリー・ワイルダー監督作品。モノクロ。
コーナンで何故か1000円で売られていたのでつい買っちゃった。ワイルダー作品の中ではそれほど人気ないのかもしれませんが、昔一度見て結構好き、と思った艶笑コメディでした。
ネヴァダの田舎町"クライマックス"のピアノ教師オービル・J・スプーナー(ウォルストン)とガソリンスタンドの店主バーニー(クリフ・オズモンド)は作詞作曲コンビ、但しまだ一曲たりとも売れたことはない。ところがある日、偶然人気歌手のディノ(マーティン)が車でこの町を通りかかる。バーニーは車に細工をして引き留め、オービルが夜、ピアノで二人の曲を聴かせて売り込む…という作戦をたてる。
ところが愛妻ゼルダ(フェリシア・ファー)に夢中…を通り越して超嫉妬深いオービルは、これまた超女好きのディノをもてなすのに、妻を同席させたくない。ディノが口説き始めるのが目に見えているからだ。結局バーニーの入れ知恵で妻にケンカを売ってを実家に帰し、セクシーな酒場女のポリー(ノヴァク)を妻の代役に雇うことにする。これで、心行くまで手を出してもらってOK!という算段だったが…
売り込みのため、ディノのご機嫌をとるためなら妻をも差し出す(本当は妻ではないのだが)、という結構酷い話であるが(ネタ的には「アパートの鍵貸します」にも通じてると思う)、幸せな家庭に憧れるむしろ"普通の女"、常識的で穏健な性格だったポリーが、遊び人なディノより家庭人の香りの濃いオービルに好感を抱いてしまうために男たちの計画は狂ってしまう。ポン引き同様の情けないオービルにもポリーの心は伝わり、いつしかポリーを餌として「差し出す」事が我慢ならなくなる。
嫉妬癖のエスカレート、と笑うのは簡単だが、それだけではないだろう。人としての尊厳や誇りの回復。おずおずと手を取り合うオービルとポリーの姿には、それってダメ(不倫)なんだけど、ほろりとさせられる。
ただし、叩きだされたディノはというと、偶然の導き?で、なんと本物のゼルダと巡りあってしまっていた…!
根っこのところは誠実な男だから、ポリーの心を(そのつもりもないのに)捕まえてしまうオービル。だが、それ以前に「妻を信じられなかった」ことが既にしっぺ返しを呼んでいたのだ。色と慾とのどんちゃん騒ぎのあとには、歪んだ予定調和、ほろ苦いハッピーエンド…。この帳尻の合い加減が何ともいえない。
お色気と哀感を織り交ぜて魅せるキム・ノヴァクが素晴らしい。「アパート」のマクレーンより私は好きだ。本人をパロったような歌手役を能天気に演じきるディーン・マーティンも楽しいし、妄想狂気味の作曲家レイ・ウォルストンも可笑しいし…作曲家は初めピーター・セラーズの予定だったというが、かわってよかったんじゃないか。ちょっとフケたがフェリシア・ファーも好演。
誰にでもオススメ、とも言えない、うまく解説できない…が、やっぱり結構好きだなあ☆
コーナンで何故か1000円で売られていたのでつい買っちゃった。ワイルダー作品の中ではそれほど人気ないのかもしれませんが、昔一度見て結構好き、と思った艶笑コメディでした。
ネヴァダの田舎町"クライマックス"のピアノ教師オービル・J・スプーナー(ウォルストン)とガソリンスタンドの店主バーニー(クリフ・オズモンド)は作詞作曲コンビ、但しまだ一曲たりとも売れたことはない。ところがある日、偶然人気歌手のディノ(マーティン)が車でこの町を通りかかる。バーニーは車に細工をして引き留め、オービルが夜、ピアノで二人の曲を聴かせて売り込む…という作戦をたてる。
ところが愛妻ゼルダ(フェリシア・ファー)に夢中…を通り越して超嫉妬深いオービルは、これまた超女好きのディノをもてなすのに、妻を同席させたくない。ディノが口説き始めるのが目に見えているからだ。結局バーニーの入れ知恵で妻にケンカを売ってを実家に帰し、セクシーな酒場女のポリー(ノヴァク)を妻の代役に雇うことにする。これで、心行くまで手を出してもらってOK!という算段だったが…
売り込みのため、ディノのご機嫌をとるためなら妻をも差し出す(本当は妻ではないのだが)、という結構酷い話であるが(ネタ的には「アパートの鍵貸します」にも通じてると思う)、幸せな家庭に憧れるむしろ"普通の女"、常識的で穏健な性格だったポリーが、遊び人なディノより家庭人の香りの濃いオービルに好感を抱いてしまうために男たちの計画は狂ってしまう。ポン引き同様の情けないオービルにもポリーの心は伝わり、いつしかポリーを餌として「差し出す」事が我慢ならなくなる。
嫉妬癖のエスカレート、と笑うのは簡単だが、それだけではないだろう。人としての尊厳や誇りの回復。おずおずと手を取り合うオービルとポリーの姿には、それってダメ(不倫)なんだけど、ほろりとさせられる。
ただし、叩きだされたディノはというと、偶然の導き?で、なんと本物のゼルダと巡りあってしまっていた…!
根っこのところは誠実な男だから、ポリーの心を(そのつもりもないのに)捕まえてしまうオービル。だが、それ以前に「妻を信じられなかった」ことが既にしっぺ返しを呼んでいたのだ。色と慾とのどんちゃん騒ぎのあとには、歪んだ予定調和、ほろ苦いハッピーエンド…。この帳尻の合い加減が何ともいえない。
お色気と哀感を織り交ぜて魅せるキム・ノヴァクが素晴らしい。「アパート」のマクレーンより私は好きだ。本人をパロったような歌手役を能天気に演じきるディーン・マーティンも楽しいし、妄想狂気味の作曲家レイ・ウォルストンも可笑しいし…作曲家は初めピーター・セラーズの予定だったというが、かわってよかったんじゃないか。ちょっとフケたがフェリシア・ファーも好演。
誰にでもオススメ、とも言えない、うまく解説できない…が、やっぱり結構好きだなあ☆