1974年、ロバート・アルドリッチ監督作品。

この日記では新しい目(笑)な70年代の映画。スポーツをからめた話は割と好きなので気にならなくはなかったのだが、ズルズル未見のまま年月がたってしまった。バート・レイノルズのようなマッチョタイプに興味がなかったせいもあるが、たまたまスカパーでやってたので録画視聴。今年の「午前十時の映画祭」にも選ばれていたようですし。

主人公クルー(レイノルズ)は微罪で収監されたが、かつてはプロの花形選手だった男。刑務所長(エディ・アルバート)は彼に、ノンプロ地区リーグ万年二位の看守チームのコーチをさせようと思いつく。断ると今度は「かませ犬」として囚人チームを編成しろ、と言い出した。アメフトはことのほか荒っぽいスポーツ。経験のない者も、日頃恨み骨髄の看守たちを白昼堂々ぶん殴れるなら、と乗り気になり、所内にいた数少ない経験者を中心に特訓がスタートする。やがて対戦の日となるが、善戦する囚人チームを見た所長はクルーに、「大差で負けろ」と八百長を強要する。承知しなければ一生出所できなくしてやるとの脅しに、監督兼主将のクルーは嫌々ながらも屈するが…

反骨精神、男の意地、男臭い映画!がトレードマークのアルドリッチ作品。刑務所内で看守チーム対囚人チームでアメフトをやるので、そらもー男臭さ汗臭さ横溢である。ゴツくて凶悪なツラ構えがズラリと並ぶので、マッチョが売りのレイノルズも可愛く見える。ヒゲ剃ると、ガッツ石松にすら似て見えますね。まあガッツさんだって、モノホンのチャンピオンだったんだけど。

かませ犬ということだけど、どうせならちゃんとしたフットボーラーに仕上げたい、と頑張る主人公たちが楽しい。扱いにくい凶悪犯たちをだましだまし鍛えたり、あの手この手で看守チームの情報や色々な品を入手したりの楽しさと、囚人たちの中からもスパイが出たり主人公の過去(八百長事件)という影とをバランスよくあしらって、確かに骨太の娯楽作になっていた。所長の思惑とは違ったかたちで、ひょっとしたら看守チームと囚人チームの間にも少しは何かが通ったかも?と思わせるラストも、救いがないようでいて爽快さがにじむ。
冷酷な看守長兼看守チームの監督兼主将のエド・ローターも、ちょっといい味出してた。

007の「ジョーズ」ことリチャード・キールが“ディック・キール”なる名前で出ていたのも発見、たぶん007より前の出演なのかな。あれだけ大きいと、やっぱり見ればすぐわかるね(笑)

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