1987年、ハーバート・ロス監督作品。
今月だけスター・チャンネルがタダで見られる(ン年連続スカパー契約していた特典(笑))。

マイケル・J・フォックスはバック・トゥ・ザ・フューチャー3部作しか見ていない。いや、嫌いなワケじゃなかったですよ。むしろBTTFの彼には好感抱きましたよ。でも若い頃の私は、今以上に若いコに興味薄かったのね(笑)
たまたまスタチャンで一部をチラっと見て、面白いかもと思ったので録画してみました。

ブラントリー(フォックス)はビジネスマンとしての成功を夢見て、カンザスの田舎からNYに出てきた若者。ところが就職先に着いた途端にその会社が乗っ取りで潰れ、仕方なく遠縁のハワード(リチャード・ジョーダン)に頼みこんで彼の経営する大企業に職を得る。ただし最下層のメールボーイとして。だが不屈のブラントリーはメールボーイとして収集した情報を生かし、空き部屋を勝手に占領して重役の一人、のふりをして、会社の中枢に食いこむとともに、一目ぼれした若い女性重役クリスティ(ヘレン・スレイター)の心をつかむべく、一人二役、八面六臂の大活躍を開始する…

物語はかなりとんでもない、ムリムリ設定のラブコメ。そこを主人公のブラントリーが、頑張り屋で頭の回転も速い、人間的魅力のある若者ということで、笑わせながら強引にアメリカンドリーム成功譚へともっていく。社長だって彼の分析力には感心するし。プールで彼が○○に襲われるところで“ジョーズ”のテーマ曲がかかる所は爆笑した。
フォックス、やっぱりほんとに愛嬌があるしコメディセンスあるよね、ちっこいけど。病気でキャリアをストップさせざるを得なかったとはとても残念、惜しすぎる。
ヒロインのスレイターはあんまり美人に感じなかった。目がタヌキ。(←容赦ない…)


話は、結構笑えて適当に甘くて、気楽に見るのに適した佳作(大傑作とまでは言わないが)。
ちょうど数日前に、ジェームズ・キャグニーの映画を見たところだったので、小柄なスター男優どうし、いろいろ引き比べて結構共通点を感じたなあ。
いかつくて顔のデカいコワモテ・キャグニーと、いつまでも高校生みたいに可愛くて甘いマスクのフォックスは、ゼンゼンかけ離れた存在みたいに思われるかもしれないが、そうでもない。

ハリウッドで小柄だと、踏み台を使ってラブシーンってなっちゃうし、少なくともちょっと昔はシャルル・ボワイエとかアラン・ラッドとかは背の低さを隠して、多少時代が下ってもアル・パチーノやポール・ニューマンだって背が低いのを目立たないようにしてた感じだ。
その点フォックス、そしてキャグニーの二人だけはちょっと違う。共通点は背が低いことではなく、背の低さが、逆に彼らをよりエネルギッシュに感じさせてポジティブなチャームポイントと見えて(見せて)しまうところ、ペーソスを感じさせるところではより印象的深くペーソスを感じさせるところ。小柄+愛嬌で、時に少年のような風情を漂わせちゃったりするからね。キャグニーも、コワモテだけど妙に愛嬌があふれているのが大きな魅力なのである。

まあ、背の低さではフォックスのほうがキャグニーより更に低いみたいですけども(163センチだとか)。キャグニーは顔がでかいから余計に背が低く見えるんだよね、多分。

スタチャンは、日本でDVD化されてない作品などまず放映しないので、WOWWOWや、同じスカパー内のイマジカやザ・シネマよりも格下として見下している私。だから、今月タダで視聴しても、来月以降お金払って延長することは万が一にもナイ。それでも、まあせっかく無料なんだから、番組表はキチンとチェックして、拾えるものはちゃんと拾っとこうっと…

「摩天楼…」は、イヤミのない、誰でも楽しめるであろう、ウェルメイドなコメディでした。
★4にするにはちょっとユルいけど、気持ちのいい映画です。

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