1964年、ジョン・フォード監督作品。カラー。
英語字幕のみの輸入盤を買ったまま放っていたが(近年、16ミリフィルムだが日本語字幕つき自主上映で観賞できたため)、ようやく観賞。
(自主上映見た時の印象は、http://13374.diarynote.jp/200910042236528181/参照)
リージョン1と思ってたが、実はリージョンオールだったらしい。
ラッキィ!!!


1878年。
シャイアン族は、住み慣れた地域から1500マイルも離れた、アメリカ政府の指定した居留地に移転させられていた。政府の約束した支援物資は滞り、予定の会合に来る筈の政府要人たちも、一族総出で待ち構えるシャイアン族の前に姿を見せない。
政府(白人)の不誠実に絶望し、数百人にまで減ったシャイアン族は騎兵隊を振り切り、父祖の地へ帰ろうと過酷な旅に出る…

史実を基にし、西部開拓史の暗部をついたテーマだけに、楽しいものにはなりようがない話。それにいささか長い(3時間近い)。が、厳しく美しい西部の景観(真夏に始まった旅は、秋から厳冬へと長い長いものとなる)はフォードのオハコだし、端役に至るまでクスリとさせるような描写をこまめにはさむ語りのテクニックで、長いがそれなりに見せる。
個人的には、中盤のダッジ・シティのコミカルな一幕は少し浮いてると思うけど。ジェームズ・スチュアートとアーサー・ケネディがワイアット・アープとドク・ホリディとして登場し、ジョン・キャラダインとカードゲームに興じるのは確かにファンサービスだが、せめて室内のシーンまででとどめとけばよかったのになぁ。屋外でのドタバタは蛇足。

そして残念なのは、ラスト、せっかく内務長官E.G.ロビンソンを引っ張り出してきたのに、スクリーンプロセスまるわかり…なんであそこだけあんなに…うううう…
それ以外が美しい映像に満ちているだけにガックリする。追跡が続くうち、夏から秋に移り変わっていたところの風景など心にしみるし…。
アメリカにもちょっとは良心が残ってたかと、感動するところなんだけどな。

MYご贔屓リチャード・ウィドマーク様は、追跡隊の指揮官でありながらシャイアンの苦渋を理解し、多数の女子供を含む彼らを救えないものかと心を砕く“良心的”な白人。トップ・ビリングだが、群像劇っぽい構成と、上司も部下もやたら好戦的で彼の言う事を聞かないし、求婚している相手(キャロル・ベイカー)は逆に、シャイアンに同情的なあまり彼らの旅にくっついて行き姿を消してしまう、ひたすらソンな役回り。シャイアン族の人々(リカルド・モンタルバン、ギルバート・ローランド、ドロレス・デル・リオら)が非常に堂々と威厳に満ちた人々として描かれているぶん、存在感は弱く見えるかもしれない…が、コワモテでありつつ不思議に繊細な、独特の魅力を発揮していると思う。西部があんなに似合うのに根はインテリ、コワモテだけどマッチョじゃない、という、この人ならではの味わいですね。“理想主義的”で誠実な人物なせいか、なんだかモノすごくみずみずしく若く見える演技で、同じフォードの「馬上の二人」(これもインディアン問題がテーマ)の将校役ともクリソツである。
…実年齢は50歳くらいなのだが(爆)
いや、ラブリーチャーミーだから何でもいいです(^^;)
ナレーションも彼がつけてくれているのが、ちょっと嬉しい。
所謂二枚目声ではないが、歯切れがよく聞き取りやすい、知性を感じさせる声だと思う(*^^*)。

…結局は、ミーハーに堕ちてゆく私であった(笑)

とにかく、そこそこ安くて(日本のAmazonでも約1700円、直接海外から買うと更にお安い)、英語字幕つきでリージョンオール。
コレは意外とオイシイ買い物でした。

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