1978年、スタンリー・ドーネン監督作品。カラー(オマケ部分以外は)。
昔、映画館で見た、と思う(細部は忘れたが)。なんたって、「今ごろあのスタンリー・ドーネンで新作ミュージカルが観れるんか!」と当時は驚いた。既に「ザッツ・エンタティンメント」でクラシックミュージカル好きになってましたからね。
厳密には半分しかミュージカルではないけど。
1930年代、プログラム・ピクチャーってんですかね、お手軽で安価量産な短め映画の二本立て上映が普通だった時代を、あえて再現して見ました~っていうつくりなので、ボクシング映画「ダイナマイト・パンチ」とミュージカル「バクスター・レビュー1933」の二本立てで105分。更に前説にジョージ・バーンズ老が登場して一席ぶち、二本の間には「ゼロ・アワー」なるWWI戦争映画の予告編まではさまる。
ニッチなクラシック映画好きピンポイント狙いな作品ではある(笑)
同じよーな俳優さんたちが両方の映画に次々出てきてほぼ同じ役をやったり、正反対の役をやったりというのも見どころ、楽しみどころ。
主演はなんと、ジョージ・C・スコット。いやねー、こういうアクと押しの塊みたいな人は私とても苦手なんですよ、名優だけど。…とはいえ、この映画では珍しく、主演だしイイ人に徹していて、それもタイプの違うイイ人で、ちゃんとしみじみイイ人に見えるのはさすがです。この映画のスコットが、一番好きかもしれませんな私(←ヘタレ)。
最初のボクシング映画では、葉巻を口から離さない下町のジムの老オーナーで、眼鏡の奥の目がいかにも好々爺。一方、物語の主人公は法曹家志望の苦学生だが、妹の目の手術費を稼ぐためボクサーとしてデビューする青年で、当然悪女の誘惑とか八百長の誘いとかありそうなネタがキッチリ入ってきます。いかにもな人情スポーツ物。
難点はこの青年役、ハリー・ハムリンがとてもとても頭悪そーなことかなあ?(^^;)
モノクロの予告編「ゼロ・アワー」をはさんで、二本目が待望のミュージカル!
さて二本目のスコットは、一転して全身ビシっとスタイリッシュに決めたブロードウェイのプロデューサー・“スパッツ”・バクスター。主治医に余命一カ月と宣告された彼は、生き別れの娘に遺すため是非あと一本ヒット作をと考えて奮闘する。ダンサー志望の娘(レベッカ・ヨーク)と音楽家志望の青年(バリー・ボストウィック)に、問題ばかり起こす傲慢な看板女優も絡んで、波乱の末に初日の幕は上がり…
お約束のバスビー・バークレー調(俯瞰で幾何学模様が楽しめる振付)はしっかり入ってるけど、そこはそれドーネンだしカラーから、4~50年代のMGMミュージカル爛熟期の気配もちらちら混じり、勿論おとなしめながらおおいに楽しめた。ボストウィックが売り込みでちょっとアクロバティックに歌い踊るところはMGMミュージカル色。舞台上でヒロインが「ダディ…!」と声をあげるシーンなど、ハッとするような映画的感興をそそる。ああ、やっぱりミュージカルって、音楽にのせての演出っていいなあ…。
ちなみに振付はあのマイケル・キッドらしい。ついでにキッドは、「一作目」のボクサーの父親役でちょこっと画面にも出てる。
他のキャストを振り返ると、二作とも似たような役のレッド・バトンズ(ボスの助手)とアート・カーニー(医師)、対称的な役で魅せるさトリッシュ・ヴァン・ディーヴァー(地味な眼鏡の清純派⇔悪女と、鮮やかに化ける!)とイーライ・ウォラック(ギャングと好々爺と)。バーバラ・ハリスやアン・ラインキング(「オール・ザッツ・ジャズ」の)など一方だけの出演者にも興味深い顔ぶれが。
特に、チョイ役だがカーニーの威厳はよかったねえ。喋ってる医学的内容があやしげなだけに余計に(笑)
ボストウィック&ヨークも、ミュージカル最盛期みたいな圧倒的テクニックは感じられないけど雰囲気は出ていた。メイクのせいか馬顔のライザ・ミネリな感じだったぞ。
予告編の空の三勇士はスコット、バトンズ、ウォラック、って、平均年齢がハンパない(笑)
あえてちゃちい作り、ありがち展開や、今じゃありえまいなセリフと使い回し風キャスティングを強行してるけど、そこを楽しめるむきにはオススメです。
それと30年代のファッションが好きなかたにも。男がみんな帽子かぶってて、いいよねえ(笑)
昔、映画館で見た、と思う(細部は忘れたが)。なんたって、「今ごろあのスタンリー・ドーネンで新作ミュージカルが観れるんか!」と当時は驚いた。既に「ザッツ・エンタティンメント」でクラシックミュージカル好きになってましたからね。
厳密には半分しかミュージカルではないけど。
1930年代、プログラム・ピクチャーってんですかね、お手軽で安価量産な短め映画の二本立て上映が普通だった時代を、あえて再現して見ました~っていうつくりなので、ボクシング映画「ダイナマイト・パンチ」とミュージカル「バクスター・レビュー1933」の二本立てで105分。更に前説にジョージ・バーンズ老が登場して一席ぶち、二本の間には「ゼロ・アワー」なるWWI戦争映画の予告編まではさまる。
ニッチなクラシック映画好きピンポイント狙いな作品ではある(笑)
同じよーな俳優さんたちが両方の映画に次々出てきてほぼ同じ役をやったり、正反対の役をやったりというのも見どころ、楽しみどころ。
主演はなんと、ジョージ・C・スコット。いやねー、こういうアクと押しの塊みたいな人は私とても苦手なんですよ、名優だけど。…とはいえ、この映画では珍しく、主演だしイイ人に徹していて、それもタイプの違うイイ人で、ちゃんとしみじみイイ人に見えるのはさすがです。この映画のスコットが、一番好きかもしれませんな私(←ヘタレ)。
最初のボクシング映画では、葉巻を口から離さない下町のジムの老オーナーで、眼鏡の奥の目がいかにも好々爺。一方、物語の主人公は法曹家志望の苦学生だが、妹の目の手術費を稼ぐためボクサーとしてデビューする青年で、当然悪女の誘惑とか八百長の誘いとかありそうなネタがキッチリ入ってきます。いかにもな人情スポーツ物。
難点はこの青年役、ハリー・ハムリンがとてもとても頭悪そーなことかなあ?(^^;)
モノクロの予告編「ゼロ・アワー」をはさんで、二本目が待望のミュージカル!
さて二本目のスコットは、一転して全身ビシっとスタイリッシュに決めたブロードウェイのプロデューサー・“スパッツ”・バクスター。主治医に余命一カ月と宣告された彼は、生き別れの娘に遺すため是非あと一本ヒット作をと考えて奮闘する。ダンサー志望の娘(レベッカ・ヨーク)と音楽家志望の青年(バリー・ボストウィック)に、問題ばかり起こす傲慢な看板女優も絡んで、波乱の末に初日の幕は上がり…
お約束のバスビー・バークレー調(俯瞰で幾何学模様が楽しめる振付)はしっかり入ってるけど、そこはそれドーネンだしカラーから、4~50年代のMGMミュージカル爛熟期の気配もちらちら混じり、勿論おとなしめながらおおいに楽しめた。ボストウィックが売り込みでちょっとアクロバティックに歌い踊るところはMGMミュージカル色。舞台上でヒロインが「ダディ…!」と声をあげるシーンなど、ハッとするような映画的感興をそそる。ああ、やっぱりミュージカルって、音楽にのせての演出っていいなあ…。
ちなみに振付はあのマイケル・キッドらしい。ついでにキッドは、「一作目」のボクサーの父親役でちょこっと画面にも出てる。
他のキャストを振り返ると、二作とも似たような役のレッド・バトンズ(ボスの助手)とアート・カーニー(医師)、対称的な役で魅せるさトリッシュ・ヴァン・ディーヴァー(地味な眼鏡の清純派⇔悪女と、鮮やかに化ける!)とイーライ・ウォラック(ギャングと好々爺と)。バーバラ・ハリスやアン・ラインキング(「オール・ザッツ・ジャズ」の)など一方だけの出演者にも興味深い顔ぶれが。
特に、チョイ役だがカーニーの威厳はよかったねえ。喋ってる医学的内容があやしげなだけに余計に(笑)
ボストウィック&ヨークも、ミュージカル最盛期みたいな圧倒的テクニックは感じられないけど雰囲気は出ていた。メイクのせいか馬顔のライザ・ミネリな感じだったぞ。
予告編の空の三勇士はスコット、バトンズ、ウォラック、って、平均年齢がハンパない(笑)
あえてちゃちい作り、ありがち展開や、今じゃありえまいなセリフと使い回し風キャスティングを強行してるけど、そこを楽しめるむきにはオススメです。
それと30年代のファッションが好きなかたにも。男がみんな帽子かぶってて、いいよねえ(笑)
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