1950年、ジョージ・シドニー監督作品。カラー。レンタルDVDで視聴。

ワイルド・ビル・ヒコックのワイルド・ウェスト・ショーに参加した銃の名手アニー・オークリーを描くミュージカル・コメディ。アニーはじめ実在の人物が多数登場するわけだが、史実とかは気にしないのがお約束。

泥まみれにボロ服の、野性の田舎娘アニー(ベティ・ハットン)は射撃の腕を見込まれショーに参加。実は曲撃ちのスター・フランク(ハワード・キール)に一目ぼれしたせいでもある。彼に好かれる「お洒落な美女」を目指して一念発起頑張るものの、フランクをしのぐ射撃の才が、恋には逆に足かせに…

女に負けるなんて、と堪え性がない男…というのも、昔はさておき(映画製作時、そして物語の舞台となる19世紀にはますます「よくあること」だったろう)、今見るとイマイチ。だが、アニーの方も少々デリカシーに欠けている。「わざと負ける」まではせずとも、しばらく離れるうちにちょっと落ち着いて、かつて自分に贈られた射撃のメダルを愛の証として彼女に贈ろうとしてくれたフランクに、せめて「外国でもらった勲章よりあなたのメダルのほうがすばらしいわ」とか、ウソでなく言える言葉で喜びを示してあげればすぐ片付いたのでは。それで再び意地の張り合いに陥ってのナンバー"ANYTHING YOU CAN DO"は、映画中でも特に楽しい聞き物なのだが。

主題曲の"THERE’S NO BUSINESS LIKE SHOW BUSINESS"は文句なしの大名曲だが、ヒコック一座を載せた汽車が駅に着く冒頭の"COLONEL BUFFALO BILL"は、「ショーボート」の開巻"Cotton Blossom"には及ばないと思う。MGMミュージカルらしく賑やかだが、今に通じにくい時代性もあり、まあそこそこの出来って感じ。
ベティ・ハットンは頑張ってるが、つい「ジュディ・ガーランドが本調子だったなら」と思うのは仕方がないでしょう。女性のミュージカルスターというとやっぱりジュディが好きだし私。
(最初はジュディ・ガーランドがこの映画に主演する予定が、健康上の理由で降板した)

もともと凄く期待してたわけじゃなくて、明らかに逃避だしな自分…

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