赤い空
赤い空
赤い空
1952年、ジョセフ・M・ニューマン監督作品。
山岳での森林火災とそれにたちむかう’Smoke Jumpers’ (パラシュートで山火事現場に降下する消防士部隊)を描いたアクション映画。

山火事の困ったところは、まずはその広大さにある。
それでなくてもだだっ広いアメリカのこと、たやすく火元に近づけなければ消防士たちを空輸することになる。とはいえ、山火事を「消す」ことはよほどの初期でなければ難しい。通常、火事の周囲の木を火が届く前に一定切り開いたり地面を掘り返したりして、火がそれ以上燃えられない地帯を作り、その「防火線」の内側で火が燃え尽きるのを待つのが基本らしい。
映画から50年後の今でも(消火剤や防火装備の発達はあれど)、基本はそれほど変わらないようだ。

そのような森林火災専門の空挺部隊が、隊長クリフ・メイスン(リチャード・ウィドマーク)に率いられて今日も燃える山中へと降下して行った。が、天候次第で火の勢いも方向も千変万化する。部隊からの連絡はまもなく途絶し、燃え尽きた森の中から発見されたのは大火傷を負ったクリフ一人のみだった。
死亡した隊員の息子エド(ジェフリー・ハンター)もまた消防士だったが、部下を見捨てて先に逃げたから助かったのではとクリフを疑う。『不可抗力』と部下の死の責任は問われなかったものの、クリフ自身も、猛火と火傷のショックによる記憶障害のため、火勢が急変してからの状況を思い出せず、確信をもって否定することができずに懊悩する。

退院したクリフはまず降下訓練の指導、そして現場にと復帰する。彼の記憶はやがて戻るが、エドの疑いは妄執にまでふくれあがり、共に消火活動中のクリフにツルハシで襲い掛かる。折から炎は樹冠火災(fire crown)にまで成長し、部隊全体も危機にさらされるが…。

字幕なしなので、原作読んどいて正解だったー…
(6月9日日記参照http://13374.diarynote.jp/200906100006243445/)。
筋は全く違うけど、山火事消火のキホンが分かってて見た分、セリフがあまり分からなくても何やってるか見当つきやすい。Fire crown というのは美しい言葉だが森の木のてっぺんが燃え上がると延焼スピードが爆発的に増し、ひじょーにまずいらしいです。建物火災でも天井に火が届いたら即逃げろって聞くしねぇ。猛火の中、地面を掘り返してから火をつける消防士たちの姿に、「おおっ、迎え火をつけているのね!」と理解できたのもうれしかった。なんで迎え火をつけるのかいまだにハッキリわからないが(爆)
…最後のテクは原作には出てこなかったけど、シェルターだよね。

あと、なぜかクリフの上司(リチャード・ブーン)がアライグマを飼ってた。ラスカル!と叫んでしまった。多分、日本人の大半はアライグマを見たらラスカル!と叫ぶと思う。

台詞がどの程度良い出来か悪い出来か、実はわかりません(ヒアリング自信なし)。あんまり「深い」映画じゃない気はする。
しかしテクニカラーの森林火災と消火活動(降下部隊)の描写は目新しくかつ迫力があり、最後には記憶と自信を取り戻した主人公が頼もしく締めてハッピーエンドなので、十二分に楽しめました(笑)

冒頭でいかにも明るく登場しておいて、一転憂愁に沈む、ご贔屓ウィドマーク様がオイシイです。いつも通りめりはりの効いた演技が見ごたえあり。実は繊細さを兼ね備えたタフガイ、というのがまたいいんだなあ、この人。タフガイといっても体格は控えめなので背広着てるとホワイトカラーにしか見えないし、まだかなり若い頃だし素敵です(*^^*)
売り出し中の若手ジェフリー・ハンター君はキリッとした青年だけど次第にもう理屈も何も飛んじゃうのであまりいい役とは言えないよね。メイスン夫人コンスタンス・スミスはお添えモノ状態だけど綺麗で感じが良い。

TV録画のダビングなので画質はイマイチ(いや、見られただけで奇跡!感激!ではあるのですが)、正規版デジタルリマスターDVD出して欲しいです!FOXさんお願い!

とりあえずウィドマーク様がかっこよかったので気前よく★四つ!

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