高瀬彼方著。

愛する「カラミティナイト」のリライト版2巻目(1巻目の日記はhttp://13374.diarynote.jp/200901230912408544/)。元バージョン1巻目の後半にあたる…
やっぱり忍は男なほうがよかったなー、ランスロット男なほうがいいなーとは思うが、もともとの作品が大好きなのでやっぱり熱中して読めてしまった。なんだか必殺技が増えていたぞ。
でもせっかくGA文庫で新たに出直し始めたのに、続きが出ないと決まったって…なんでかな~。私も自腹で買ったのに(自腹は珍しい)。

元のハルキ版は★5つだが、これはちょっと採点不能…
いつか電子出版で、続きが出たら読みます。電子出版でハルキ版の続きを出してくれるかもしれないらしいってことだから。
1963年、フィリップ・ド・ブロカ監督作品(仏)。

若きジャン=ポール・ベルモンドの、のーてんきアクション・コメディの傑作。
なんの気負い気張りもなく、もの凄いスピーディでスリリングなアクションをやっちゃう(しかもスタントはほとんど使わないで自分でやるのが趣味らしい)この人の稀有なノリは、テンパり具合か魅力なウィドマーク・アクションとはある意味対極。だがこれもまた素晴らしい。
ヨレヨレな時にヘラヘラっと見るのに最適な映画のひとつ。
大昔のTV録画が発掘されたので再見。山田康雄吹き替えも涙が出るほど懐かしいです(笑)

兵役についてるアドリアン(ベルモンド)は、一週間の休暇でパリへ、そして恋人アグネス(フランソワーズ・ドルレアック)の元に戻ってきた。時を同じくして、パリの博物館に謎の賊が侵入し、とある遺跡の発掘品が盗まれたうえ、考古学者であるアグネスの父親が殺害される事件が発生。そして、アグネスもまた、アドリアンのほんの鼻先で突然誘拐されてしまう。
やがて、賊の狙いは密林に隠された秘宝であるとわかるのだが…

だが、見るべきものはそんな筋立てではない。
二階の窓から下を見下ろすと、恋人が車に引っ張り込まれるのが見えた!と思うが早いか、ベルモンドはもう窓から飛び降り走り出している。誰かが止めたバイクを見るや、ヤニワにまたがり賊の車を追跡開始。薬で朦朧となった彼女が悪者たちにつれられ空港の搭乗ゲートをくぐるのを見ると、アドリアンも他人のキップで(オイ)手近の飛行機に飛び乗ってしまう。ここまでの一気呵成のリズムが凄すぎる。
ハッキリ言って他人の迷惑かえりみず、目についた手段を一瞬の逡巡も躊躇もなく、頭すら使わない反射行動か、というイキオイで徒手空拳のまま疾走するベルモンド。しかも、デッド・パンに近い飄々たる表情を殆ど崩さないままの猛追である(他に手がない時は即時にC調な口から出まかせで切り抜けることもあるが)。
とことんマンガチックで、それだけに重厚感や切迫感は薄めなアクションなのだが、こうも徹底的にスピーディに手数の多さを見せつけられると、逆に一層突き抜けたモノに感じられる。

街で、浜辺で、道路で、工事現場で(カイジーーー!)、海で、空で、山で、密林で、汗一つかいてないような軽やかさで疾走するベルモンドは、リアルをぽんっと飛び越えたファンタジックな魅力を発散し続けるのだが、時たま追跡モードを解いた際は、へらりとノンシャランな「だらけた兄ちゃん」で、そのへんのメリハリもいい感じ。フランソワーズ・ドルレアック(カトリーヌ・ドヌーブのお姉さんですね)も、ただのさらわれ役でなく、助け出されて正気に戻ると強気でマイペース、献身的?に追ってきた恋人を引っ張り回す、でも凄くオシャレな女の子。危機感のカケラもなくブラジルの子供たちと踊りまくってたり。いいコンビです。
ちょっと唖然な大逆転の待つラストまで、リオの陽光と賑やかな音楽にもいろどられた、ひたすら楽しさいっぱいの作品でした。
飄々として、どこか妙ちきりんな、アメリカ映画にはないような不思議なおかしみがあるんだなあ。フランス映画って、ゲイジュツ的であまり興味はないのだけれど、たまにこの作品のように妙なユーモアを秘めたヘンな作品があるので、本当はあなどれないのであった(違)

「マンガチック」という路線を、とことんファッショナブルに料理してのけたフィリップ・ド・ブロカ監督とベルモンドに乾杯。
「男」シリーズ、「カトマンズの男」とか「コニャックの男」とか、みなこの路線で大好きでした。あ、「コニャック」は監督違いか。しかしDVD未発売なのはホントに理解できません。


なぜかサントラの画像だけあったので貼っておく。
サントラは「カトマンズの男」「リオの男」カップリングらしいです。このカップリングでDVD出せばいいのに…。そして、山田康雄さん吹替バージョンもどこかに残ってたら、ちゃんと収録しておけば絶対売れる!と思うんだけどな。うううう。
海堂尊著。

なつかしのグッチー先生と、いつになく仕事してる感の強い白鳥。二人を久々に最前面に押し立てた作品。内容のほとんどが会議や会議の根回しだが(現場の医療状況について危機感を持ち小説内に毎回ばんばん盛り込もうという著者なので)、ハッキリ言ってそういうのが一番うまいと思うわ、このヒト。いや、発言や討議がこんなに面白おかしいわけはないはずだが、シニカルな笑いたっぷりに面白く書けてて読まされちゃう。不毛さ漂うお役人の会議をエンタメにできるというのは異能だ。ついつい、夜更かししてしまった(爆)

しかし坂田局長。第一人称が「ワテ」で語尾が「でんがな」な厚労省の役人て、さすがにありえませんから、ソレ。(お笑い系の業種ならまだしも…しかし坂田寛平って、ネーミングからして…うう。)
醒めるんで、このヒトだけは、なんとかしてほし~(T^T)

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