白鯨

2009年5月7日 映画 コメント (6)
1956年、ジョン・ヒューストン監督作品。

白鯨モービィ・ディックへの復讐心に狂う船長エイハブの執念の挑戦。
ヘンな話なのは、原作が元々とてもヘンな話であり(さまざまな隠喩やイメージをぶちこんだ難解な作品なわけだ。大学時代に斜め読みしただけだが。あと、米文学演習で原書もちょっとかじった)、仕方がない?ことである。
帆船時代の捕鯨船だから見てみよう、という向き(自分)には、元々さして合わないのはわかってたが…。先日見た「海の男」と数十年の差はあるとはいえ、どっちも19世紀の捕鯨なんだよね。捕鯨技術はあまり変わらないが作品のカラーはいかにも対照的で、比べるとなかなか興味深い。カラーでスペクタクルなので、ドラマを気にせず帆船だけを見てるには、こちらの方がいいかもしれない(暴論)。

語り手イシュメイル役のリチャード・ベースハートは自然体なカンジで良いし、ハリー・アンドリュースだのレオ・ゲンだの大工だの刺青クイークェグだの、船乗りたちは皆納得の面構えなのだが、イロイロ言われている船長グレゴリー・ペックは、力演だけどやっぱり浮いてると思う。からだをやたらとねじりあげながら目をむく大仰なセリフ回しは、どうもちょっと、いただけないものがある。一カ所だけ?静かに「青空を見ると初めて鯨を仕留めた日のことを思い出す」とか語る場面は、まぁいいんじゃない、と思えるが…ここだけだ。
やっぱりペックって、根が大根な気がする(ヘンな日本語だ)。あまり複雑な人間性をナニしようとすると似合わない。軽妙スマートを目指すか、ストレートに誠実一直線か、どっちかでしょう。
あとはウラをかいて悪っぽく行くか(大穴)。「白昼の決闘」の不良青年役はよかった。

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