1957年、スタンリー・ドーネン監督作品。

地味な本屋の店員ジョー(オードリー・ヘップバーン)が、ファッション誌のカメラマン、ディック(フレッド・アステア)と女編集長(ケイ・トンプスン)に見いだされてパリでモデルデビューと恋をする、というシンデレラストーリー。オードリーにジバンシー、というのが定着した作品でもある。
話は軽いが(登場人物全員、けっこう無責任…)、さすがオードリー、そしてアステア。ファッショナブルで明るくカラフルな画面、そして曲はガーシュイン。楽しくないわけがない。ミュージカル女優としてのオードリーはもちろん「ご愛嬌」レベルだが(可愛いのは可愛い)、ケイ・トンプスンのパワフルな歌と芸達者ぶりには満足させられる。
誰よりも女性を美しく踊らせるアステアが、最高に女性を美しく撮るファッション・カメラマン役というのもハマっていてよろしい。
スタンリー・ドーネンだから演出もMGMミュージカルの手なれたタッチ(パラマウントだけどね)。

映画館の大スクリーンで見れるというので、ムリにムリを重ねて出勤前に見てきた(遅番だったので…)。
大きい画面で、踊るアステアを見る。こんな至福があるだろうか。
予想以上に小さいコヤだったので(100名も入らないよここ…でも椅子は良かった)、目の悪い私、久々に最前列の真ん中に陣取った。ほんとに大きいスクリーンだとダメだけど、こういう小さいところで最前列だと映画ひとりじめ感があってイイ。
ほんとは先月もっと近くのコヤで便利に見れる筈だったのに、ヨレヨレだった私は日を間違えていて逃してしまった…リベンジである。行ってる場合じゃない職場状況だがソコで行ってしまうのが私だ。残念な人間でごめん。

アステアのミュージカルとしてはもっと出来の良いものもあろうが、なんたってこの映画(のTV放映)で私はアステアを知ったんだからねー!懐かしさはひとしおだ。

ヘップバーンの歌は御愛嬌、だが、暗室でアステアが“Funny Face”を歌い始めて軽くステップを踏むと、もうすっかり「来てよかった~」だ。3人が三分割されたスクリーンでパリ名所を観光して回りながら歌う能天気な“Bonjour,Paris!”もいつ聞いても楽しいし、“Let’s kiss and make up”の闘牛士風タップは、アステアとしてはフツー程度なんだろうけど、はじめて見た時はほんとに驚いたな~(*^^*)
オードリーが尊敬するフランスの哲学者(ミシェル・オークレール)宅に潜入するため、つけひげつけて哲学かぶれに変装したアステアと、ベレー帽とベストの赤黒コーディネイトがかっこいいトンプスンのデュエット“Clap Yo’ Hand”も、やはり何度見てもノリノリでイイ。ほんとはコレが一番スゴいナンバーなんじゃなかろうか。

明日が心配だが、とにかく今日頑張って見に行ってよかった。
明日は…考えまい…

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