1967年、ロベール・アンリコ監督作品。
私にとって、フランス映画監督で「この二人ならば」の片方の人気作を、久しぶりに再見してみました(「もう一人」は勿論、フィリップ・ド・ブロカ!)。
原作は意外に「穴」と同じジョゼ・ジョバンニだったりしますが、料理長が違うと、重くない。

冒険精神旺盛な、若くハンサムな飛行士マヌー(アラン・ドロン)と新機軸のレースカー用エンジンを開発中のロラン(リノ・ヴァンチュラ)は、世代は違えど親友同士。二人はある日、前衛芸術家の卵レティシア(ジョアンナ・シムカス)と知り合い親しくなる。それぞれの夢に挫折を味わう破目になった三人は、新規まき直しとばかりにアフリカの海に沈んだお宝探しへ乗り出すのだが…

フランソワ・ド・ルーベの音楽がやっぱり素晴らしいです。夢破れてる割に船と装備買ってコンゴの海岸でダイビングって、「意外と余裕あるじゃん」とか思いますが(前半はちょっとダラダラしたとこがある気がするし)、子どものようにタワムレる三人の美しい映像と音楽のコラボがここちよく、ファンタジーとしてずるずる見てしまいました。妖精のようなシムカス、とことん優しく頼もしいバンチュラも勿論いいんですが、ミーハー的に見るとドロンがこれだけ美しく清らかな映画は、あんまりない気がします(あとはごく若い頃の「若者のすべて」くらい?)。

コンゴの海、そしてレティシアの故郷ラ・ロシェルの要塞島(要塞といっても孤島に建つ城館のような風情のある建築物!)、。美しい背景の中、後半彼らに襲いかかる、唐突なまでの悲劇も、名曲とアンリコのさらりとした抒情性にくるまれて、素直にほろりとさせられてしまいますね。
そして、三人ばかりがクローズアップされてますが、小さい役ながらさりげに漢を貫くセルジュ・レジアニの扱いにもニヤリ。銃でもって強引に三人の船に割り込んできますが、結構本気で三人が気に入ってたんですね…それともドロンが…?(笑)

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