1982年、シドニー・ルメット監督作品。
一回見てみたいなと思いながら結局ほってあったタイトルを、スカパー録画で視聴。

金持ち妻(ダイアン・キャノン)と二人、とても趣味的で素敵なおウチに暮らす大スランプの劇作家シドニー(マイケル・ケイン)が、「教え子クリフ(クリストファー・リーヴ)の書きあげた傑作シナリオ(まだ誰も中身を知らない筈)を何とか我がモノにしたい。もー辛抱たまらん」と、クリフを呼びつけ仕掛けた罠は…
アイラ・レヴィン原作戯曲による好事家的サスペンス・コメディ。

マイケル・ケインも出てるし「探偵≪スルース≫」みたいな映画、とか言われると、どうしても"どんでん返し連発"をこちらも予期してしまうので、十分ビックリできないところもあるし、どんでん返しのためのどんでん返しみたいな作り物くさい展開、舞台くさすぎる演出もあるが、まあそういうのもキライじゃないので、そこそこ楽しんで見た。
といっても「普通に楽しかった」程度かな?
ラストはなんだコレか~ってところも(笑)

かつて「大物に挑む若者」だったケインは、今回は逆に師匠の立場だがかなり三の線で(ハラの出たユルミっぷりを強調する身ごなし)ドタバタした熱演。上手いのは上手いんだけどね…あとは好みだから…
さわやかスーパーマンから一転し、「ちょっとキモチ悪いところもある」あやしいハンサム青年を演じるリーヴも珍しくていい。メイクの工夫とかもあるだろうけど、役者ですねえ。興味深く見入ってしまった。
霊媒おばさんアイリーン・ワースは、結構重要な役なんだけどイマイチだったなぁ(それでラストの評価が辛くなる?)。スットンキョウな悲鳴を上げ続けるダイアン・キャノンのほうが、バカバカしくてよかった。不評みたいだけど、どうせ人工的極まりないオハナシなんだし、このくらい派手にやらかしてくれたほうがいっそすがすがしいと思う私…

ヘンデルをあしらったBGMはラブリーでよいが、やっぱり「探偵≪スルース≫」の方がなにかと上だね。お屋敷の凝りっぷりとか、ゴージャス感も上だしね…。デストラップのオウチは素敵だけど「私のカントリー」って感じです。
ローレンス・オリヴィエはあまり好きになれないけど(それを言うならケインもそんなに好みじゃないが。古典的英国紳士は大好きなのでイギリス系の俳優さんに好きな人が多いのだが、ケインもオリヴィエも何かが違うのだ。やっぱ絶滅危惧種、いや既に絶滅済なのだろうなあ…)。

お気に入り日記の更新

日記内を検索