1946年、マイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガー監督作品。
戦後英国映画の最高峰、とか言ったら何かが違う気もするが("小味"なところが英国映画のイイトコである)、この映画を大好きな日本人はかなり多い筈。かく言う私も和田誠さんがホメちぎってるのを読んで憧れた。だいぶ前にTVで何とか一度見れたんだったが、細部は手頃に忘れていてまさに再び訪れた"見ごろ"である。いつのまにかDVDが出ていたので視聴。
一気に見たかったのだがどうしても外せない用やら何やらで朝三分の二夕三分の一…邪道だなあ(最後まで見るとつい、最初に戻ってまた少し見直してしまった)。
被弾し燃え上がる爆撃機から、ピーター(デヴィッド・ニーヴン)は、パラシュートもないままやむなく海へ飛び降りる。奇跡的に生還した彼は、ダイブ直前にたまたま無線で言葉を交わした米軍婦人部隊のジューン(キム・ハンター)と出会い恋に落ちるが、「貴方は本当は戦死する予定で、生きて帰ったのは天国のミスでした」と、天国からの使者(マリウス・ゴーリング)が現れる。ピーターの生死をめぐって、天国では前代未聞の裁判が開かれることになるが…
撃墜された飛行士がたどるあの世とこの世をつなぐ道。もちろん本人はこの世に留まりたいのだが。一種のファンタジー映画だが、すべてを科学的論理的に片付けることも可能なあたり、ますますもって良く考えられたシナリオだ。
また、物語設定が風変わりなだけでなく、これは、視覚的な奇想に満ちた楽しい作品でもある。
「地上はいいな、テクニカラーだ」のセリフが『お楽しみはこれからだ』で紹介されているように、この映画はパートカラー。天国の場面のみ、わざとモノクロで撮っている。モノクロとカラーのデイゾルブは当時としては新技術だったそうだが、それをおいても、シャープなモノクロ世界はあくまでも冷たく、しかもこの天国の受付や係員のモダンで機能的なことといったら!(笑)。
ニーヴンは元々大好きなスターだが、作品中で「27才だ」というのはサバよみすぎ?だが、純英国的洒脱紳士の旬に到達するにはまだあと少しの頃で、若々しく頼りない魅力には一応満足。“革命でギロチンにかかって死んだ”天国よりの使者を演じるゴーリングも派手派手な演技で楽しい(天国にはあらゆる時代の人間が集うのだ)。どう考えても“英国人の考えた”カリカチュア的フランス人だが、本当は深刻(笑)なストーリーに軽快さを添えている。そして村医者だが実は世界的名医な医師(ロジャー・リブシー)らを含めた“イギリス的背景”のすべてが戦時中というのにのどかで美しくイギリス好きにはこたえられない。主人公たちの背後で、シェークスピアの「真夏の夜の夢」を舞台稽古してる人々とかって、イミないんだろうな…でも素敵な背景である。えーと、ヒロイン?キム・ハンター、そんなに美人じゃないと思うけどまあ普通にかわいい。
コミカルかつスリリングな物語の詳細は、未見のかたのために語らずにおこう。主人公の運命がどうなるのかは、ぜひ本編でドキドキワクワク楽しんでほしい。
まあソンはしないと思うから。
戦後英国映画の最高峰、とか言ったら何かが違う気もするが("小味"なところが英国映画のイイトコである)、この映画を大好きな日本人はかなり多い筈。かく言う私も和田誠さんがホメちぎってるのを読んで憧れた。だいぶ前にTVで何とか一度見れたんだったが、細部は手頃に忘れていてまさに再び訪れた"見ごろ"である。いつのまにかDVDが出ていたので視聴。
一気に見たかったのだがどうしても外せない用やら何やらで朝三分の二夕三分の一…邪道だなあ(最後まで見るとつい、最初に戻ってまた少し見直してしまった)。
被弾し燃え上がる爆撃機から、ピーター(デヴィッド・ニーヴン)は、パラシュートもないままやむなく海へ飛び降りる。奇跡的に生還した彼は、ダイブ直前にたまたま無線で言葉を交わした米軍婦人部隊のジューン(キム・ハンター)と出会い恋に落ちるが、「貴方は本当は戦死する予定で、生きて帰ったのは天国のミスでした」と、天国からの使者(マリウス・ゴーリング)が現れる。ピーターの生死をめぐって、天国では前代未聞の裁判が開かれることになるが…
撃墜された飛行士がたどるあの世とこの世をつなぐ道。もちろん本人はこの世に留まりたいのだが。一種のファンタジー映画だが、すべてを科学的論理的に片付けることも可能なあたり、ますますもって良く考えられたシナリオだ。
また、物語設定が風変わりなだけでなく、これは、視覚的な奇想に満ちた楽しい作品でもある。
「地上はいいな、テクニカラーだ」のセリフが『お楽しみはこれからだ』で紹介されているように、この映画はパートカラー。天国の場面のみ、わざとモノクロで撮っている。モノクロとカラーのデイゾルブは当時としては新技術だったそうだが、それをおいても、シャープなモノクロ世界はあくまでも冷たく、しかもこの天国の受付や係員のモダンで機能的なことといったら!(笑)。
ニーヴンは元々大好きなスターだが、作品中で「27才だ」というのはサバよみすぎ?だが、純英国的洒脱紳士の旬に到達するにはまだあと少しの頃で、若々しく頼りない魅力には一応満足。“革命でギロチンにかかって死んだ”天国よりの使者を演じるゴーリングも派手派手な演技で楽しい(天国にはあらゆる時代の人間が集うのだ)。どう考えても“英国人の考えた”カリカチュア的フランス人だが、本当は深刻(笑)なストーリーに軽快さを添えている。そして村医者だが実は世界的名医な医師(ロジャー・リブシー)らを含めた“イギリス的背景”のすべてが戦時中というのにのどかで美しくイギリス好きにはこたえられない。主人公たちの背後で、シェークスピアの「真夏の夜の夢」を舞台稽古してる人々とかって、イミないんだろうな…でも素敵な背景である。えーと、ヒロイン?キム・ハンター、そんなに美人じゃないと思うけどまあ普通にかわいい。
コミカルかつスリリングな物語の詳細は、未見のかたのために語らずにおこう。主人公の運命がどうなるのかは、ぜひ本編でドキドキワクワク楽しんでほしい。
まあソンはしないと思うから。