1942年、レオ・マッケリー監督作品。日本未公開、モノクロ。
舞台は1938年、ナチスの勃興に揺れる欧州、ウィーン。
お気楽な元ショーガールのアメリカ娘ケイティ(ジンジャー・ロジャース)はオーストリアの男爵(ウォルター・スレザック)と婚約中。アメリカのラジオ局のニュースキャスター・オトゥール(ケイリー・グラント)は、ヒトラー嫌いということになっている男爵が本当はナチの手先ではと疑い、情報を得るべく大使館員や洋服屋に化けて彼女に近づこうとする。偽装はすぐにバレるが、二人は互いに一目で惹かれあうものを感じてしまった。が、男爵夫人の称号に憧れを抱く彼女は、オトゥールの忠告を聞かず男爵とのハネムーンに出発する(オトゥールもその後を追う)が、チェコ、ポーランド、と欧州各地を点々とする旅程はそのままナチスドイツの欧州席巻に重なってゆく。男爵から心が離れたケイティは、オトゥールと共に空襲にあったのを幸いと、死んだと周囲に思わせて共にアメリカへ戻ろうとするが、ユダヤ人と間違われて収容所に送られそうになったり、米国のために男爵の元にもどってスパイをしてくれと頼まれて逆戻りしたり、波乱万丈の旅路をたどることに…
スクリューボールコメディ☓時局モノ?
が、さすがにコレはちょっとすべってるというか、「どうしろって言うんだ…」と困ってしまうストーリー展開。ナチの恐ろしさを知ったから夫を放り出して帰国しようなんて所まではまだしも、180度逆戻りしてお国のためにいきなりスパイになっちゃたり、まさかそれはありえんでしょー、な人物からの救いの手により死地を脱したり、ラストも、どシリアスな事態なのに笑って済ませてしまったり。ナチに人権は無いってのね(爆)…いや、無くてもいいとしても(ユダヤ人の人権は認めないナチだし)、この無茶苦茶さはなんだかそのう、見てるこっちがバカにされているような気がしてくるぞ。戦前(アメリカは参戦前)の映画だし、多少わざとらしくても「ノンキなアメリカ人に、ナチスドイツを放っておくとこんなに大変なんだと訴えるプロパガンダ映画なのね」と、我慢?しながら見ていたのだが、あまりにノリが変である。
ケイリー・グラントがむやみやたらと粋な二枚目ぶりを発揮しているだけに、こんな所でなんと勿体無い…と、見惚れながらも困ってしまう。一応名監督扱いのマッケリーの作品なんだけど、やはり時局モノには向かない人なんでしょう。実写フィルムまで混ぜてるようだが政治的な要素を含むエピソードに何のヒネリもキレもない。ジンジャー・ロジャースも「フツーのアメリカ娘、頭の回転も性格も悪くないけどノンポリが仇になる」という役柄をキビキビ演じてるが、なんだかなあ。
邦題も微妙だが原題も"Once upon a Honeymoon"とブッ飛んでいる。いいのかそんなんで…
グラント(またはジンジャー)が出てたら何でもいい、という人にのみオススメ。とりあえず彼らの美男美女ぶりに関して(だけ?)は絶好調ですので。
舞台は1938年、ナチスの勃興に揺れる欧州、ウィーン。
お気楽な元ショーガールのアメリカ娘ケイティ(ジンジャー・ロジャース)はオーストリアの男爵(ウォルター・スレザック)と婚約中。アメリカのラジオ局のニュースキャスター・オトゥール(ケイリー・グラント)は、ヒトラー嫌いということになっている男爵が本当はナチの手先ではと疑い、情報を得るべく大使館員や洋服屋に化けて彼女に近づこうとする。偽装はすぐにバレるが、二人は互いに一目で惹かれあうものを感じてしまった。が、男爵夫人の称号に憧れを抱く彼女は、オトゥールの忠告を聞かず男爵とのハネムーンに出発する(オトゥールもその後を追う)が、チェコ、ポーランド、と欧州各地を点々とする旅程はそのままナチスドイツの欧州席巻に重なってゆく。男爵から心が離れたケイティは、オトゥールと共に空襲にあったのを幸いと、死んだと周囲に思わせて共にアメリカへ戻ろうとするが、ユダヤ人と間違われて収容所に送られそうになったり、米国のために男爵の元にもどってスパイをしてくれと頼まれて逆戻りしたり、波乱万丈の旅路をたどることに…
スクリューボールコメディ☓時局モノ?
が、さすがにコレはちょっとすべってるというか、「どうしろって言うんだ…」と困ってしまうストーリー展開。ナチの恐ろしさを知ったから夫を放り出して帰国しようなんて所まではまだしも、180度逆戻りしてお国のためにいきなりスパイになっちゃたり、まさかそれはありえんでしょー、な人物からの救いの手により死地を脱したり、ラストも、どシリアスな事態なのに笑って済ませてしまったり。ナチに人権は無いってのね(爆)…いや、無くてもいいとしても(ユダヤ人の人権は認めないナチだし)、この無茶苦茶さはなんだかそのう、見てるこっちがバカにされているような気がしてくるぞ。戦前(アメリカは参戦前)の映画だし、多少わざとらしくても「ノンキなアメリカ人に、ナチスドイツを放っておくとこんなに大変なんだと訴えるプロパガンダ映画なのね」と、我慢?しながら見ていたのだが、あまりにノリが変である。
ケイリー・グラントがむやみやたらと粋な二枚目ぶりを発揮しているだけに、こんな所でなんと勿体無い…と、見惚れながらも困ってしまう。一応名監督扱いのマッケリーの作品なんだけど、やはり時局モノには向かない人なんでしょう。実写フィルムまで混ぜてるようだが政治的な要素を含むエピソードに何のヒネリもキレもない。ジンジャー・ロジャースも「フツーのアメリカ娘、頭の回転も性格も悪くないけどノンポリが仇になる」という役柄をキビキビ演じてるが、なんだかなあ。
邦題も微妙だが原題も"Once upon a Honeymoon"とブッ飛んでいる。いいのかそんなんで…
グラント(またはジンジャー)が出てたら何でもいい、という人にのみオススメ。とりあえず彼らの美男美女ぶりに関して(だけ?)は絶好調ですので。
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