Webふぉとぎゃらりー
2012年9月4日 コンピュータ旅行中の写真をHPにどう出そうかの方針がなかなか決まってなかったが、「コメント多めのアルバム」てな感じにしようと、とりあえず決定。以前の旅行の時より、余裕も時間もないのに写真はずっと多い。ただし全て、データ化まではされている(デジカメ+ケータイ+銀塩写真はカメラ屋でCDに焼いてあるのでスキャンの必要なし)。
PhotoshopCS3のWebフォトギャラリー機能で、作業を自動化してこなそうと思ったのだが、なんでまた、こんな帯に短しタスキに長しなテンプレートしかないのかしら。テンプレート自体は二桁あるのに、どうしてprev⇔nextのリンクがはれるのがごく一部なの?どうしてコメントがつけられるものがごく一部なの?どうして…
フリーソフトも見て回った。すなねいる、ってのがシンプルでよさそうだなあ。ただ、写真のリサイズはふぉとしょの方がうまいんじゃないかという気がするので、途中まではふぉとしょを使うか?
それに、XPまでは保証済みだがVISTAは「たぶん大丈夫です」って…うーん…
結局やっぱり、ページの背景色を変えようとしたら必ずフリーズするのが分かった(爆)
いいよもう、白で。はいはい。
しかし、写真を見ているだけで(数が多すぎて、どれを使おうかなと悩む)、時間がどんどんたってゆくなぁ…ヤバイ…
PhotoshopCS3のWebフォトギャラリー機能で、作業を自動化してこなそうと思ったのだが、なんでまた、こんな帯に短しタスキに長しなテンプレートしかないのかしら。テンプレート自体は二桁あるのに、どうしてprev⇔nextのリンクがはれるのがごく一部なの?どうしてコメントがつけられるものがごく一部なの?どうして…
フリーソフトも見て回った。すなねいる、ってのがシンプルでよさそうだなあ。ただ、写真のリサイズはふぉとしょの方がうまいんじゃないかという気がするので、途中まではふぉとしょを使うか?
それに、XPまでは保証済みだがVISTAは「たぶん大丈夫です」って…うーん…
結局やっぱり、ページの背景色を変えようとしたら必ずフリーズするのが分かった(爆)
いいよもう、白で。はいはい。
しかし、写真を見ているだけで(数が多すぎて、どれを使おうかなと悩む)、時間がどんどんたってゆくなぁ…ヤバイ…
シャーロック・ホームズの決闘
2012年9月6日 読書 コメント (2)
伊吹秀明著。
ライヘンバッハの滝で宿敵とともに死んだと思われていたホームズ、彼の身を助けたのは日本の武術『バリツ』の素養だということである(ドイルの“原典”に書いてある)。
その『バリツ』を中心にホームズのかかわった事件を描くパスティーシュ短編集。
格闘家としてのホームズを描く、というので、アクションまたアクションかと思ってたらそうでもない。特に2作目以降は、ホームズの時代の実在の有名人や事件や流行を取り込み、読者をニヤリとさせてくれる。軽いがハメをはずしすぎず、バランスのとれた感じの楽しい読み物。
これもご紹介さんきゅでした、だぶるえんだーさま☆
ライヘンバッハの滝で宿敵とともに死んだと思われていたホームズ、彼の身を助けたのは日本の武術『バリツ』の素養だということである(ドイルの“原典”に書いてある)。
その『バリツ』を中心にホームズのかかわった事件を描くパスティーシュ短編集。
格闘家としてのホームズを描く、というので、アクションまたアクションかと思ってたらそうでもない。特に2作目以降は、ホームズの時代の実在の有名人や事件や流行を取り込み、読者をニヤリとさせてくれる。軽いがハメをはずしすぎず、バランスのとれた感じの楽しい読み物。
これもご紹介さんきゅでした、だぶるえんだーさま☆
1941年、アレクサンダー・ホール監督作品。モノクロ。
スカパー録画で視聴。Foxシネマにしては画質もいい(爆)
チャンプへの挑戦を夢見るボクサー、ジョー(ロバート・モンゴメリー)。
ところがある日事故にあった彼は、天国からの新米使者(エドワード・エヴェレット・ホートン)の勇み足で、まだ寿命があったのに魂を回収され、ミスだとわかった時には肉体は火葬に付されてしまっていた。使者の上司の係官(クロード・レインズ)はジョーに対して、代わりの肉体の提供を申し出る。ジョーはとりあえず、不仲の妻(とその愛人)に殺された富豪の死体に入って蘇り、不幸な女性(イヴリン・キース/「風と共に」のスカーレットの妹!)を助けようとするが…
そうです!ウォーレン・ビーティの「天国から来たチャンピオン」のモトになった映画がコレ。
ビーティがアメフト、オリジナルのモンゴメリーはボクシングと、競技ジャンルは違えど、予想以上に「そのまんま」なリメイクシナリオにちょっとビックリ。役名までもかなり同じで、70年も昔のこの元映画の、着想がいかに斬新だったかがよくかる。「肉体を変えても自分と観客には同じ顔」のアイディア、事故後に雲の上を歩いてくる場面などイメージ的にも旧作で既に「できあがって」る。オリジナリティを買ってか、Imdbのランキングでも、リメイクを上回る高得点。
…個人的には、映画全体としては「天国」が好き、と思うけどね(^^;)。
リメイク版「天国から」の方が、マイペース主人公の心の動きや彼に驚かされつづける周囲とのギャップの可笑しさはしっくりはまる。リメイクとはいえ、ダテにオスカーは取ってない。20世紀も後半の観客に合わせた、シナリオの細やかなカスタマイズが効いているのだ。
そして何といっても、雲の上で見え隠れに腕立て伏せするビーティの可愛さバカさ。
とはいえ、「幽霊」にも当然見るべき価値はある。「こっちが先だから」ってだけじゃない。
主役はビーティが上と思うし、トンデモ悲鳴の悪妻ダイアン・キャノンと落ち着いた美しさのジュリー・クリスティの対照の妙もいい(旧作ヒロインズもそう悪くはないのだが、ちょっとおとなしい?)。トレーナー役はウェットな新ジャック・ウォーデン、ドライにぶっとんだ感じの旧ジェームズ・グリーソンどちらもそれぞれに味があると認めよう。
だが!
天国勢は、ハッキリ言って旧作の方が上!!
まず、ダメ天国よりの使者・ホートン。ルビッチ映画で、アステア・ミュージカルで、長年様々な名画に出演しては「アホの脇役」として“ポカをやらかす”ことで物語を転がしつづけてきた彼だ。「この人がいて、何かポカをやらかさないわけわない」という抜群の安定感に、バック・ヘンリーごとき(失礼)がかなうわけがない。
そして何より、上司のクロード・レインズが素晴らしすぎ。「天国」ではジェームズ・メイスンが演じた係官ジョーダン氏、そりゃメイスンも名優の誉れ高い俳優だし(ただし私の好みではない)、決して悪い演技じゃないと思うが、レインズの品のよいユーモアといぶし銀の風格爆裂にはどうにもこうにも、及ばないのである。
流れるように画面を動いてゆく姿、慈愛と厳格を縦横に放射する微笑、波打つ粋なロマンスグレイ…
元々レインズは割と好きな脇役だったのだが、約1時間半のこの映画、ずーーーーーーーーっとひたすら、レインズに見とれておりました。
思い出して欲しい(知らない人はちょっと聞いて欲しい)。
この映画の原作戯曲も、「天国から来たチャンピオン」も、英語タイトルは“Heaven can wait”だ。なのだが、なぜか「幽霊紐育を歩く」のタイトルだけは違う。どんなかと言うと…
“Here Comes Mr.Jordan”
コレである。
…無理ないよなあ、と、嘆息するしかない私であった(笑)
スカパー録画で視聴。Foxシネマにしては画質もいい(爆)
チャンプへの挑戦を夢見るボクサー、ジョー(ロバート・モンゴメリー)。
ところがある日事故にあった彼は、天国からの新米使者(エドワード・エヴェレット・ホートン)の勇み足で、まだ寿命があったのに魂を回収され、ミスだとわかった時には肉体は火葬に付されてしまっていた。使者の上司の係官(クロード・レインズ)はジョーに対して、代わりの肉体の提供を申し出る。ジョーはとりあえず、不仲の妻(とその愛人)に殺された富豪の死体に入って蘇り、不幸な女性(イヴリン・キース/「風と共に」のスカーレットの妹!)を助けようとするが…
そうです!ウォーレン・ビーティの「天国から来たチャンピオン」のモトになった映画がコレ。
ビーティがアメフト、オリジナルのモンゴメリーはボクシングと、競技ジャンルは違えど、予想以上に「そのまんま」なリメイクシナリオにちょっとビックリ。役名までもかなり同じで、70年も昔のこの元映画の、着想がいかに斬新だったかがよくかる。「肉体を変えても自分と観客には同じ顔」のアイディア、事故後に雲の上を歩いてくる場面などイメージ的にも旧作で既に「できあがって」る。オリジナリティを買ってか、Imdbのランキングでも、リメイクを上回る高得点。
…個人的には、映画全体としては「天国」が好き、と思うけどね(^^;)。
リメイク版「天国から」の方が、マイペース主人公の心の動きや彼に驚かされつづける周囲とのギャップの可笑しさはしっくりはまる。リメイクとはいえ、ダテにオスカーは取ってない。20世紀も後半の観客に合わせた、シナリオの細やかなカスタマイズが効いているのだ。
そして何といっても、雲の上で見え隠れに腕立て伏せするビーティの可愛さバカさ。
とはいえ、「幽霊」にも当然見るべき価値はある。「こっちが先だから」ってだけじゃない。
主役はビーティが上と思うし、トンデモ悲鳴の悪妻ダイアン・キャノンと落ち着いた美しさのジュリー・クリスティの対照の妙もいい(旧作ヒロインズもそう悪くはないのだが、ちょっとおとなしい?)。トレーナー役はウェットな新ジャック・ウォーデン、ドライにぶっとんだ感じの旧ジェームズ・グリーソンどちらもそれぞれに味があると認めよう。
だが!
天国勢は、ハッキリ言って旧作の方が上!!
まず、ダメ天国よりの使者・ホートン。ルビッチ映画で、アステア・ミュージカルで、長年様々な名画に出演しては「アホの脇役」として“ポカをやらかす”ことで物語を転がしつづけてきた彼だ。「この人がいて、何かポカをやらかさないわけわない」という抜群の安定感に、バック・ヘンリーごとき(失礼)がかなうわけがない。
そして何より、上司のクロード・レインズが素晴らしすぎ。「天国」ではジェームズ・メイスンが演じた係官ジョーダン氏、そりゃメイスンも名優の誉れ高い俳優だし(ただし私の好みではない)、決して悪い演技じゃないと思うが、レインズの品のよいユーモアといぶし銀の風格爆裂にはどうにもこうにも、及ばないのである。
流れるように画面を動いてゆく姿、慈愛と厳格を縦横に放射する微笑、波打つ粋なロマンスグレイ…
元々レインズは割と好きな脇役だったのだが、約1時間半のこの映画、ずーーーーーーーーっとひたすら、レインズに見とれておりました。
思い出して欲しい(知らない人はちょっと聞いて欲しい)。
この映画の原作戯曲も、「天国から来たチャンピオン」も、英語タイトルは“Heaven can wait”だ。なのだが、なぜか「幽霊紐育を歩く」のタイトルだけは違う。どんなかと言うと…
“Here Comes Mr.Jordan”
コレである。
…無理ないよなあ、と、嘆息するしかない私であった(笑)
死者の短剣 旅路 上 (創元推理文庫)
2012年9月9日 読書
ロイス・マクマスター・ビジョルド著。
異世界ファンタジー?のシリーズ三作目を読み始める(遠い未来か遠い過去が舞台の可能性もゼロではない)。
タップのレッスン後、ムスコの学校の文化祭見物へとちょこっと回る。本人はたまたま部活の試合が当たっていて、いないんだけどな…
(ちょっと空しい気がする)
暑くて暑くてめっちゃ疲れた。
で、この本もあまり進まなかったのだけど(面白くないわけでは決してない!)、表紙がちょっと変でないかい?
片手を怪我で失っている主人公のダグは、仕掛けつきの義手を左手首にセットしていて、弓もひけるようになっていると本文中にもあるのだが、さすがに義手のほうで弦を引き絞って射るのは難しいのではないか?
そもそも右利きだったら左手で弓を支え、右手で引き絞るでしょうし。
左利きで利き手を失ったようにも書いてなかったと思うけどなあ。
誰も表紙描いた画家にツッコまなかったんかー…
異世界ファンタジー?のシリーズ三作目を読み始める(遠い未来か遠い過去が舞台の可能性もゼロではない)。
タップのレッスン後、ムスコの学校の文化祭見物へとちょこっと回る。本人はたまたま部活の試合が当たっていて、いないんだけどな…
(ちょっと空しい気がする)
暑くて暑くてめっちゃ疲れた。
で、この本もあまり進まなかったのだけど(面白くないわけでは決してない!)、表紙がちょっと変でないかい?
片手を怪我で失っている主人公のダグは、仕掛けつきの義手を左手首にセットしていて、弓もひけるようになっていると本文中にもあるのだが、さすがに義手のほうで弦を引き絞って射るのは難しいのではないか?
そもそも右利きだったら左手で弓を支え、右手で引き絞るでしょうし。
左利きで利き手を失ったようにも書いてなかったと思うけどなあ。
誰も表紙描いた画家にツッコまなかったんかー…
死者の短剣 旅路 下 (創元推理文庫)
2012年9月11日 読書
あーーー、一気に読んじゃった。
湖の民と地の民のあいだに橋を掛けようとするふたり。
今回は川をくだってロード・ムービー風?
旅の中で理解者や友人がボチボチふえて、湖の民の「基礎」を扱う能力の謎が色々開陳されて、終盤には意外な相手との戦いもあって、地味だけどますます面白くなって来ました。
ダグがデキる湖の民なのはわかってたけど(若い連中を導きまくってる…)、フォーンがこんなに頭がよくて、予想以上に大活躍なのが楽しい。
フォーンの兄フィットも、お調子者だけど発想が柔軟なところもあって面白い。
四巻目が訳されるのが待ち遠しくなってきたー!
湖の民と地の民のあいだに橋を掛けようとするふたり。
今回は川をくだってロード・ムービー風?
旅の中で理解者や友人がボチボチふえて、湖の民の「基礎」を扱う能力の謎が色々開陳されて、終盤には意外な相手との戦いもあって、地味だけどますます面白くなって来ました。
ダグがデキる湖の民なのはわかってたけど(若い連中を導きまくってる…)、フォーンがこんなに頭がよくて、予想以上に大活躍なのが楽しい。
フォーンの兄フィットも、お調子者だけど発想が柔軟なところもあって面白い。
四巻目が訳されるのが待ち遠しくなってきたー!
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首の姫と首なし騎士 英雄たちの祝宴 (角川ビーンズ文庫)
2012年9月12日 読書
睦月 けい著。
豊饒祭の季節が来た。シャーロットは一念発起、「国王の資質を持つもの」を見定めるため、これまで避けまくっていた「人前に出る」ことを決意し、マナーやダンスなど社交術の特訓を受けることにするが…
あいかわらず、ところどころ日本語が変で、心理描写もたまにぎくしゃく、宮廷や政治を「勉強」で描いてる感が抜けないが、キャラクター設定に独特の個性というか手ごたえがあるので、つい読まされる。夜中に一気読み。
何かにつけて不器用で人前に出るのが怖い、自信が持てないトラウマ姫のシャーロット。でも、その割に(そのぶん?)あれこれ深く考えるところがあるし、意外と皮肉屋で、語り手である彼女の独白は「えっちらおっちら」ぎくしゃく進むが、そこが独特で面白い味になっている。
最初に登場した時に感じられた(そして世間一般に思われていた)よりはずっと努力家だし。
幼少期のトラウマがでかすぎたんだよねきっと。この三巻目では「がんばる姫」に好感が持てる。厳しいレオンにもクールなアルベルトにも認められてよかったねー♪
一番おいしく書けてるのはレイフォード王子だけどね。
豊饒祭の季節が来た。シャーロットは一念発起、「国王の資質を持つもの」を見定めるため、これまで避けまくっていた「人前に出る」ことを決意し、マナーやダンスなど社交術の特訓を受けることにするが…
あいかわらず、ところどころ日本語が変で、心理描写もたまにぎくしゃく、宮廷や政治を「勉強」で描いてる感が抜けないが、キャラクター設定に独特の個性というか手ごたえがあるので、つい読まされる。夜中に一気読み。
何かにつけて不器用で人前に出るのが怖い、自信が持てないトラウマ姫のシャーロット。でも、その割に(そのぶん?)あれこれ深く考えるところがあるし、意外と皮肉屋で、語り手である彼女の独白は「えっちらおっちら」ぎくしゃく進むが、そこが独特で面白い味になっている。
最初に登場した時に感じられた(そして世間一般に思われていた)よりはずっと努力家だし。
幼少期のトラウマがでかすぎたんだよねきっと。この三巻目では「がんばる姫」に好感が持てる。厳しいレオンにもクールなアルベルトにも認められてよかったねー♪
一番おいしく書けてるのはレイフォード王子だけどね。
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大いなる遺産 下 (河出文庫)
2012年9月14日 読書
チャールズ・ディケンズ著。
ジェントルマンの体裁は出来上がったが、金が転がり込んできてもダメにならずにいるのはなかなか難しい。愛するエステラには相変わらず振りまわされるばかり、都会に出て以来、立派なダメ若紳士になりかけていたピップだが、謎の財産贈与の主の正体がようやく判明し、彼の運命はまた大きく揺さぶられることになる。
上巻を読み終え、下巻に入ったところで時間が足りなくなって(後に予約がついていたから延長できなかった…)、泣く泣く一旦返却したものが、ようやくまた回ってきました。
上巻はさすがに昔の小説らしくゆったりゆったりだったのが、下巻に入ってからはじわじわペースが早くなって、様々な伏線風呂敷がガシガシ折りたたまれてゆき、しまいにゃジェットコースター・ノベル!そりゃ19世紀きってのベストセラー作家だもんね…
いや、どきどきハラハラだけでなく、細かく書き込まれた人間描写がまた面白いのですが…
ヤな奴、情けない奴がいっぱい出てくるけど、そんな人ばかりでもない。良い友人を何人か持てていたのが、やはり主人公には救いになりましたね。全般に、ヘンな人は多いけどね。というかヘンでない人はあまりいない…。中でもウェミック、すごい…最初出てきた時、こんな深い(?)ヤツだとは思いませんでしたよ。大活躍するし、びっくり(^^;)
エステラをめぐるミス・ハヴィシャムの思いとか、後半は皮肉で諷刺的なトーンだけでなくメロドラマチックなシーン、ホロリとする盛り上げなんかも効いてて一気読み。
あー、これで、録画してある映画版(デヴィッド・リーン版)が観れるな!
楽しみだ!
ジェントルマンの体裁は出来上がったが、金が転がり込んできてもダメにならずにいるのはなかなか難しい。愛するエステラには相変わらず振りまわされるばかり、都会に出て以来、立派なダメ若紳士になりかけていたピップだが、謎の財産贈与の主の正体がようやく判明し、彼の運命はまた大きく揺さぶられることになる。
上巻を読み終え、下巻に入ったところで時間が足りなくなって(後に予約がついていたから延長できなかった…)、泣く泣く一旦返却したものが、ようやくまた回ってきました。
上巻はさすがに昔の小説らしくゆったりゆったりだったのが、下巻に入ってからはじわじわペースが早くなって、様々な伏線風呂敷がガシガシ折りたたまれてゆき、しまいにゃジェットコースター・ノベル!そりゃ19世紀きってのベストセラー作家だもんね…
いや、どきどきハラハラだけでなく、細かく書き込まれた人間描写がまた面白いのですが…
ヤな奴、情けない奴がいっぱい出てくるけど、そんな人ばかりでもない。良い友人を何人か持てていたのが、やはり主人公には救いになりましたね。全般に、ヘンな人は多いけどね。というかヘンでない人はあまりいない…。中でもウェミック、すごい…最初出てきた時、こんな深い(?)ヤツだとは思いませんでしたよ。大活躍するし、びっくり(^^;)
エステラをめぐるミス・ハヴィシャムの思いとか、後半は皮肉で諷刺的なトーンだけでなくメロドラマチックなシーン、ホロリとする盛り上げなんかも効いてて一気読み。
あー、これで、録画してある映画版(デヴィッド・リーン版)が観れるな!
楽しみだ!
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ベヒモス ―クラーケンと潜水艦― (新ハヤカワ・SF・シリーズ)
2012年9月15日 読書
スコット ウエスターフェルド著。
スチームパンクでラノベな異世界第一次大戦ストーリー、二巻目。
今度はイスタンブールが主な舞台。オスマン帝国はドイツと英国、どちらにつくのか。
追われるオーストリアの公子アレックと、女の子なのを隠して英国空軍に入隊したデリンの、冒険また冒険。意外にテンションが落ちない、むしろ一巻目より面白かったくらいで、三巻目が楽しみになった!
スチームパンクでラノベな異世界第一次大戦ストーリー、二巻目。
今度はイスタンブールが主な舞台。オスマン帝国はドイツと英国、どちらにつくのか。
追われるオーストリアの公子アレックと、女の子なのを隠して英国空軍に入隊したデリンの、冒険また冒険。意外にテンションが落ちない、むしろ一巻目より面白かったくらいで、三巻目が楽しみになった!
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おっとびっくり!「拳銃の罠」
2012年9月15日 映画 コメント (4)なんと、愛するリチャード・ウィドマーク様の「拳銃の罠」がアメリカでブルーレイ化されるらしい(DVD版も同時発売)。
あああああああ、字幕は、字幕は~?!
日本語字幕なんて贅沢はいいません。近頃ほんと、英語字幕すらないものが多いもの。
ワーナー・アーカイヴとか、オンデマンドばやりなのがイカンではないかな。
続報が待たれます。
あうあう。
http://classicflix.blogspot.jp/2012/09/olive-widmark-cobb-tina-louise-in-trap.html
…それにつけてもしんどい…
いくらでもしたいこと、見たい映画、再開したいゲーム、ありすぎるほどあるのに…。
こんなことで興奮しているバヤイではない。体力は大事。
…ねよ…
<続報>
http://www.fantasium.com/detail.phtml?ID=DRA92285
dvdファンタズムで見ると、CC(クローズド・キャプション)字幕なら、あるらしい。
…買おうかな♪
あああああああ、字幕は、字幕は~?!
日本語字幕なんて贅沢はいいません。近頃ほんと、英語字幕すらないものが多いもの。
ワーナー・アーカイヴとか、オンデマンドばやりなのがイカンではないかな。
続報が待たれます。
あうあう。
http://classicflix.blogspot.jp/2012/09/olive-widmark-cobb-tina-louise-in-trap.html
…それにつけてもしんどい…
いくらでもしたいこと、見たい映画、再開したいゲーム、ありすぎるほどあるのに…。
こんなことで興奮しているバヤイではない。体力は大事。
…ねよ…
<続報>
http://www.fantasium.com/detail.phtml?ID=DRA92285
dvdファンタズムで見ると、CC(クローズド・キャプション)字幕なら、あるらしい。
…買おうかな♪
1946年、デヴィッド・リーン監督作品。モノクロ(イギリス映画)。
スカパー録画で視聴。
英国の文豪チャールズ・ディケンズの「大いなる遺産」の映画化。
原作(邦訳だが)を読んだばかりでコレを見ると、あの場面もほしいあの描写もほしいあの説明も欲しいとか思わずにはいられないところもあるが、あれだけの長く深い話を約二時間にぶちこむのは確かに無理(もともと、登場人物たちの因縁のからまり加減は東映赤いシリーズか韓流ドラマかというくらいなのである。原作では文庫本上下巻使ってじっくり伏線も引いてあるのだが…)。
圧倒的に濃い、19世紀英国の世相描写・諷刺場面の省略は、いたしかたないところはある。
「あの説明も…」というのは、日本語字幕の字数制限のため私が見落としただけで本当はちゃんと台詞に入っている部分も多数あるだろうし。
ここはむしろ、映画というある程度時間的制約のある枠内で、ディケンズ世界の雰囲気をこれだけ良く出して盛り上げた映像美と演出・脚色の妙をホメるべきだろう。
開巻1分で、もう主人公の少年(アンソニー・ウェイジャー)は脱獄囚につかまって脅しあげられているというテンポのよさ。
ときどきエッ、とか思う改変も(ビディーの件はちょっと吃驚)、絶対捨てられない部分をきちんと描くための思い切りの良さとも言える。どんどん俗化していく主人公の描写は、そんな中で唯一?の善行と抱き合わせてさくっと減らし(勿論ゼロにはしていない)、そのぶんラストの描き方を原作のさりげなさとはかなり変えてしまったけれど、映像的にはパンチの効いたものになったわけで一定評価はできる。
あの荒れ果てたお屋敷、不幸な事件のあと打ち捨てられていた部屋は、主人公たちの運命を大きく動かしたカゲの黒幕ではあるし…
私が録画を見てるあいだ、背後でごそごそと自分たちのしたいこと(ネットサーフとかアルバム整理とか)をやってた家族達も、何か終盤はTVの方を見てましたからね。(…中途半端に見て、ここぞという場面で「アレはなんでや」とか聞くのはほどほどにしてほしいんだけどさ!)
もちろん、出演者たちもみな、半世紀以上前の名優たちなので余計にかもしれないが、原作の挿絵から抜け出してきたかのよう。
成人後主人公のジョン・ミルズは、良くも悪くも素直な青年を(老けてはいるが)好演。一見頼りなげだが善き友ハーバートは、これが映画デビューのアレック・ギネスで純情ぽいキョロキョロ目が印象的。限りなく優しい鍛冶屋のジョー⇒バーナード・ミルズ、野獣のような脱獄囚⇒フィンレイ・カリー、弁護士の助手ウェミック⇒アイヴァー・バーナードなど、名前までは知らないような英国俳優たちは全員ハマってる。主人公とウェミックとがウェミック父の前でぶんぶん頷いてる場面は爆笑でした。
冒頭のキャストでフランシス・L・サリヴァンの名に気づいた時には思わず「ジャガーズ弁護士っきゃない!」と叫びましたが、やっぱりこの辣腕弁護士を怪演してた。やっぱりな。
そして、少年時代の描写が素晴らしかったのも文芸映画の常だが大変効いていた。
身を縮めるようにして育つ貧しい孤児の主人公が恋する、仄暗いお屋敷で『男たちの胸を破るべく』育てられたジーン・シモンズの高慢美少女ぶりが素晴らしく、そりゃ、冷たいとわかっていても大人になるまでアトを引くのは無理ない感じ。…それだけに、成人後のヴァレリー・ホブソンは何とかならんかったんかーと物足りなさをおぼえた。「カインド・ハート」の時は割と好印象だったんだけどな、ホブソン…
残念なのはこの点くらいかな?…いやー、堪能いたしました(*^^*)
スカパー録画で視聴。
英国の文豪チャールズ・ディケンズの「大いなる遺産」の映画化。
原作(邦訳だが)を読んだばかりでコレを見ると、あの場面もほしいあの描写もほしいあの説明も欲しいとか思わずにはいられないところもあるが、あれだけの長く深い話を約二時間にぶちこむのは確かに無理(もともと、登場人物たちの因縁のからまり加減は東映赤いシリーズか韓流ドラマかというくらいなのである。原作では文庫本上下巻使ってじっくり伏線も引いてあるのだが…)。
圧倒的に濃い、19世紀英国の世相描写・諷刺場面の省略は、いたしかたないところはある。
「あの説明も…」というのは、日本語字幕の字数制限のため私が見落としただけで本当はちゃんと台詞に入っている部分も多数あるだろうし。
ここはむしろ、映画というある程度時間的制約のある枠内で、ディケンズ世界の雰囲気をこれだけ良く出して盛り上げた映像美と演出・脚色の妙をホメるべきだろう。
開巻1分で、もう主人公の少年(アンソニー・ウェイジャー)は脱獄囚につかまって脅しあげられているというテンポのよさ。
ときどきエッ、とか思う改変も(ビディーの件はちょっと吃驚)、絶対捨てられない部分をきちんと描くための思い切りの良さとも言える。どんどん俗化していく主人公の描写は、そんな中で唯一?の善行と抱き合わせてさくっと減らし(勿論ゼロにはしていない)、そのぶんラストの描き方を原作のさりげなさとはかなり変えてしまったけれど、映像的にはパンチの効いたものになったわけで一定評価はできる。
あの荒れ果てたお屋敷、不幸な事件のあと打ち捨てられていた部屋は、主人公たちの運命を大きく動かしたカゲの黒幕ではあるし…
私が録画を見てるあいだ、背後でごそごそと自分たちのしたいこと(ネットサーフとかアルバム整理とか)をやってた家族達も、何か終盤はTVの方を見てましたからね。(…中途半端に見て、ここぞという場面で「アレはなんでや」とか聞くのはほどほどにしてほしいんだけどさ!)
もちろん、出演者たちもみな、半世紀以上前の名優たちなので余計にかもしれないが、原作の挿絵から抜け出してきたかのよう。
成人後主人公のジョン・ミルズは、良くも悪くも素直な青年を(老けてはいるが)好演。一見頼りなげだが善き友ハーバートは、これが映画デビューのアレック・ギネスで純情ぽいキョロキョロ目が印象的。限りなく優しい鍛冶屋のジョー⇒バーナード・ミルズ、野獣のような脱獄囚⇒フィンレイ・カリー、弁護士の助手ウェミック⇒アイヴァー・バーナードなど、名前までは知らないような英国俳優たちは全員ハマってる。主人公とウェミックとがウェミック父の前でぶんぶん頷いてる場面は爆笑でした。
冒頭のキャストでフランシス・L・サリヴァンの名に気づいた時には思わず「ジャガーズ弁護士っきゃない!」と叫びましたが、やっぱりこの辣腕弁護士を怪演してた。やっぱりな。
そして、少年時代の描写が素晴らしかったのも文芸映画の常だが大変効いていた。
身を縮めるようにして育つ貧しい孤児の主人公が恋する、仄暗いお屋敷で『男たちの胸を破るべく』育てられたジーン・シモンズの高慢美少女ぶりが素晴らしく、そりゃ、冷たいとわかっていても大人になるまでアトを引くのは無理ない感じ。…それだけに、成人後のヴァレリー・ホブソンは何とかならんかったんかーと物足りなさをおぼえた。「カインド・ハート」の時は割と好印象だったんだけどな、ホブソン…
残念なのはこの点くらいかな?…いやー、堪能いたしました(*^^*)
永遠の曠野 芙蓉千里III
2012年9月18日 読書
須賀しのぶ著。
ちょっと最後駆け足だが(まあ、戦前の大陸の状況の解説でイロイロ時間もかかるし…)、大ロマン完結。
いやー、神の舞姫から、馬賊のかみさんに本当になっちゃうんだから凄すぎ。
それでも相変わらずのイキオイのある文章で一気に読まされた。
面白かった。
…えー、やっぱこう収めるの~、と、思わなかったと言えば嘘になるかもだが(笑)
ほんとは★4に近い★3。
あと、ショールカ可愛いよショールカ~(*^^*)
ちょっと最後駆け足だが(まあ、戦前の大陸の状況の解説でイロイロ時間もかかるし…)、大ロマン完結。
いやー、神の舞姫から、馬賊のかみさんに本当になっちゃうんだから凄すぎ。
それでも相変わらずのイキオイのある文章で一気に読まされた。
面白かった。
…えー、やっぱこう収めるの~、と、思わなかったと言えば嘘になるかもだが(笑)
ほんとは★4に近い★3。
あと、ショールカ可愛いよショールカ~(*^^*)
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響野夏菜著。
ファンタジー・ラブコメ。
といっても結構ハードに不幸なお育ちのヒロインは皮肉屋の意地っ張り。
何たって生まれた時に悪い魔法使いに呪われて、お城から出たらヒロインは死ぬ、ヒロインに触れた異性はカエルになってしまう、の二重苦のままお年頃になったんですから。
そんな彼女にまさか!の新展開。彼女の絵姿を見て一目ぼれした大国の王子が婚約を申し入れてきて、「呪いを解くため」の腕きき魔法使い兼「お輿入れに備えての」教育係を送りこんできたのだった。
この魔法使いゼルイーク、確かに腕ききで、来ただけで彼女の呪いをちょっぴり軽減し、しかも相当なイケメンなのだが、これがヒロイン以上の皮肉屋のドSで…
魔法使いの意地悪ぶりには多少イライラするが、あ・かるいバカ王子アレクセルが魅力的で楽しい。一見優秀かつ美形なのだが真性のアホ。でもイイ男なのだ。王子喋りも好み(笑)
誰に対しても容赦のないゼルにムチャクチャされたり、歯の浮くようなセリフにヒロインが嫌な顔をしてもゼンゼンめげない。そして時たま(たまにだが)、モノスゴくいい事を言ったりもする。
呪いは一朝一夕には解けきらないようだが(実際10冊くらいシリーズが続いている様子…)、結構面白いので(主としてアレクセルが…)、続きも読んでみようっと♪
ファンタジー・ラブコメ。
といっても結構ハードに不幸なお育ちのヒロインは皮肉屋の意地っ張り。
何たって生まれた時に悪い魔法使いに呪われて、お城から出たらヒロインは死ぬ、ヒロインに触れた異性はカエルになってしまう、の二重苦のままお年頃になったんですから。
そんな彼女にまさか!の新展開。彼女の絵姿を見て一目ぼれした大国の王子が婚約を申し入れてきて、「呪いを解くため」の腕きき魔法使い兼「お輿入れに備えての」教育係を送りこんできたのだった。
この魔法使いゼルイーク、確かに腕ききで、来ただけで彼女の呪いをちょっぴり軽減し、しかも相当なイケメンなのだが、これがヒロイン以上の皮肉屋のドSで…
魔法使いの意地悪ぶりには多少イライラするが、あ・かるいバカ王子アレクセルが魅力的で楽しい。一見優秀かつ美形なのだが真性のアホ。でもイイ男なのだ。王子喋りも好み(笑)
誰に対しても容赦のないゼルにムチャクチャされたり、歯の浮くようなセリフにヒロインが嫌な顔をしてもゼンゼンめげない。そして時たま(たまにだが)、モノスゴくいい事を言ったりもする。
呪いは一朝一夕には解けきらないようだが(実際10冊くらいシリーズが続いている様子…)、結構面白いので(主としてアレクセルが…)、続きも読んでみようっと♪
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スレイヤーズすまっしゅ。5 恋せよオトメ (富士見ファンタジア文庫)
2012年9月20日 読書
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鳥籠の王女と教育係 姫将軍の求婚者 (コバルト文庫)
2012年9月21日 読書
ちゃっちゃと読み進んではや四巻目に入った。
婚約者は王子様なのに(しかもアホだけどイイ男…)、なんか教育係とカップリング方向にばかり話が進んでいくのがなんとなく気に入らないが(笑)
かっとんだり真面目にキメたりとメリハリのきいた王子様の言動に、なんかページを次々と繰ってしまうんだね。
もしヒロインと王子様の婚約が破棄されて、王子様が舞台から退場してしまったら、私は続きを読めるだろうか…
そこはちょっと心配かも。
婚約者は王子様なのに(しかもアホだけどイイ男…)、なんか教育係とカップリング方向にばかり話が進んでいくのがなんとなく気に入らないが(笑)
かっとんだり真面目にキメたりとメリハリのきいた王子様の言動に、なんかページを次々と繰ってしまうんだね。
もしヒロインと王子様の婚約が破棄されて、王子様が舞台から退場してしまったら、私は続きを読めるだろうか…
そこはちょっと心配かも。
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犬飼 六岐著。
豊臣氏は滅びたが、大御所徳川家康はいまだに、不世出の忍び・猿飛佐助の悪夢にうなされていた。佐助を含む真田の残党狩りへと駆り出された若き伊賀者・数馬だが…
佐助を倒すどころか、その容姿を確認しようとするだけでも大量に死者が出る始末。佐助に遭遇しながらからくも生き延びた数馬は、上司の命で様々な地へと飛ぶ。平和の世になった筈が、「佐助を討て」の命に従った伊賀忍者たちは次々と落命し、その数を激減させてゆくのが皮肉である。
数馬は、誠実だが、特に抜きんでた技量をもつわけではない。だが、戦いの最前線に立つ「中堅どころ」の能力の高い先輩たちから次々と死んでゆき、古老と若者ばかりが残されると、いつしか自分より若い忍びたちに目配りするような立場におしあげられてゆく。
若き中間管理職と言ってもいいかも。
こうした、さりげなく現代人の心情にも添う凡人の主人公設定が、繰り返される凄絶な戦闘場面とは対称的で、全体としては割と淡々としたなかに、不思議に透徹した印象がある。不器用な、淡い恋模様もちりばめて、いい感じだ。
むしろ名人や天才は、戦いの中で戦いに淫して狂ってゆく。常人の心の届くものではない…
佐助は別格としても、こうした天才肌の忍びたちの群像も、物語のアクセントになっている。
最近読んだ著者の作品の中では一番面白く感じた。
読書メーターなどを見ると意外に点数が辛いのが、とても不思議だ。
この抑制のきいてる所が、若い人に受けないんだろうか。
デビュー時はもっとはっちゃけていたのが、巧くなった…と私は思うんだけど。
といっても唯一、最後の最後で「えーと、あの××は?」と思うのは残念でした。
あと一声、簡潔にで良いから説明かヒントが欲しかった。私が読み過ごしたんじゃないよな。
誰でもが徳川家康の没年(年だけでも)を知ってるわけじゃなし。
(私もぐぐって確かめました)
この著者らしい、えっ!という仕掛けでもあるんですが。
ここは穴なんだろうけどつい夢中で読んだし読んでる途中の印象は良かったので★奮発。
豊臣氏は滅びたが、大御所徳川家康はいまだに、不世出の忍び・猿飛佐助の悪夢にうなされていた。佐助を含む真田の残党狩りへと駆り出された若き伊賀者・数馬だが…
佐助を倒すどころか、その容姿を確認しようとするだけでも大量に死者が出る始末。佐助に遭遇しながらからくも生き延びた数馬は、上司の命で様々な地へと飛ぶ。平和の世になった筈が、「佐助を討て」の命に従った伊賀忍者たちは次々と落命し、その数を激減させてゆくのが皮肉である。
数馬は、誠実だが、特に抜きんでた技量をもつわけではない。だが、戦いの最前線に立つ「中堅どころ」の能力の高い先輩たちから次々と死んでゆき、古老と若者ばかりが残されると、いつしか自分より若い忍びたちに目配りするような立場におしあげられてゆく。
若き中間管理職と言ってもいいかも。
こうした、さりげなく現代人の心情にも添う凡人の主人公設定が、繰り返される凄絶な戦闘場面とは対称的で、全体としては割と淡々としたなかに、不思議に透徹した印象がある。不器用な、淡い恋模様もちりばめて、いい感じだ。
むしろ名人や天才は、戦いの中で戦いに淫して狂ってゆく。常人の心の届くものではない…
佐助は別格としても、こうした天才肌の忍びたちの群像も、物語のアクセントになっている。
最近読んだ著者の作品の中では一番面白く感じた。
読書メーターなどを見ると意外に点数が辛いのが、とても不思議だ。
この抑制のきいてる所が、若い人に受けないんだろうか。
デビュー時はもっとはっちゃけていたのが、巧くなった…と私は思うんだけど。
といっても唯一、最後の最後で「えーと、あの××は?」と思うのは残念でした。
あと一声、簡潔にで良いから説明かヒントが欲しかった。私が読み過ごしたんじゃないよな。
誰でもが徳川家康の没年(年だけでも)を知ってるわけじゃなし。
(私もぐぐって確かめました)
この著者らしい、えっ!という仕掛けでもあるんですが。
ここは穴なんだろうけどつい夢中で読んだし読んでる途中の印象は良かったので★奮発。
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二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
2012年9月28日 読書
デイヴィッド・ゴードン著。
かつては純文学を志した筈が、今はポルノ雑誌のコラム書きやゴーストライター、お安いソフトコアSFやヴァンパイア小説で食いつなぐ二流小説家の主人公。
その文章を「ポルノ雑誌で読みファンになった。告白本を出すからライターになってくれ」と、収監中の連続殺人犯の弁護士から連絡が。酸鼻を極める猟奇的事件は、ベストセラー必至の極上ネタだ。取材に際して殺人犯から出されたいくつかの条件に応じて、動き始めた主人公が遭遇したのは…
途中に主人公作の、いかにもなジャンル小説の一節がはさみこまれたり、ヘタレなくせに何だか周囲は美女だらけ(別れた彼女、まだ女子高生な彼女、興味なさげな彼女、などなど…)な主人公の、オフビートなユーモアに満ちた語り口を楽しむものかな、と思っていたら、3分の1くらいからジェットコースター・ノベルに!
ちょっとビックリしました。面白かった。
もちろんそれでもオフビートなユーモアと、主人公の、「書くこと」についての錯綜する思いなども印象深く、最終的には主人公ちょっと前向きになってる感じで読後感も悪くない。うまい人だなー。
かつては純文学を志した筈が、今はポルノ雑誌のコラム書きやゴーストライター、お安いソフトコアSFやヴァンパイア小説で食いつなぐ二流小説家の主人公。
その文章を「ポルノ雑誌で読みファンになった。告白本を出すからライターになってくれ」と、収監中の連続殺人犯の弁護士から連絡が。酸鼻を極める猟奇的事件は、ベストセラー必至の極上ネタだ。取材に際して殺人犯から出されたいくつかの条件に応じて、動き始めた主人公が遭遇したのは…
途中に主人公作の、いかにもなジャンル小説の一節がはさみこまれたり、ヘタレなくせに何だか周囲は美女だらけ(別れた彼女、まだ女子高生な彼女、興味なさげな彼女、などなど…)な主人公の、オフビートなユーモアに満ちた語り口を楽しむものかな、と思っていたら、3分の1くらいからジェットコースター・ノベルに!
ちょっとビックリしました。面白かった。
もちろんそれでもオフビートなユーモアと、主人公の、「書くこと」についての錯綜する思いなども印象深く、最終的には主人公ちょっと前向きになってる感じで読後感も悪くない。うまい人だなー。
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