1959年、岡本喜八監督作品。モノクロ。

NHKBSでやってたのを録画。学生時代に名画座で見て以来の再見~☆
当時としては画期的な?戦場アクション。西部劇風味のキビキビしたカッコよさ、テンポのよさと斜に構えた皮肉な語り口が素敵。

とゆーか、“和製リチャード・ウィドマーク”だからね、主演の佐藤允が(笑)
若くてまだ痩せてるし、ギョロっとした目やニッと笑ってむき出した歯やらもあるけど、スピーディなアクションや、体格はデカくはないけど引き締まったシルエット、キザなポージングなど、ノリが確かにウィドマーク様を狙っててうなずける二つ名ではある。映画自体も、西部劇風味と書いたが、悠々・おおらかの古典的西部劇じゃなく、ジョン・スタージェスあたりのテンポの早いドライなタッチ。
映画のオープニングも、草の上に寝そべっていた主人公が、ガバっと起き上がると崖下へヒラリと跳躍、着地したのは鞍の上で、そのままダダッと馬を駆って走り去る…という、ちょーカッコいいワンシーン。ほんと、西部劇のノリをうまいこと取り入れてる(*^^*)

日中戦争末期、中国の奥地の日本軍駐屯地に、荒木と名乗る新聞記者(佐藤允)がやってくる。彼の目的は、ここの駐屯軍の中でも「どうしようもない連中」を集めた分隊、通称『独立愚連隊』で、妙な死に方をした見習士官の事件の真相を突き止めること。だが、『独立愚連隊』の面々は、敵中に大きく突出した危険な陣地に布陣させられていた。
中国軍の大攻勢を前に、彼は真犯人をあぶりだせるのか?そして記者の正体は…

途中からミステリー風味になるので、あまり語らないでおこう♪

主人公を追ってくる従軍慰安婦トミ(雪村いづみ)、キレた駐屯軍将校(中丸忠雄)、独立愚連隊の食えないリーダー軍曹(中谷一郎)、馬賊の兄妹(鶴田浩二&上原美佐)、登場人物たちのセリフにはいちいちひねりがあるし、キザなやりとりが楽しい。独立愚連隊のヘンな古参兵たちも、バカだけど愛すべき連中だ。ちょっとおかしくなっちゃった大隊長という意外なカメオ出演の三船敏郎にもビックリ(鶴田浩二の“カタコト日本語”も笑える)。

ひさしぶりに見たがやはり楽しかった。姉妹編「独立愚連隊西へ」はやらないのかなあ…
映画終了後の山本カントクの解説も、期待通りに“和製リチャード・ウィドマーク”の話をしてくれて満足(待ってました!)。「こんな顔の人」とスチルもチラっと出ました。ふふふ、よかったよかった。


たしかコレも和田誠さんがイイといってたので観たのじゃなかったかな。それとも小林信彦さんだったかな(私のクラシック映画好きはこの二人のせいである)。気に入って、カントクのエッセイも図書館の書庫から発掘して何冊か読んだっけ。映画同様キビキビと反骨精神のにじむ文章だったように覚えている。

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