1978年、ウォーレン・ビーティ&バック・ヘンリー監督作品。カラー。

学生時代に劇場で見た、ファンタジック・コメディ。スカパーでやってたので懐かしくなって再見。うん、この頃は結構色々見てたんだよね。映画ファンとしてはかけだし(笑)だったかもだけど。
天国とか、天使とか、死んだはずがこの世にさまよい出るとか、魂だけ別の体でよみがえるとか、そのテの物語は実は昔から大好きなんである。
勿論、私自身よりもっともっと昔からそのテの物語はしっかり存在していて、この「天国から…」だって、実は1941年の「幽霊紐育を歩く」のリメイクなんですけどね(笑)

やっぱり人間、死とか肉体とかの絶対的な束縛を超えるほどの純愛ファンタジーに、憧れちゃうのはしょーがないじゃない?(^^;)

物語はというと…
天国の案内人(バック・ヘンリー)の手違いで天国に召されそうになったアメフト選手のジョー(ビーティ)。肉体は火葬に付されてしまったが、何が何でもスーパーボウルに出たい彼は、死んだばかりの富豪の体を借りてよみがえるが…

生まれ変わりについてウダウダうるさく言ってたジョーが富豪の体に決めたのは、請願に来ていたベティ(ジュリー・クリスティ)を救いたいと思ったため。笑えるしロマンチックだしスポーツ映画でもあるが、全体にアッサリ味でトボケた中にペーソスをにじませた演出がいい。控えめなしんみりした音楽もいい(主人公がサックスで吹く「チリビリビン」も、いつも調子はずれ気味)。

また、主人公は一途だが、かなりヘンな人でもある。100%アメフトバカで、他人の体で富豪宅で暮らしていてもアメフトの事以外何にも考えてない。富豪は妻とその愛人(富豪秘書でもある)に殺されたのだが、同衾してる二人を見ても、ぜーんぜん何にも気にしてなくてマイペースなあたり、どっちがより困った人だかわからない(笑)
アメフトバカなあまり、恋に落ちてることにも、なかなか自分でピンときてなかったりする。ロマンチックな映画だが、ラブシーンは限りなく抑制されてプラトニックなのがまた、たまらない。当時ハリウッドきってのプレイボーイとうたわれてた筈のビーティが、体育会系の可愛いアホ青年を演じてさわやか。
ハッピーエンディング?の微妙さ加減といい、何とも言えない独特の後味をのこす、イイ映画でした。

「生き返って」から行動が別人のようになった富豪に困惑し、動揺しまくる不倫カップル(ダイアン・キャノン&チャールズ・グローディン)、ジョーの仲良しトレーナー(ジャック・ウォーデン)の悲喜こもごも、天国の係官ジェームズ・メイスンのさすがの貫録など、周囲もみんないい味出してる。
人が変わったご主人に困惑しながら、なんとなくほっこり嬉しそうな執事さんもよかったな。そして、富豪のお屋敷の庭がまた素敵!

70年代くらいまでの映画は、まだ、しんみりと控えめなところがあって良かったと思う…

お気に入り日記の更新

日記内を検索