第三回もやりますって、告知は出ていたが、しかし…

http://asa10.eiga.com/2011/topics.html#topic20111025

がーん…
それって、もうやらないのに近いじゃないか(T^T)
ついに、ジョン・フォードが一本もないまま終わるのね。なんか納得イカンです。
自分の好みで見たい、というのとはまたちょっと違った部分で…

男の敵

2011年11月9日 映画
1935年、ジョン・フォード監督作品。スカパー録画で視聴。

サイレント期を抜けてまだそれほどたっていないこともあり、演出特に音楽の使い方は古めかしいし、密告者(少々頭の弱い大男)の末路を描いた、ちっとも楽しくない話なのだが、周囲の人々の細やかな描写やいちいち構図の決まり加減がさすがはフォード。実は三分の一ほど見てから数日放っていたのだが、後半になるとなんだか引きこまれてツラツラ見てしまった。

独立を目指す地下組織が恒常的に活動しているイギリス統治下のアイルランド。ジッポ(ヴィクター・マクラグレン)は、恋人が「アメリカへ行きたい」と言うのを聞き、衝動的に、官憲に追われている旧友を密告して、二人分の運賃に相当する20ポンドを手に入れる。だが組織にはすぐにバレて…

ことの重大さを十分認識しないまま裏切り者になり、口から出まかせで他人に罪をなすりつけようとするジッポは醜い。「わかっていない」としてもちっとも清廉な男ではない。しかも、さっさと逃げればよいのに、大金に興奮してか無意味に酔って騒いで賞金と時間を無駄遣いする。無意識下で己の醜悪さが分かっているがゆえの愚行かもしれない。最後の教会のシーン、「許します、あなたは自分が何をしたのか分かっていなかったのだから…」て、これも聖書からの引用というかバリエーションであり、なるほどこう来たかと(ベタだけど)感心。冒頭にもユダのくだりが字幕で出たね。

古いしこういうテーマだしで何だか評価つけられないけど、当時評価が高かったのはわかるわね(アカデミー賞の主演・監督・脚本・音楽を獲ってる)。音楽も、マックス・スタイナーの曲自体は暗い力強さを備えており忘れ難いものがある。

ぬれぎぬをきせられかける仕立屋のオジサンがドナルド・ミークだった。弱々しいオジサンを演じさせるといつも印象的だよねこの人(笑)

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