2000年、スティーヴン・ダルドリー監督作品。スカパー録画で視聴。
一種のダンス映画だということで、新しいけど(けど?)、見てもいいかなと(笑)

ふとしたことからバレエに興味を抱いた11歳のビリー(ジェイミー・ベル)。時は1984年、町は炭鉱労働者たちの労働争議で揺れ動いており、頑固な炭鉱夫の父(ゲイリー・ルイス)も兄(ジェイミー・ドレイヴン)もバレエなと「女のすること!」と断じ、理解してくれない。
内緒でレッスンを受け続けるビリーに、バレエの先生は(ジュリー・ウォルターズ)は「ロイヤル・バレエ学校のオーディションを受けてみたら?」と言いだすのだが…

サクセスストーリーとしてではなく、閉塞感に満ちた社会と家庭の描写をズシっとからめて描かれるのが今風。親友がゲイへの道を進んでいくのも、バレエの先生の娘さんとあけすけな会話をするのも今風。そして、田舎町から夢のためローティーンで一人旅立っちゃうことの「ほろ苦さ」もしっかり入れてて明るい作風じゃないけれど、ユーモラスなやりとりもチョコチョコとはさんでるので飽きない。バレエに夢中になるうち、気弱を絵に描いたような主人公がほんの少しずつ逞しくなってるのもお約束だがイイ。
後半、ビリーの本気に打たれた父親が、一転これまで放置気味だった次男のため渾身の手助けをしようとするのが泣かせる。後半はすっかり家族愛ものですねー。乱暴者っぽい兄も、認知症気味の祖母も次男を心から愛してる。

読めるっちゃ読める展開だけど、ダンスや音楽がキチンと盛り上がるように入っているので、最後まで真剣に見てしまいました(笑)
先生と家族の板挟みになったイライラが狂騒的なステップにつながって走り出すビリーとか、体育館で、チュチュ着た友達(♂)とふざけている所を父親につかまり、覚悟の決まったビリーがいきなり踊り出すところとか。

しかし、ラストは私みたいにそんなにバレエ詳しくない人間、ぐぐらないとわかんないすよ(笑)
結構有名な演目なのね?
一瞬トロカデ…むにゃむにゃ…かと思った(逝)
バレエ踊る男なんてゲイだろ?必ずしもそうじゃないわ、って、主人公と先生の娘が話していたのを思い出すと笑える。「必ずしも」って、否定しきれてないし~(笑)


序盤で、早死にしたビリーの母親のことを祖母が「あのコはアステアのファンでねー」というと、「トップ・ハット」の映像が流れるのは大サービス(私への)。個人的には、アレで最後まで見ちゃったかも(笑)。
実際には音楽もロック(らしい)が多いのも、ダンスが必ずしもバレエ一辺倒じゃないのも、今の観客向けなのかな。「バレエの技術は入学してから。オーディションでは自分をダンスで表現できるかの素質を見る」という先生の話で、レッスンでもバレエでない踊りもしてるんだけど、路上や体育館で踊りまくる場面はかなりタップが入ってた。ビリー君、アステア映画も見てたのかしら。まあ、ダンスは色々なジャンルがあるけど、根底では結構つながってるもんね。

ダンスを習って、できないコトが悔しくてこそっと家で練習してみたりして、少しずつ出来ることが増えてくる楽しさは、すごく納得できる。最近あまり家でタップ練習できてないけど、私もがんばろ♪

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