1965年、フィリップ・ド・ブロカ監督作品。カラー、仏映画。
BSイマジカ“吹替偉人伝”シリーズで吹替版を視聴。もちろん既に字幕版を録画はしているのだが、再見しそびれていた。
ジャン=ポール・ベルモンドの「男」シリーズが大好きな私は、大昔のTV放映(当然吹替)をVHSテープにとって何度も見ていた。出来栄えが最高なのは「リオの男」、最もぶっ飛んだ感覚を楽しめるのは時代アクションでもある「コニャックの男」(監督は違うけど)。一番ばかばかしいスラプスティックは「カトマンズの男」と思っていたけどほんとにその通り…
「リオの男」の山田康雄さんの吹替版は先日キッチリ録画したけど、カトマンズは青野武さん、なんだ山田さんじゃないんだーと思って油断してうっかり録画設定を忘れ、でも晩ふとTVをつけたら吹替版「カトマンズの男」が始まりかけていたので、そのまま見てしまう。…最後まで見てしまった(苦笑)
いやー青野さん、職人芸ですね。悪くないじゃん。“いつものベルモンド”山田さんの味ともちょっと合わせるのか、“ベルモンドのイメージ”は、ばっちり。
今回ちょっと受け身で頼りなげなベルモンドなのも良かったのか。
物語はひたすら逃げて逃げての追っかけっこ。アルチュール(ベルモンド)は大富豪家の当主だが、豊かすぎる毎日にウンザリして何度も自殺を図る。生きる目的が見つからないと言う彼は、後見人的存在のゴー氏のすすめで「一か月以内に死亡した場合限定」の生命保険をかけてみるが、とたんに次々と身に降りかかってくる危機また危機に驚き、忠実な執事(ジャン・ロシュフォール)と共に、反射的に殺し屋たちを避けて逃げ回る。逃げる途中、ストリップ小屋の美女アレクサンドリーヌ(ウルスラ・アンドレス)に一目ぼれしたアルチュールは、一転生きる目的が出来、生命保険を解約するため(生命保険目当ての敵から殺し屋が派遣されていると思われるので)、香港からヒマラヤを越えてチベットはカトマンズへの大冒険をくりひろげることに。
サイレント喜劇のドタバタを再現したかのようなスピーディでナンセンスな大騒ぎとアクションを、素晴らしく美しい映像とオシャレなセンスで料理した作品。香港やチベットの人々の描き方もいいかげんステレオタイプだ(まーコメディだし)。そんなアホな、とぬるく笑いながらも、ベルモンドの全身全霊、海に空に、都会の空中にと(建設現場のアクロバットアクションは凄い!)、身を粉にするが如きアクションには感動すらおぼえる(ストリップまでやってのける…器用なやっちゃ…)。
頭から飛びついて、ころぶ。それが何十回、リテイクもあるだろうから、何百回、あったのだろうかとクラクラしてくる。ベルモンドはスタントを使いたがらないので有名なスターだ。
そしてこのベルモンド&ド・ブロカ監督一流の「超スピーディなノリ」をみごとに伝える吹替。私は字幕派だが、ハイレベルな吹替が、こうした神速アクション・コメディの魅力を、言葉の壁を越えて伝えるのに素晴らしい効果があることは認めている。
ソファに1人陣取って見ていると、部屋の隅でスマホをいじっていた高校生の息子が寄ってきて、最後までソファの後ろに立って、時々ぷ、と小声で笑いつつ(渋いヤツだ)見ていた…
そうか、ワカルか、息子よ。(^^♪
終わると、いつ頃の作品?と聞いてきた。母が、やたら古い映画しか見ないのを知っている。
ちょうど50年前のだよ。半世紀前に、こんなに素晴らしいおバカ映画があったんだよ。
実は、ジュール・ヴェルヌが原作な話。
BSイマジカ“吹替偉人伝”シリーズで吹替版を視聴。もちろん既に字幕版を録画はしているのだが、再見しそびれていた。
ジャン=ポール・ベルモンドの「男」シリーズが大好きな私は、大昔のTV放映(当然吹替)をVHSテープにとって何度も見ていた。出来栄えが最高なのは「リオの男」、最もぶっ飛んだ感覚を楽しめるのは時代アクションでもある「コニャックの男」(監督は違うけど)。一番ばかばかしいスラプスティックは「カトマンズの男」と思っていたけどほんとにその通り…
「リオの男」の山田康雄さんの吹替版は先日キッチリ録画したけど、カトマンズは青野武さん、なんだ山田さんじゃないんだーと思って油断してうっかり録画設定を忘れ、でも晩ふとTVをつけたら吹替版「カトマンズの男」が始まりかけていたので、そのまま見てしまう。…最後まで見てしまった(苦笑)
いやー青野さん、職人芸ですね。悪くないじゃん。“いつものベルモンド”山田さんの味ともちょっと合わせるのか、“ベルモンドのイメージ”は、ばっちり。
今回ちょっと受け身で頼りなげなベルモンドなのも良かったのか。
物語はひたすら逃げて逃げての追っかけっこ。アルチュール(ベルモンド)は大富豪家の当主だが、豊かすぎる毎日にウンザリして何度も自殺を図る。生きる目的が見つからないと言う彼は、後見人的存在のゴー氏のすすめで「一か月以内に死亡した場合限定」の生命保険をかけてみるが、とたんに次々と身に降りかかってくる危機また危機に驚き、忠実な執事(ジャン・ロシュフォール)と共に、反射的に殺し屋たちを避けて逃げ回る。逃げる途中、ストリップ小屋の美女アレクサンドリーヌ(ウルスラ・アンドレス)に一目ぼれしたアルチュールは、一転生きる目的が出来、生命保険を解約するため(生命保険目当ての敵から殺し屋が派遣されていると思われるので)、香港からヒマラヤを越えてチベットはカトマンズへの大冒険をくりひろげることに。
サイレント喜劇のドタバタを再現したかのようなスピーディでナンセンスな大騒ぎとアクションを、素晴らしく美しい映像とオシャレなセンスで料理した作品。香港やチベットの人々の描き方もいいかげんステレオタイプだ(まーコメディだし)。そんなアホな、とぬるく笑いながらも、ベルモンドの全身全霊、海に空に、都会の空中にと(建設現場のアクロバットアクションは凄い!)、身を粉にするが如きアクションには感動すらおぼえる(ストリップまでやってのける…器用なやっちゃ…)。
頭から飛びついて、ころぶ。それが何十回、リテイクもあるだろうから、何百回、あったのだろうかとクラクラしてくる。ベルモンドはスタントを使いたがらないので有名なスターだ。
そしてこのベルモンド&ド・ブロカ監督一流の「超スピーディなノリ」をみごとに伝える吹替。私は字幕派だが、ハイレベルな吹替が、こうした神速アクション・コメディの魅力を、言葉の壁を越えて伝えるのに素晴らしい効果があることは認めている。
ソファに1人陣取って見ていると、部屋の隅でスマホをいじっていた高校生の息子が寄ってきて、最後までソファの後ろに立って、時々ぷ、と小声で笑いつつ(渋いヤツだ)見ていた…
そうか、ワカルか、息子よ。(^^♪
終わると、いつ頃の作品?と聞いてきた。母が、やたら古い映画しか見ないのを知っている。
ちょうど50年前のだよ。半世紀前に、こんなに素晴らしいおバカ映画があったんだよ。
実は、ジュール・ヴェルヌが原作な話。