歌舞伎ミステリもう一作。こないだの「桜姫」の前の話。
「わたし」の一人称が何人分もあって読みづらいのだが、やっぱりというのか何というのかそこには著述のトリックが。
雰囲気だけは出ている(動機や事件の裏事情の特殊さも、梨園という特殊環境を思えばソレはソレで良しって感じー☆)ので、そこはまあ許してもいい。

ただ…あと少し、舞台用語や演目や役名や何やに、ふりがな多めにつけてくれると良いんですが(爆)
無風流な私はあまり知らんのよ歌舞伎。
知らずとも読めるのは読めるようにできてはいますが…

ISBN:4048730835 単行本 近藤 史恵 角川書店 1998/03 ¥1,680

コメント

nophoto
なおみ
2006年1月8日18:34

この本は、さらっと読みやすかったです。
最終ページで「えっ、もう終わり?」。
エキセントリックに始まったのに、始末のつけ方が結構定石だったと言うか、トリックに関係ある中心人物の心理描写は書き込まれていますが、周りの印象(探偵を含む)が薄かったためそう感じてしまったのかもしれません。
たとえば御曹司でない、大部屋役者の心境もこんなもん?もっと葛藤のある歌舞伎役者の世界の本を読んだことがあったのでちょっとびっくりでした。話の本筋に関係ないからカットしたのか、こういう扱いを納得した上でこの世界にいる登場人物なのか、他の本にはそんな話も出てくるのかな。
歌舞伎は中学生の頃に片っ端から台本を読んだはずなのに、もうだいぶ忘れています。あのころは結構窮屈な思いをしていたので感ずるところがあったようです。
文中で「人を不快にさせるかっこう」に関する言及がするどくて、どきっとしていしまいましたー。気をつけよう・・・

『ああいえばこういう・・・』は今日借りてきました。日記からの学習で、その後寄った美容院の待合で読むのは避けました。
『我輩は・・・』は予約を出してきました。
私は夏目漱石は『倫敦塔』が一番好きだったので、楽しみー♪

ボースン
ボースン
2006年1月10日9:14

近藤史恵さんは意外とさらっとした調子ですね。少なくとも歌舞伎シリーズは。
逆に日記に書きそびれたかもしれないけど「スタバト・マーテル」とかは濃厚どろどろした愛情(恋愛のみではない)の話でした。
でも一番期待してるのは、実は最近始められた警察モノシリーズ。南方署って、舞台も大阪だし…テンポよくユーモラスで、実はコレが最初に読んだ近藤本でした。最近第二弾「黄泉路の犬」が出たので予約順番待ちです(第一弾は「狼の寓話」)。

「人を不快にさせる格好」は私もギクドキです(苦笑)

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